それは2010年8月19日のこと。
仕事がなく、必要以上の夏休みに時間を持て余している僕は、テレビのリモコンを片手にザッピングしていた。
いや~すごいな。
AKB48は昨日、新曲が発表されたということで、プロモーションでテレビに出まくっている。
まあ、それはよくあることだし、別にわるいことではないけれど、どこへいっても大所帯なので妙に目に付く。
だから人以上に「やりすぎ感」が強く感じる。
フジテレビの「わらっていいとも」にはチームA,B,Kがそれぞれトークゲストとして16人ずつ参加。
3日間、「いいとも」のゲスト席をジャックした。
その後すかさず「徹子の部屋」だもの。
そりゃ~鼻につく。
タモリさんは二日連続で「仲悪いでしょ?」と話をふっていた。
3日間、模範的なアイドルが来てプロモーションして帰るだけなので、退屈なんだろう。
が、「徹子の部屋」はすごかった。
何がすごいって、徹子の衰えがすごかったのである。
みなさんは、最近の黒柳徹子をご存じだろうか?
今日、本当に久しぶりに徹子を見たのである。
「徹子の部屋」では必殺の芸人殺し「オチを言ってからのフリ」「ハードルをあげてからのフリ」「ノーリアクション」などの技を披露したりする人。
しかし、今日見た徹子は、脳梗塞で倒れてリハビリ中の人のように、舌が回っていないのである。
まるで「あ痛っ!舌かんじゃった」でお馴染みの永六輔のように、舌足らずな感じ?
いや、むしろ舌がうまく動かせないような感じで苦しげにしゃべるのだ。
あの徹子がだ。
全盛期の黒柳徹子を知っている身としてはこれは恐ろしい。
とにかく発情期の九官鳥のように、甲高い声でギャーギャー早口でしゃべりまくっていた徹子が
うまく話せなくなっていたのである。
僕は悲しくなってしまった。
芸能人の老いというものは、見ている人を悲しくさせる。
ましてや、本日のゲストは若さはじける女の子グループなのである。
この組み合わせの悲しさと言ったらなかった・・・。
同じく、悲しい老いを披露し続けている芸能人に森光子がいるが、森光子はレギュラー番組を持っていないので、フェードアウトすることができる。
しかし、徹子は毎日テレビに出ているのである。
何人もの若いゲストと対峙しているのである。
これはきつい。
呼ばれたほうも、見る方もキツい。
もしかしたら本人だけが「死ぬまで続けたい」といっているのかもしれないが、
僕はもう徹子の部屋を見るのが辛い。
単純にトークを楽しむことができない。
おそらくしばらく「徹子の部屋」を見ることはないと思う。
が、人生に悩んだり、自分の老いに悩んだりしたときに、徹子さんに救われるかもしれないね。
あの人ががんばっているなら・・・