俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

訪韓日記(12月29日)「ソウルでおごられ、褒められた」

ソウル5日目


今日は彼女が有給を取ったので、朝から一緒。

まずは日曜日に撮影した結婚写真を選びにいく。

100枚近く撮った中から、「アルバム用」30枚、「結婚式当日の受付に飾る用」1枚、「家に飾る用」3枚組の写真を選ぶ。

それにしても・・・・自分の写真って改めて見ると・・・・なんとも間抜けである。

撮影の時は「もっと笑って!」と、100%のスマイルを要求され、「そうそう!そのまま!はい、いいよ~!」なんておだれられ調子に乗っていたが

笑ってる自分の顔はなんとも不細工だ。

おかしい・・・。

写真を撮られている時は、80年代のアイドル雑誌『明星』や『平凡』に出ているようなさわやかアイドル気分。

はたまた自分のイメージではイ・ビョンホンのようなキラー・スマイルを作っているイメージだったのに、できた写真はまるでチャウチャウのような目になっていて、なんとも間抜けだ。

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一方、彼女の写真はさすがにきれいに写っているのだが、本人は「ダメだ!」「おばさんみたい!」と嘆いている。

写真というのはそういうもんなんだろう。

誰だって自己評価は高い。

”自分はもっとかっこいいはずだ””もっときれいなはずだ””もっとかわいいはずだ”と思っている。

が、他の人にとっては、実物と写真はまったく同じなのである。

普段、周りからこんな不細工に見られていたとは・・・まったく嫌になる。


彼女は写真業者さんに「顔の傷を消して、顎のラインを細くして、あと、肌をきれいに直して、胸を大きく、ウエストを細く、お尻も大きくしてください!」と加工をお願いしていた。

それならモデルさんの写真に、顔だけ彼女のを張り付けた方が早いんじゃないか?

「うるさい!一生の記念に残すものなんだからいいの!」

「将来、子供に『ママは昔、こんなにきれいだったんだ』という証拠を残さなきゃ」

まだ見ぬ我が子よ・・・・ママは昔っから見栄っぱりだったよ・・・

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さて、無事、結婚写真を選び終えた。

僕の顔は納得できないままだったが、彼女がきれいに写っていたらそれでいい。

僕は周りから見たらいつもこんな顔なんだろうと思うしかない。


今日の昼飯は彼女のお母さんと3人でブルコギを食べることになっていた。

彼女の家の近くで待ち合わせて3人で店に入った。

僕は韓国でブルコギを食べるのは2回目だが、いずれも日本で食べるものとはイメージが違っていた。


実はブルコギにもいろいろなスタイルがあるそうで、日本で食べるものは真ん中が盛り上がった鍋に味付きの肉を乗せ、周りに溜まったタレをかけながら、肉を焼くようにして調理するものだが、

ソウルで食べたものは完全なすき焼きタイプで、ツユを張った鍋で肉を煮ていた。

結構甘い味付けで、うちの親が作る「すき煮」に近かった。

が、出されたものはなんでもおいしく、大量に食べるタイプなので、すべて平らげた。

彼女のお母さんも僕がたくさん食べると満足らしい。

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その後、お義母さんが友達に僕を紹介したい、とのことで、お義母さんの溜まり場へと向かった。

そこは小さな不動産屋で、中には大柄のママと、小柄のおばさんがストーブを囲んでお茶を啜っていた。

お義母さんが意気揚々と「どうだ!これが娘の旦那だ!」と紹介すると、大小のおばさんは目をキラキラさせながら

「んま~~!かっこいい!」「テレビの俳優みたい!」「タレントになれるわよ!」「かわいいわね~!!」と、次々と僕を誉めたたえた。


「んなアホな・・・」「社交辞令にもほどがある」と思いつつ、「いえいえ、そんなことはないですよ」と照れてごまかしたが、僕への賛辞は止まず、お義母さんも鼻高々なのであった。

すると後ろから視線を感じ、振り返るともう一人のおばさんがガラスのドア越しにこちらを見ていた。

「な、なんだこいつは?」と思ったが、この方もお義母さんの茶飲み友達らしく、僕をじろじろ見ながら中に入ってきた。

ちょっと愛想は悪そうだったが、ピンクのカーディガンに身を包み、お茶目な感じもする。

お義母さんたちは暇さえあればこの店に集まっておしゃべりをしたり、散歩したり、近所の店を食べ歩きしたりしてるらしく、

「ここら辺はあたしらの縄張りだ」と言い張っているらしい。


すると不動産屋のビッグママが「めでたいから今日は私が焼き肉をごちそうするわ!」と言い出した。

や、焼き肉ですか?

僕ら、ブルコギをたらふく食べたばかりですけど?

焼き肉も4日前にしこたま食べたばかりですが・・・


が、めでたい席には焼き肉なのだ。


結局その日の晩飯はお義母さんの縄張りの店で「サムギョプサル(豚の三枚肉)」をいただくことになった。

実は夕食前に彼女とショッピングセンターをブラブラし、途中、途中小さな喧嘩をし、バーガーキングでアイスとコーヒーとオニオンフライを食べたので、あまり食欲がある状態ではなかったが、せっかくなのでここでも遠慮なく、肉を食いまくった。


本場のサムギョプサルがまたすばらしく旨く、大量に出されたナムルやら、フワフワ卵の鍋やら、味噌鍋やらがまた素敵に美味かったので、すべて平らげてしまった。

その喰いっぷりに、お義母さんの茶飲み友達(ピンクのカーディガンのおばさん)も感心し、

「よし!明日は私が晩飯をごちそうしてやる!」と言い出す始末。

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結局その翌日はピンクのおばさんに超大振りな餃子が入った餃子鍋、冷麺をごちそうになり、

その翌日は彼女の実家の隣りに住んでいるおばさんに鯖大根、焼き太刀魚、アジの開きなどの魚料理を

彼女の従姉妹のお兄さんに「マックッス」という”そば”

最後は彼女のおじさんに「カムジャタン」というジャガイモと牛の背肉の煮物


とにかく、毎日のようにゴチになりまくった。

彼女と二人で食事したのは朝飯と昼飯ぐらい

あとは次から次へと「結婚おめでとう!おごってやる!!」という人が現れ、毎晩毎晩、ホテルでぶっ倒れるほど、そして腹がはち切れるほど食べまくった。


僕はこの旅で5キロは太りそうです・・・・

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