今、私の目の前に一人の女が立っている。
右手に吊り革
左手にケータイ
なにやら熱心にメールを打ち込んでいる。
ここは総武線下り電車
俺は座席に座り、メールを打つと見せ掛けて、目の前の女をチェックしている。
「太い女だ」
まずそう思った。
60キロくらいはありそうだ。
肩幅が広く、がっしりしているのがスーツの上からでもわかる。
目の前の臀部も、これまたすごい幅だ。
重そ~。
顔は……ん~~
悪くない。
というか、なかなかいい。
帰国子女でキャリアウーマンな雰囲気もなくはない。
しかしそれにしても体型ががっしりしている。
ラグビーでもやってたのか?
スーツピチピチやん。
ま、50点だな。
そう30点の男はなぜか上から目線で要らぬ採点をしていると
目の前の女性は車内広告に気になる記事でもあったのか、急に体の向きを横に向けた。
そこで俺は思わず目を疑い、人目もはばからず二度見した。
ものすごい乳のボリュームだったのである。
横から見ると、乳がどすこい!と上着を押し上げていたのである。
その肩、その足、そのお尻
全てはその豊満な乳を支える為だったのである!
しかもよくよく見ると、アンダーとトップの差がすごい。
ウエストの太さを補ってあまりある乳と尻のボリューム
これで彼女は100点なんだ。
顔、キャリア、そしてダイナマイトボディ
そうなんだ。
大事なのは乳が何㎝かではなく、ウエストやアンダーとの差なのだ。
仮に乳が80㎝でも、ウエストが53㎝ならナイスボディなのだ。
森を見たら木を見ないといけない。
しかし目先の数字に騙されてはいけない。
これが会計学の基本だ。
ああ、「竿だけ屋はなぜつぶれないのか」わかった気がした。