そして僕はなんとなく舌打ちをしてしまった。
指原というのは、当初ダメキャラでウケ、現在、人気を急上昇させているメンバーだ。
「歌も下手だし、踊りも下手だし、かわいくないし・・・」と自ら自虐的に語っていたのはほんの半年前
今や『笑っていいとも』のレギュラーをはじめ、ピンの仕事もつぎつぎ勝ち取り、AKBの番組では最前列に必ず座るような勝ち組メンバーである。
今も相変わらず「全然自信ないですよぉ~」という弱気発言を繰り返しているが、さすがに来年まで続けると嫌みになるだろう。
きっといつも後ろのほうに並んで指原の後頭部ばかりを見ているような、にっちもさっちもいかないメンバーは、にこやかな笑顔の裏で
「指原、調子乗ってんじゃねーよ」
「てめぇ~心の中で勝ち誇ってるくせに、かわいこぶって自虐キャラやってんじゃねーよ」
と腹ワタ煮えくり返っていることだろう。
それにしても・・・
17歳の少女が・・・こんなにデカデカと街中に写真を貼られる気持ちというのはどういうものだろう?
何万人という人に認知され、コンサートで声援を浴び、握手会で行列を作る自分のファン・・・
少なくとも僕が17歳のときは、本当にうだつのあがらない高校生だったが
この若くしてスーパーアイドルになった勝ち組少女は、世の中をどう見ているのだろう?
17歳ですべての夢をかなえてしまった少女は、”世の中大変”と、ちゃんと思ってくれるだろうか?
アイドルや役者をめざし、10年経っても20年経っても芽が出せない多くの夢追う人々を、AKBの少女たちはどう思っているのだろう?
僕がどう想像を働かせても思いが至ることはないだろう。
でも、そこには単なるひがみや妬みというものではなく
”不条理さ”のようなものを感じる。
確かに若くして芸能界で成功した指原には、僕ら一般人が味わった「部活帰りに仲間とコンビニ前でたむろした経験」も、「恋人と自転車引いて帰った思い出」も、「金がなくなってパンの耳をかじった経験」も、「AVを借りようとしたらビデオ屋の店員が知り合いの女の子」だったなんて経験は味わえないだろう。
が、それは大した自慢にはならない。
芸能人は普通の人が味わえないような経験を山ほどさせてもらえるからだ。
重ねて言うが、僕は今さら芸能人に憧れる気もないし、
テレビではしゃいでるアイドルを恨む気持ちも全くない。
アイドルが無邪気にはしゃぐのを見るのが辛くなってきたりするのだ。
いや、本当に彼女らをうらやましく思っているとか、目障りに感じているとかはないんだけど、できるなら・・・
あの子たちが変な業界人に引っかかりますように・・・。
育児に苦労しますように・・・
旦那の仕事が失敗しますように・・・。
旦那のDVと育児放棄で夫婦仲が悪くなりますように・・・。
芸能人らしく×を重ねますように・・・。
最後は『プレイボーイ』か『フライデー』でヌードグラビアをやって酷評されますように・・・・