社長:このたびは、関係者の皆様、家族、親族、交友関係、その他大勢の方々にご迷惑・ご心配をおかけしたことをお詫び申し上げます。大変、申し訳ございませんでした。
(頭を下げる社長、次々とたかれるカメラのフラッシュ)
記者:え~、今回の偽装の件なのですが
社長:偽装・・・
記者:どうしてウソを言おうと思ったんですか?
社長:大変申し訳ございません。
記者:偽装の理由を聞いているのですが?
社長:大変申し訳ありません。
記者:社長、ちゃんと答えてくださいよ。
社長:申し訳ありません
記者:どうしてウソついたんですか!
社長:・・・
記者:詐欺ですよ!これは!
社長:・・・。私はうそはついておりません。
記者:え?社長、今、なんと?
社長:私はうそは申しておりません。
記者:じゃあ、さっきは何で謝ったんですか?どうしてこの記者会見を開いたんですか?偽装を認めていないということですか?
社長:私は「恋人がいる」と言ったことはございません。
秘書:(小さい声で)社長、まずいですよ・・・
社長:私は、あくまで女性と食事をしたときの話をしただけでして、二人きりとも言ってませんし、「昔、付き合ってた」とは言いましたが、「恋人だったとは言っていません」
記者:どういうことですか?付き合ってたというのは「恋人として」じゃないということですか?!
社長:人にはいろいろな付き合い方があるということです。
記者:じゃ、なんで謝罪をしたんですか?
社長:・・・いろいろ、誤解を与える表現があったことは事実ですから、それに対して謝罪をしたまでです。
記者:じゃあ、もう一度社長の口から言ってください。彼女はいたんですか、いなかったんですか。
社長:女性と付き合ったことはあります。
記者:その「付き合った」は彼女としてですか?恋人としてですか?ちゃんと長期間に渡ってですか?
秘書:すみません、そろそろ記者会見のほうを終わらせていただきます。
記者:ちょっと待ってください、ちゃんと答えてくださいよ、社長!詐欺じゃないですか?あなた、居酒屋で「昔、付き合ってた女に浮気された」とか「彼女がうちに来たとき、気か利かない女で嫌になった」とか友だちに話していたという証言があるんですよ!それに彼女いない歴28年の人に「おれもこの4~5年、彼女いないからな~」と上から目線で話してたでしょ?あなたの友だちがそう言ってたんですよ。
社長:は?何を言ってるんだね君は?
秘書:すみません、社長はあまり長い文章だと理解できませんので、質問は短く一つ一つ区切ってもらえますか?
記者:だ、か、ら、社長は彼女いない歴は何年なんですか?これだけ答えてくださいよ。
社長:カノジョ・・・イナイレキ・・・
秘書:すみません、社長はお疲れなんで、会見はこれまでにさせていただきます。
記者:え?ちょっとまってくださいよ。社長、社長!
社長:カノジョ・・・イナイレキ・・・
記者:社長!社長!
(記者会見場を出て行く社長と秘書)