6月4日放送、フジテレビ系列『ウワサのお客さま』に会社経営者エンリケ(本名:服部理恵)さんが2回目の登場。
ホテル・グランドハイアットの最上階の部屋(1泊120万)にフラッと泊りに来た上に、「このプライベートプールに花を浮かべて写真撮影がしたい」とリクエスト。ホテル側が準備している間に高級セレクトショップで服を爆買いし、高級料亭で旦那の誕生日を祝い、この1日だけで1000万円以上を散財。圧倒的な経済力を見せつけた。
んで、エンリケさんもびっくりなのだが、自分自身の反応がこれまでとあまりに違ったのでびっくりした、という話。
僕はアラフィフで派遣社員。
貯金もない、持ち家もない、財産というものが全くない男
派遣なのでローンも組めない、クレジットカードも(無審査のものしか)作れない
年金は国民年金なので、お先真っ暗の地獄街道
生活保護確定の妻子持ちだ。
んで昔っからひがみっぽい性格で、特に金持ちをひがんでいた。
我ながらおかしいのが、テレビで金持ちが散在する様子を見るのが好きで、よく見るのだがその後決まってひどく嫉妬したり落ち込んだり、その金持ちを罵倒したりするのだ。
そんなにショックを受けるなら見なきゃいいのに、と自分でも思う。
でも金持ちの家とか時計とか車とか会社とか、小型犬を抱いた浮かれた嫁とか我慢をしらない子供とかを見て「バブルで一気に貧乏になれ!」「できるだけ不幸な形で死ね!」なんて悪態をつくのをなぜか繰り返していた。もう20年くらい。
金持ちを相手にしている高級デパートの店員とか高級すし店のことを考えながら「俺らみたいな一般客は店員からすると虫けらなんだろうな」「たかだか1万円の買い物をする虫けら100人相手にするより、上客一人を大事にしたほうがお金使ってくれるしな」
「ああ、俺もあんな金持ちだったらな。でも20代であの金銭感覚だったら今頃どうなってたんだろう?」
「俺も不動産、やれば良かったな。道を間違えたな」
「今から株の勉強すれば、10年くらいしたら追いつけるのかな」
「いや、パソコンも苦手だしな。やっぱり宝くじかな?」
「情報商材っての、買ってみようかな?本当にブログ収益だけで金持ちになれんのかな?」
「なんか偶然でもいいから1発当たらないかな?たまたまジャスティンビーバーが俺のブログを見て絶賛するとか、エキストラで出た映画で助演男優賞を獲っちゃうとか、ラーメン屋始めたら意外な才能を発揮して繁盛店になっちゃうとか…」
「ホテルの最上階のスイートに通されてさ、いかにも慣れた感じで”うん、悪くないね”なんて態度とってみてぇな」
昔はそんなことばかり考えていた。
が、先日、エンリケさんの爆買いや散財の様子を見ても、僕はかつてのように面倒な妄想をすることはなかったのである。
ひがむことも、落ち込むことも、怒りに震えることもなかったのである。
我ながら不思議なのだが、もう50歳になろうという年齢まで貧乏でいるとこんな風になっちゃうのかもしれない。
20代、30代だったら「俺も一発当てていつかはあんなセレブに」なんて思ったかもしれず、反骨精神の1つも湧いてきたかもしれない。20代、30代でまだ芽が出ていなくてもスキルがあるプログラマー、デザイナー、起業家とかなら一発逆転も夢見るが、50近くなると自分の底も見えてくる。
エンリケさんの住む世界と自分の住む世界は今後全くすれ違うことがないので、まるでマンガや映画の世界の話として処理できるようになってしまったのだ。
だって、エンリケさんが利用したホテルを貧乏オジサンの僕が今後利用することはもうないし、ホテルのたくさんのスタッフ、高級料亭の料理長や女将、セレクトショップのオーナーらがエンリケさんにお金を使わせようと動き回ろうとも、それは僕からしたら天上の世界の出来事。それで社会にお金が回って日本経済がよくなるならすばらしいことじゃないか。
仮に今の僕が宝くじで1億円手に入れたとしても
・夫婦の老後の生活のために必要な2000万円
・子供が大学に行くまでにかかる学費1500万~2000万
・老後の持ち家購入2000万円
・老いた両親の介護代1500万円
これ以外に自分たちも大病を患う可能性もあるし、子供が悪さして損害賠償を払わなきゃなんてこともあるし、逆に子どもが「海外留学したい!」なんて言い出すかもしれない。
そんなことを考えていくと、今の自分は1億もらってもそれほどの贅沢はできないことになる。
20代、30代だったら会社の給料・ボーナスもあてになるが、50で財産がない僕はもう老後の生活費でアップアップだ。
つまりたとえ宝くじが当たっとしても僕がエンリケ生活になる可能性はほぼゼロ!
今のままならエンリケさんの視界に入ることすらないので、劣等感もほぼゼロ!
すごいような、情けないような・・・
ま、若返ってキャリアを積み上げなおすことはできないからね
質素に生きるしかない。
ということで
「若くしてセレブになった人を嫉妬しなくなった」
が先に浮かぶおじさんの話でした。