俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

嫁の実家へ帰省する その①

嫁の実家に帰省してきた。

嫁の実家は韓国のソウルなので、当然、パスポートを持って、飛行機に乗って、イミグレーションで指紋と写真を撮られての帰省ということになる。

嫁にとっては1年ぶりの帰省、しかも結婚後初の帰省ということで、とにかく浮かれまくっていた。

お土産用にわざわざ京都の八つ橋や油とり紙を通販で購入したり、親戚・家族・友人らに配るカップラーメンやらコーヒーやら子供のおもちゃやらを鬼のように買いまくった。

おかげで自分の荷物が10キロ程度だったのに対し、お土産が25キロ。

嫁が持つ荷物が10キロ分の小さなスーツケースなのに対して、僕が運ぶ荷物がお土産20キロのバッグというハメに・・・。

帰りは軽くなるかと思いきや、帰りもお土産で同じ重さになるという。

こりゃあエラい帰省になりそうだぞい・・・

イメージ 1


1 嫁の実家

僕は今回、初めて嫁の実家へ行った。それまで5回韓国へ行っていたが、「家が狭くて汚い」「まだ結婚前だから」という理由で、家には入れてもらえないでいた。嫁の家族と会う時はいつも外。

しかし結婚もしたということで、今回初めて嫁の実家に招待されることになったのだ。

宿泊は基本近くのホテルだが、朝ごはんを食べに毎朝嫁の実家に通うことになった。

嫁の実家は日本で言えば団地のような感じだった。

2Kで、一つの部屋は義弟の部屋、もう一つが居間兼、義母、義妹用の寝室。結婚前は嫁も含めて女3人で一部屋を使っていたらしい。

僕が泊まるとしたら弟の部屋に二人で寝ることになるのか・・・・確かに・・・・その・・・あれだ。

で、ちょっと楽しみにしていた韓国の一般の朝ごはんであるが、ご飯に、いわゆる韓定食の小皿が並ぶ。

普段は白菜キムチと大根キムチが並ぶ程度だということだが、今回は婿様(つまり僕ね)が初めて来るということでナスの惣菜とたまねぎの醤油漬け、青唐辛子の味噌和えが加わった。実に韓国の朝ごはんらしくてよろしい。

僕がよろこんで食べていると、義母は翌日以降は張り切って朝5時前に起きて、「タラの煮物」や「サバのキムチ煮」「ジャガイモと鶏肉の韓国風煮物」などを作ってくれるのであった。

これがまたすこぶるうまいのだが、僕は朝は割と軽く済ませるタイプなので、これだけ豪華な朝ごはんは少しヘビー。

しかも妻の実家は最近、朝ごはんをあまり食べないなので義母や義妹にとってもちゃんとした朝食はこれまたヘビー。

お互いちょっとがんばって朝飯を食べるのであった。

イメージ 2


2 嫁のデリカシー

僕は朝はゆっくりうんこをしたいタイプである。

それもトイレに本やスマホを持ち込んで長居をするタイプである。

さらに「親はなくとも食休み」という言葉を忠実に実践する男で、食後15~30分は座椅子を倒してピクリとも動かないことを朝の日課としているのだ。

が、ここは嫁の実家である。

食後に寝転がるなんてことは失礼にあたる。

それどころか、足を伸ばすことだってちょっと横柄な感じだ。

ましてやうんこなんてできっこない。

お行儀よくテレビでも見ているのが嫁の実家における夫の取るべき行動というものだろう。

食後、嫁や義母は食事の片づけ、皿洗いなどをしており、僕一人が居間に残される。

で、僕はしかたなく居間で韓国のテレビを見ているのだが、言葉がわからない。もちろん、チャンネルを変えるなんてことはできない。僕はお客さんなのだから。

スマホや文庫本を取り出すというのもなんか退屈しているように見えてしまうし、寝転がって食休みをするわけにもいかない。

これならまだ皿でも洗っていたほうがやることがあっていいのだが、やはり客の立場であるので家事は手伝わせてもらえまい。

そんな僕のことを察してか、嫁は「つまらない?」とか「居心地悪いよね?」などと聞いてくるのだが、そんなこと聞くか?普通。

そりゃあ自分の実家じゃないんだから、ものすごくくつろけるわけではないが、だからって「うん、つまらない」とか「ホテルに帰りたい」なんて言えるわけがない。

嫁の実家なんだから、多少気を使うことはあるが、それがすぐ「つまらない」ということにはつながるまい。

だからこういう時は、嫁は先の先を読んで、ホテルに帰ってから「ありがとう」とか「ご苦労様」というのが正しい。

ホテルに帰ってから、嫁の実家でできなかった屁を思う存分ブリブリ垂れながらそんなことを考えていると、嫁は逆に「あんたはデリカシーがないわね」などとぬかすのである。

お互い様だ。

イメージ 3