俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

体罰や暴力は必要か?

先日、朝の某報道番組で「(選手や子供の教育、指導に)暴力や体罰は必要か?」なるアンケートをしていた。

暴力は必要か、なんて聞かれて「はい、必要です」なんて答える奴いるのか?と思っていたら案の定、圧倒的多数で「必要ない」という意見が大半を占めた。

確かに、ここ数年「指導者の行き過ぎた行為」が話題になることが多い。

数年前は大相撲の「かわいがり」「しごき」による死亡事故が起きた。

2012年は大阪の高校で部活動中の教師による体罰に耐えきれず、生徒が自殺をした。

そして2013年になって早々、全日本柔道女子代表チームの監督の体罰・暴力・暴言が明るみとなり、監督が辞任をすることになった。

本当に暗い話題ばかりが続いて気がめいる毎日である。

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僕は今年40歳になる新米おじさんであるが、子供の頃は普通に体罰があった。

小学校の時の加藤先生は、嘘をついて友達に罪をなすりつけようとした女の子に対し、それはそれは見事なビンタを食らわしていた。

また、僕は野球をやっていたので、先輩にケツバットを喰らうことはよくあったし

学校で(忘れ物に気づき)靴のまま廊下を歩いたところを見つかって柏木先生にゲンコツを食らったこともあった。

そのゲンコツは頭にゴツンと当てた後、そのまま拳を離さず、痛みが中まで染み渡るようにして放つもので、本当に痛かった。

また、歴史の(先生の)野田(先生)は、”もみじ”のあだ名がつくほど強烈な張り手を太ももに炸裂させることで有名だった。

他にも普通に竹刀や棒を持って授業をしている人がいた。

これがマンガやドラマの話じゃなく、本当に各学年1人はいたな。生徒指導の先生とか。(もちろん、日常的に竹刀や棒を使っていたわけではないが)

尾崎豊が「夜の校舎窓ガラス壊して回った」と歌っていた時代だったし

金八先生も警察に補導された不良学生に張り手を食らわし抱きしめると、不良は泣きながら「先生~」と言いながら抱き着く時代だったからね

ある意味”平和”だった

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だからなのか、僕には正直、「ちょっとぐらいの愛のムチはいいんじゃないの~?」という考えがある。

”暴力””体罰”というと言葉は悪いが

本当に相手のことを思っての熱血指導だったら・・・という気持ちである。


僕は学生時代、少林寺拳法をやっていた。

武道というと「厳しい上下関係」「先輩に逆らえない後輩」「理不尽なしごき」「先輩から後輩へ”練習”という名の暴力」みたいなイメージをもたれるかもしれないがそんなことは全然なかった。

少林寺拳法は教わるときもちろん先輩に技をかけられるが、その後は先輩が技をかけさせてくれる。

先輩の腹を突いたり、蹴ったり、投げ飛ばしたりしながら技を覚えるのである。

僕が上級生になってからもそうやって教えていたので、実に和気あいあいとしていた。


が、一つ問題があって、僕はつい足を出す癖がついてしまった。

突っ込みのように、ついつい相手の尻を回し蹴りで軽く蹴ってしまうのだ。

これがタチが悪い。

大人になって、飲み会の後などに本当に無意識に「アホかっ!」と同僚のケツを蹴ったら一瞬にして周囲の空気が固まった。

「え、うそ!?蹴った?」とみんなが目を丸くしたのだ。

体育会のノリでは全く問題なかったのに、実社会ではとんでもない暴力行為にあたるらしい。

これには参った。

今でも韓国人嫁を、あくまでも”突っ込みとして”蹴ってしまうことがある。

すると嫁は

「なんで蹴った!?」

「DVだ!!」

なんて大騒ぎするのである。

それこそ国際問題に発展するくらいに。

外国人に日本風の突っ込みは通じないのである。


ちなみに嫁もこの問題について「これは良くないんじゃない?」なんていっているが、そのあとに

「韓国の軍隊(の体罰)はもっとひどい」

「最悪、セクハラされる。男同士で」

なんて香ばしい情報まで教えてくれた。

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で、全日本女子柔道の監督の話である。


僕はこんなふうに育ってしまったものだから、教育評論家や政治家のように軽々しく

「指導者失格!」

「ありえない!」

体罰は何も生まない!教え子を傷つけるだけだ!」

なんてことは言えない。


もちろん、大声で「体罰にも効果はある!」とも言えない。

せいぜい元プロスポーツ選手のコメンテーターのように

「いや、あの、今はね、時代が違いますからね・・・」なんて目を泳がせながら答えるしかない。

内心、「俺らの頃は普通だったけどね」なんて思いながら。


もちろん、自分の子供が体罰がショックで自殺、なんてことになったら困るけど

まだまだおじさん、おばさん世代には「最近の若い奴は弱いよな~、ちょっと叩かれたくらいで」なんて思う人も多いのではないか。

時代は変わったのである。

今はもう、指導者が教え子に手をあげてはいけないのである(もちろん足も)。

もっと言えば「ちゃんとやれ、バカ!」「死ね!」「レギュラーから下ろすぞ!」なんてのも言葉の暴力やパワハラに取られるのである。

やさしく、褒めて伸ばす


今後は全ての指導現場において、こうならなきゃならないのである。

じゃないと、訴えられたら終わりである。

そのうちプロレスラーがコーチを「無理な練習をさせられた」といって訴えれたり

剣道部の顧問の先生が学生に「試合形式の練習で面を打たれました。屈辱です」なんて訴えられたりするのかもしれない。

逆にすもうの親方が弟子たちに優しく「いいわよ!素敵よ!その調子!」なんて褒める場面が見られたり

プロ野球の練習に毎回遅刻してくる新人選手にコーチが「明日からはがんばって早起きしてね」なんて優しく声をかける日が来たりして・・・



まあ、とにかく、今後は体罰や厳しい檄のたぐいはなくなり、褒める指導が主流となるのは間違いない。

これで子供の力が伸びるのなら嬉しいことだし

これで自分の限界を超えられない子供が増え、日本のスポーツの力が低下しても、「体罰がなくなったから」という論調にはならない。



体罰も愛のムチも、廃れる運命なのである。

僕がおじいちゃんになった頃、また懐かしく思い出すであろう。

僕「昔は愛のムチどころか、愛のせっかん棒で指導した柔道のコーチもいてねぇ・・・」

孫「せっかん棒?」

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