A「今朝の朝日新聞(2013年3月18日)の朝刊によると、”さとり世代”という言葉が広まっているそうですよ。」
B「サトエリ世代?」
A「”さとり世代”」
B「サトリ?佐藤里佳の世代?」
A「古いアナウンサーの名前を出しますね。”悟り”ですよ。悟り。」
B「ああ、年を取ったら出家したくなる、みたいな?」
A「それが逆なんです。今の若い人たちのことを指すそうです。」
B「は?若い奴らが悟ってるっていうわけ?」
A「まあ、そういうことですね」
B「若造が何を悟れるってのよ?俺なんて40にもなって未だに牛丼屋のアルバイトで、人生迷走中だってのに。時給900円で月収20万円がやっとこさ、悟るどころか明日も不安で震えてるってのに!」
A「ま、まあ先輩はね。」
B「なんだよ。自分は違う、みたいに。お前だってな・・・」
A「僕はまだ30ですし、芸人になる夢もあるし」
B「自分の才能を悟ってないな」
A「い、いいんですよ。僕のことは。それより今の若い奴らですよ。」
B「おお、どんな風に悟ってるってのよ?」
A「なんか特徴としては・・・」
車やブランド品に興味がない
必要以上に稼ぐ意欲はない
パチンコなど賭け事をしない
海外旅行への興味が薄い
地元志向が強い
恋愛に淡泊
過程より結果を重視
主な情報源はインターネット
読書も好きで物知り
B「あれ?これって、俺じゃない?」
A「は?」
B「ほとんど俺に当てはまるんだけど」
A「違いますよ。先輩は全然、悟ってないもん」
B「いやいや、俺とそっくりだって。俺だって車に興味ないし」
A「興味ないというか、買えないだけじゃないっすか?」
B「ブランド品にも興味ないし。買い物はいつもユニクロだし」
A「センスがないだけですよ」
B「必要以上に稼がないし」
A「稼げないんですよ。」
B「賭け事もしないし」
A「宝くじっていう、最も効率の悪いものに年に6万円もつぎこんでるくせに」
B「海外旅行への興味もないし」
A「一時期フィリピンパブにハマってたくせに・・・」
B「地元志向も強いよ」
A「というか独り立ちしたらどうっすか?40にもなって独身で親の家に住んで・・・。しかも一銭も親に渡してないし・・・」
B「恋愛にも淡泊なんだよね~最近」
A「恋愛シュミレーションゲームでは一喜一憂してますけどね。」
B「いや、実際の恋愛はよ?本当に淡泊」
A「フィリピンパブでも女の子にいきなりHさせてって言ってましたもんね。恋愛より性欲」
B「過程より結果を重視するんだよね」
A「結果も惨敗だったじゃないですか。」
B「主な情報源がインターネットと言うのも当てはまるなぁ」
A「2ちゃんねるで悟られても・・・。ま、そういう勘違い野郎の集まりなんでしょうけど。あそこは」
B「読書は嫌いなんだけど物知りだし」
A「その情報源がネットというのが情けない」
B「お前さ、いちいちケチつけるけど、お前はどうなの?」
A「僕もそうですかね?バブルなんて知らないし、明るい未来なんて描けないですもん。金持ちなんてなれるわけないし、まあこのままなんとなく生きてく感じじゃないですか?」
B「悟ってるね~」
A「だって、そうじゃないですか?もう正社員になるのは無理でしょう?だから結婚も無理。退職金もないし、年金制度も崩壊するだろうから老後も真っ暗。TPPでアメリカに乗っ取られ、中国あたりとは戦争が起こるかもしれないし、とにかく日本の未来は暗いですよ」
B「お前ね、30そこらで何悟ってんだよ。」
A「先輩も40にもなってよく希望が持てますね」
B「ま、希望と言うかね・・・宝くじ当たればさ、その金を使って・・・」
A「悟らず世代」
B「タイあたりで豪遊してさ、お姉ちゃんはべらせて・・・」
A「勘違い世代」
B「そんでマンション買って、悠々自適に・・・」
A「もがき世代」
B「ま、最悪、生活保護もあるしさ」
A「・・・というか先輩って、バブル世代ですよね?」
B「ま、まあ・・・」
A「その世代の負け犬って、もしかして一番 情けない生物なんじゃ・・・」
B「・・・・・・・・」