俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

僕の居場所

ゴールデンウィークに実家に帰ってきた。

そして久しぶりに家族が全員集合となり、華やかな晩餐となった。


僕は男ばかりの3人兄弟(の次男坊)

それぞれが嫁を連れて実家に集合したのだが、最終的には僕が一番居心地が悪かったりもした。


なんだろう?

仕事で集合が遅れた兄と兄嫁以外の

父、母、嫁、弟、弟嫁がせわしなく晩御飯の準備をしている間、僕は何もせずに居間でテレビを見ている。

僕はこういうのが苦手なのだ。

例えば誰かのうちに集まると、みんながみんな台所に立って何かをやろうとする。

が、台所なんて3人も入るといっぱいになってしまうので、結局ほとんどの人は手持ち無沙汰で近くをうろうろするだけになる。

だから僕はこういう「人のうちでパーティー」みたいなときは、台所に立たないことにしている。

最初からテーブルに座ることにしているのだ。

ま、目の前にジュースとコップがあったらそれをつぐぐらいのことはするが、基本、やることがないのに立ち上がることだけはしない。


我が家では、母が味噌汁を作り、僕の嫁が具材を切り、弟嫁が小皿やらコップを食卓に運んでいる。

父と弟は手巻き寿司のための酢飯を作っている。

「おおおお、みなさんご苦労様だね・・・」

と僕は横目で見ながら、テレビを見ている。


「手伝えばいいじゃん!」と思うかもしれないが・・・・手伝うことって意外にない。

ま、それでも嫁さん連中は無理やりやることを見つけて台所に立つのだが。。。

僕はどうもその、”みんなで台所に立つの図”が苦手なのだ。


一応、いいわけを言わせてもらえれば、

「夫の実家で一番居場所がないのはお嫁さん。お嫁さんが仕事もせずに座っているというのは母はもちろん、お嫁さん自身もなんとなく嫌なものだ。だから夫の実家ではお嫁さんに仕事をさせてあげるのが夫の愛情!お嫁さんの仕事を奪わないのが夫の愛情!」

「わが父は気が小さくてお人良し、働き者で落ち着いて座ることができない人。一家の大黒柱として、でん!と上座に座る・・・・ことが苦手なので、家族のためにお茶を入れたりつまみを出したりすることに喜びを感じる人。だから父に甘えるのが息子としての愛!」


うん、そうだ。

きっとそう。僕の判断は正しい。

そりゃ~僕だってなんだか居心地が悪い。

さっきから弟嫁がにらんでいる気もするし、

「働かざる者 食うべからず」と子供のころから教わってきた。

台所で僕以外の家族が楽しそうにわいわいやっているのを横目で見ながら、見て見ぬふりをしているだけだ。

テレビだってほとんど目に入っていない。


が、誰かがやることがなくて困らなければならないなら、それはお嫁さんたちや両親であってはならない


たとえ冷たい目で見られようとも・・・・たとえぐうたらなダメ男と見られようとも・・・・

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ちなみに僕は典型的な”会話が苦手な男”でもある。

特に弟とは全くしゃべらない。

また、弟のほうも元々秘密主義で、子どもの時から家族の中でも「我 関せず」を貫いていた。

だから僕と弟はお互いの携帯電話の番号すら知らず、住所も知らず、この20年でも数回しか会っておらず、数言しか話していない。

「よぉ」「お母さんは(どこ)?」「おめでとう(←お互いの結婚式にて)」ぐらいかな?

正直、「年に1回しか会わない親戚」以上に遠い存在となってしまい、たまに会っても話すことがなく、なんとも気まずいことになってしまう。

別に仲が悪いとか、喧嘩をしているとかいうことは全くない。

本当に「単にお互いに関心がない」というだけだ。


だから、結婚前は実家に年に1~2回帰った折に、母親を通じて弟の消息を聞くのみであった。

今は、僕の嫁、弟嫁、兄嫁はメールで連絡を取り合っているので、嫁を通じてお互いのことを知る感じ。

だから実家でも弟との会話はない。

僕は嫁と両親と少し話すだけだし、弟もそうだ。


一方、両親や嫁さん連中は仲が良い。

楽しそうにワイワイやっている。

結果的に、食事を手伝わない僕以外のメンバーが仲良くなり、僕が孤立する形になる。


思えば嫁の実家に行った時もそうだった。

僕はどこへ行ってもやることがなく、話すこともなく、最終的には黙って飯を食うことになる。

僕はそういう男なのだ・・・。


実家からの帰り道、嫁が僕に行った。

「あんたの実家なのに、あんたが一番お客さんみたいだったな・・・」


ま、地球そのものが仮住まいですから・・・

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