俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

義弟よ・・・その1

今年の夏

僕は震災後の仕事減を埋めるべく、休みもとらずに働いていた。

よって旅行みたいなものはできなったのだが、今年の夏のもっとも大きなイベントと言えば

「義理の弟の初来日」

である。

僕の妻は韓国人なので、当然、義理の弟も韓国人ということになる。

もちろん面識はあるのだが、いかんせん僕は韓国語が苦手、義弟も日本語を話せないことからコミュニケーションの取りようがない。

が、義弟は日本のアニメが大好きで、日本のプラモデルを作ってはその写真を撮ってネットに公開する大の日本オタク

その義弟が初めての海外旅行で日本にやってくるという。

これは義理の兄としては、もてなさないわけにはいかない。

僕は義弟用の布団、タオルケット等を購入、さらに飯もたらふく食べてもらおうと貯金も数万円下ろしておいた。

7月29日(金) 羽田空港に到着した弟は初めての海外旅行に目を輝かせながら到着ゲートを出てきた。

いよいよ義弟の大冒険の始まりである。

これで僕が車かなんかで空港に迎えに来れたのならかっこよかったのだが、僕は19で免許を取って以来、19年運転をしていない筋金入りのペーパードライバー

僕は義弟のスーツケースを運びながら京急電鉄に乗り込む。

妻が義弟になにやら話しかけている。

弟は「なんか、あんまり外国に来た気がしないな」などと話していたそうだが、顔は嬉しそうだ。

とりあえず電車を乗り継いで1時間半、わが町に到着。

日本に着いて最初の食事を摂ることになった。

が、時刻はすでに11時。

東京のはずれの町で開いているのはファストフードくらい。

結局この日は釜揚げうどんチェーン「楽釜」で”うどんとチキン南蛮丼セット”を食べた。

ちなみに僕もこの店には初めて入ったのだが、うどんが歯ごたえがありすぎて「なんだこりゃ?」という感じ。

讃岐うどんというのはこういうものなのだろうが、ちょっと硬すぎないか?

不安になって隣りを見ると妻も「硬いな・・・」という表情。

そしてその向こうに座っている義弟は・・・・やっぱり硬そうだったが、チキン南蛮丼がうまくて意外に満足してくれた。

確かに「楽釜」、肉うどんの肉とチキン南蛮はうまい・・・・

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翌日は土曜日で僕も仕事がなかったので、僕と妻、義弟、そしてワーキングホリデーで来ているいとこと4人で観光をすることにした。

ちなみに義弟の滞在した5日の間、この4人で過ごすことが多かったのだが、僕は日本にいながらマイノリティーになるという貴重な経験をした。

だって、家に帰っても韓国語が飛び交ってるんだもの・・・

日本にいながら海外に行った気分が味わえた。


さて、秋葉原に着いて一番はしゃいでいたので誰でもない、僕であった。

だって、だってですよ・・・・

例えば「ワタシ、サムライスキデ~ス!!」「ニンジャワドコ??」「ニホンジン、ドウシテ キモノキナイノ?オカシイヨ!!」なんていうアホな外国人がいたとする。

そういう奴は当然日本に来て打ちひしがれることになる。

しかし、「ワタシ、ニホンノアニメスキデ~ス!」「メイド ドコ??」「ニホンジン、コスプレスキデショ??」なんていうバカな外国人が秋葉原に来たら

たちまち目をキラキラさせるはずである。

だって秋葉原には本当にメイドがうろうろしているんだもの。

それが、メイドカフェの中だけではない。

普通に街中を歩いているのだ。(ま、多くは自分が働くメイドカフェのビラ配りなのだが・・・)

あの四つ角にも、あの裏路地にも、向こうの通りにも、横断歩道の反対側にも

メイドメイド、メイドメイド、メイドメイド、メイドメイド・・・

そりゃ~~たまげたさ!!

いや、僕、日本人ですけど、あまりの異様な光景に目が丸くなったな。

そりゃあ、外国人観光客集まるわ・・・

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義弟はプラモデルや中古のゲームソフトを求め、いろいろな店に入っていく。

僕はそれについていくのだが、もうどの店も異次元!!

美少女アニメのグッズ売り場にくれば、オタクデブかと思いきや高校生カップルが意外にいたり、

「こんなアニメ知らんぞ?よっぽどのマニアしか・・・」なんて思ってたら外国人が群がっていたり、

プラモデルのフロアはレジの前に行列ができてるし、

セクシーな美少女フィギアの前を小さい子が歩いてるし・・・・

「ここ、アダルトコーナーじゃないの?」ってところを、老夫婦が楽しそうに歩いてる。


秋葉原=オタクの街

という偏見があった時代しか知らない者にとって、本当にここは異国

中華街とか、コリアンタウンとか、そんな感じ

驚いているのは僕ぐらいで、みんなそんな街に全く動じていない。

もちろん、そこを歩いているのは俺と同じ日本人なんだけど、なんか「アキバ市の住人」という感じか?

本当にその人たちの日常の中に、僕が迷い込んでしまった感じ。

僕はちょっと頭が痛くなってしまった。

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とりあえず秋葉原UDXで飯を食う。

なんでも、韓国人は2階の受付で、ネットからプリントアウトしたある写真を見せると1000円のお食事券がもらえるそうな。

僕ら4人は僕以外が韓国人なので、3000円のお食事券をゲット。

少しぜいたくしてお好み焼き屋で6000円分食べてしまった。

その後、カフェで一息ついていると義弟は

「旨い!このアイスコーヒーでさえ、特別うまく感じる!」と感激。そして

「もう休んでいる時間がもったいない!上野にも行きたいし浅草にも行きたい!」


結局その日は午後に上野のアメ横を見学し、ついでに浅草の仲見世浅草寺を見るというハードスケジュール

もうぐったりとして家路に着いた。


が、なんと駅からの帰り道に盆踊り大会を発見

海外旅行に来てこういうものを見るのって、意外に嬉しいもんなんだよな・・・

初日は義弟も僕も大満足の観光だった。

が、翌日、ものすごいことが起こるのである・・・・

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