俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

冷し中華ルーム

みなさんは今年、冷し中華を食べましたか。

僕は食べていません。

いつからでしょうか。

僕が冷し中華を食べなくなったのは。


少年時代

冷し中華はお母さんが作ってくれるものでした。

お母さんは日清あたりが作っている「3個パック冷し中華」を茹で、

それを水で締めたあとに水を切って、平皿に盛り、冷蔵庫に入れていました。

わが家は5人家族なので、夏になると冷蔵庫の中を冷し中華の平皿が占めるような夜があり、

ある意味、夏の風物詩となっていました。

わが家は雑貨屋を経営しており、店が閉まるのが7時だったのでそれから夕食を作ると大体食べるのは8時半から9時になります。

僕は冷蔵庫の冷し中華が冷えるのを、今か今かと待ったものでした。

そして母親はキュウリとハムを刻み、錦糸卵の代わりにスクランブルエッグを更にボロボロになるまで焼いた卵を作り、それを上に載せて夕食に出すのでした。

まだ、ドリフが全盛期だった時代。

1980年代初めのことでした。

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大学に入り、一人暮らしするようになるととたんに冷し中華を食べる割合は減りました。

冷し中華の酸っぱいたれは大好きで、毎日でも食べたいくらいでしたが、

やはり自分で作るのは面倒でした。


では、ラーメン屋などで冷し中華を食べたかといえば、それもなく

冷し中華とそうめんを、外で金を払って食べるということに、どうしても抵抗感がありました。


もちろん、お金を払う価値があるだけの、美味い冷し中華というのも存在するかもしれません。

しかし、やはり普通のラーメンに比べると割高ですし、

自分で作ったほうが安くてたくさん食べられる(ま、作りませんけど)と思ってしまい、

’90年代~’00年代はひと夏に1~2回しか冷し中華を食べませんでした。

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ただここ数年、冷し中華を食べない理由が少し変わってきました。

ここ数年は猛暑で、かなり暑い日が続いており、外に昼飯を食べに行くときなど

「あっち~。今日は冷し中華ぐらいしか食う気しないわ~」

という日がけっこうあります。


で、「よし!今日はいっちょ、冷し中華で行くか!」と日高屋のドアを開けた瞬間

僕は

「・・・・・・・・・・・。タンメンにするわぁ・・・」

となってしまうのです。


なぜでしょうか。

それは、日高屋に限らず、ラーメン屋が得てして”寒い”からです。


ラーメン屋は寒い

これは、どのくらいの共感を得られるのでしょうか?


もちろん、昔ながらの扇風機だけのラーメン屋もあるかもしれません。

が、最近のチェーン店やおしゃれなラーメン屋は大抵エアコンをガンガンに効かせているので

かなり寒く感じます。


おそらく、あそこでデスクワークをしたら、1時間以内に震えが止まらなくなります。

そう、ラーメン屋は普通のオフィスよりエアコンの温度をかなり低く設定しているらしいのです。

理由はもちろん、「熱いラーメンを食べているうちに体が熱くなるから」でしょう。

熱いラーメンを食べている人にとって、エアコンは命。

エアコンが効いていなかったらYシャツが汗でびちょびちょになり、午後の仕事に影響を与えます。

よってそんな店にはそのうち客が来なくなってしまいます。

だから店側も気を使ってガンガンにエアコンを効かせるのでしょうが、

エアコンの苦手な僕などは

ドアを開けて、席に座り、メニューを開いて選んでいる間にすでに寒くなってしまい

冷し中華食べたら死ぬわ」

「熱いラーメン食べないとやってられんわ」となってしまうのです。


もちろん、エアコンが効きまくっている中で冷し中華を食べている人もいるのですが、

冷し中華がうまいのは、やはり扇風機だと思う。

エアコンがガンガン効いている部屋ではなく、扇風機や、自然の風で涼をとりながら食べる

これが冷し中華が一番美味く食べられるシチュエーションだと思います。


これだと、ラーメン後の水も滅法うまい!

少しぐらいぬるくなっていても、蒸し暑いラーメン屋で飲む水はうまい。

五臓六腑に染み渡り、2杯、3杯とイケます。

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僕はラーメン屋に言いたいんです。

最近は、喫煙席と禁煙席を分ける飲食店も増えていますが、

ラーメン屋は「熱麺席」と「冷麺席」を設けるべきだと。


通常のラーメンを頼む人は、エアコンの温度を低めに設定した熱麺席へ

冷し中華などの冷たい麺を頼む人は、扇風機のみ、またはエアコンを28度に設定した冷麺席に座って食べる。

これが自分達の作った”作品”を一番おいしく召し上がっていただける環境ではないか、と。


ま、そんなことをいっておきながらエアコンのないラーメン屋に入ったときは確実にイラつくんだけど・・・。

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