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大坂なおみ選手の会見拒否問題

大坂なおみ選手の会見拒否問題が話題になっている。

大坂なおみが記者会見拒否問題の影響に配慮して全仏OPを棄権…会見拒否の真意と背景にあった“心の病”を告白(Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE)

要約すると以下の通り

大坂選手は試合ごとに設定されている記者会見を精神的な負担などを理由に拒否宣言

コート上での勝利インタビューには応じたが、記者会見は宣言通りに拒否

・記者会見は大会参加者の義務のため大会主催者は大坂選手に対し1万5000ドル(約165万円)の罰金を科した。

・主催者は「メディアに対応することは選手の責任であり、スポーツ、ファン、そして自分自身のために選手が負うべきもの」との声明を発表。会見拒否を続けた場合、大会からの追放や4大大会への出場停止などの制裁が下される可能性もあるとのこと。

・その後大阪選手は自身の会見拒否が他の試合以上に注目を浴びてしまうことを危惧し大会を棄権。

・大会後Twitterで、2018年の全米オープン以降うつ病に悩まされていたこと、人前で話すことが苦手で、会見が大きなストレスになっていたこと、大会主催者に謝罪の手紙を書いたことなどを報告。

・マスコミ、テニス関係者から賛否両論の声が上がっている。

・反対意見としては「プロである以上、大会規定で義務づけられている会見の拒否は許されない」「大会を侮辱している」「自分だけ特別扱いは許されない、自己中心的」「自分では好き放題発信しているのに」「スポンサーやファンがいてのプロなのに」「メンタルが弱すぎる、同じ質問に答えるのも、嫌な質問をスルーするのもプロの技術」

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Yahoo!などのネットでは大坂選手に対する批判的な声が圧倒的だ。

というか、ネット民の大坂嫌いは相当なもので、以前の”黒人擁護”発言以来、何をしても嫌われる状態とも言える。

 

僕は・・・今回の大坂選手の問題提起も真剣に考えてみたらどう?という感じ。

ネットの悪口に対する反発も少しあるかな?

 

例えば試合で大けがをして、一刻も早く病院に行きたい選手に対して

「ちょっと待ってください。病院に行くのは会見をしてからにしてください。プロなんですから。大会規定にも書いてあるでしょ?スポンサーに失礼ですよ。え?足が折れてるかも?昔の選手は折れてても会見してましたよ。骨が折れても質問に答えるのがプロですよ」

なんて普通言わないでしょう?

一方で、うつ病を抱えたままなんとか試合に出場して勝ったけどマスコミを見た途端今すぐビルから飛び降りたくなるほど恐怖心に苛まれた選手には

「ちょっと待ってください。自殺するのは会見をしてからにしてください。プロなんですから。クレーコートで絶対的な弱さを見せるあなたですが、また負けましたね?なんで?」

なんてことはOKな風潮。

(ま、仮に本当に自殺してもネット民は「マスコミがクソ」と責任をなすりつけるだけなんだろうけど。)

 

そういえば以前、ゴルフでも似たような問題が起きていたな。

片山晋呉プロアマ騒動がゴルフ界でここまで問題視される理由 | SPORTS セカンド・オピニオン | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

共通するのは「大会を運営できるのはスポンサー様とファンのおかげ」「スポンサーとファンのためにサービスするのもプロの仕事」「スポンサーやファンを増やすことが競技を広めることになる。それがひいては自分のためにもなる」ということ。もちろんそれは真実。

 

でも僕は思うのである。

ファンサービスやスポンサーへの恩返しって、今じゃなくてもよくね?

プロ野球ならシーズンオフにファン感謝デーがある。

シーズン中のファンサービスは選手の自覚に任される。

大相撲も本場所中は取り組みに集中し、本場所が終わると巡業でファンと触れ合ったり、タニマチさんと会食したりする。

 

でもゴルフは大会前日に接待ゴルフ(プロアマ戦)がある。選手が神経をピリピリさせ、体調を整えておきたい、パットの練習もしておきたいであろう大会前日に行われる。これは今でも納得できない。大会前日じゃなくてもよくね?

 

そして試合後のインタビューであるが、大体どんなスポーツでも勝ったほうは普通は気分がいいので気前よく答えてくれることが多く、これまで拒否する人がいなかったので問題にはならなかった。それに大坂選手は一石を投じようとしている。

現在は試合後の会見は義務で、必ず参加するように契約が結ばれているのかもしれないが、それを「義務や大会参加条件ではなく、努力目標(罰金を伴わない形)にできないか」と疑問を投げかけている。

記者会見にストレスを感じない、もしくは耐えられないほどではない、という多くのプロはこれまで疑問に思わなかっただろうし、大坂選手の提案を理解できないだろう。

でも「人前で話すのがものすごく苦手」「会見がストレスで不機嫌な顔をしてしまったり、無口になったり、ぶっきらぼうになったりしてしまう」「その結果ネットやマスコミに叩かれる」「だから会見をしたくない。罰金を払ってでも避けたい」というコミュ障気味のプレーヤーは今後いっぱい出てくるかもしれない。e-スポーツの選手とか?

 

試合について選手から話を聞きたいのであれば、今はインタビューをする方法もたくさんあるし自分で発信することもできる。

「72時間以内に試合についてのコメントを出すかインタビューを受ける」「その肖像権をスポンサーに提供する」「実施できない場合は医師の診断書を提出」

くらいでも解決できると思うんだけどなぁ。