俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

書き順は必要か?

先日、実業家のひろゆき西村博之)さんの切り抜き動画を観ていたら、氏が「漢字の書き順を憶えさせるのは時間の無駄。覚えてもメリットないじゃん」ということを話していた。

これについては僕もいろいろ思うところがある。

小学校1年生の息子がノートにひらがなを練習しているのをのぞき見しながら考えたことのお話し。

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ちなみに(社会人の)みなさん、この1週間で手書きで文字を書いたことって記憶にありますか?

僕は仕事で報告書を作成したり、ブログで駄文を書いたりと、毎日のように文章を作っているのだが、手書きとなると手帳に予定をメモするくらい。それどころかこの数年、人に見せるために手書きで書いたのは「住所・名前・電話番号・生年月日」くらい?大人になって滅法手書きで書く機会が減ってしまった。

だからメモを取るときに漢字がすっと書けない時もあるのだが、少なくともWord Fileで文章を作ったりスマホでメッセージを打ったりするときは正しい漢字を選択して変換することはできるので生活にも仕事にも全く支障を感じていない。おそらく多くの社会人は同じ状況だと思う。

ごく稀に結婚式のご祝儀袋とか芳名帳、あと退職する人への寄せ書きなんかで自分の下手な字を晒さなければならない時もある。アラフィフにもなって字が下手というのは本当に恥ずかしい。子供の時勝手に「大人はみんな達筆なものだ」と思い込んでいたので今の自分の字はコンプレックスでもある。

が、数年に1回しかない機会のために書道を習うのも無駄が多い気がする。芳名帳の字がきれいで、その時ちょっとばかり褒められたからと言って給料があがるわけでもない。だとすればその数年に1回だけ笑われておけばよくて、きれいな字のためにかける時間は他の勉強に充てたほうが生産性が高い。

 

しばらくはそう考えていて、息子の書き順もあまり気にしなかった。

「漢字は読めて意味がわかればいい」「正しく変換できればいい」

しかし息子がノートにひらがなを練習しているのを見ていると、ちょっと考えてしまうのである。我が息子は絶望的な書き順でひらがなを書く。横線を右から左に書いたり、「ら」の文字も下の曲線を書いてから上の点を書いたりする。字形が崩れ、読むのにかなり苦労する感じだ。

「ま、それでもいいか」と思って何も言わずに見ていたのだが、ある時息子は「き」の文字が思い出せなくて鉛筆が止まってしまった。「(横線だったか?斜めだったか?)」「(線は1本だったか?2本だったか?)」と悩んでいるようである。結局息子はまず「×」を書いて、下に横線を引いた。で、考えた挙句、「×」にもう一本線を足した。

「日本語を勉強している欧米人みたい・・・」

息子はどうもひらがなを”図”というかデザインのようにとらえているようだ。

一応は「き」っぽい字になったのだが、僕は心の中で「なんとなく効率が悪いな」と思った。これなら「いち、に、さん、しぃ~いっ、ごぉ~おっ」なんてカウントしながら書き方を覚えたほうがいいんじゃないかと思えてきた。そのほうが短期間にたくさん覚えられるような気がしてきた。書き順の問題ではないのかもしれないが、少なくともストローク(画数)を確認しながら、原則(線は左から右に、上から下に)通りに書く練習をさせたほうが覚えやすいような気がしてきた。(エビデンスはないけど)

 

 

ひろゆきさんなら「そもそも学校で書く練習をしたり、書かせるテストをするのが無駄、意味がない」「漢字を正しく変換できるように養成すべき」「どうせ社会に出たらPCで文章を作るんだから」と言うのかもしれない。「教師はバカ、社会を知らない」「教育委員会なんて無能」なんて余計な一言も付け加えるかもしれない。

確かに現実的なところ手書きで漢字が書けるようにするのは学校のテストや入学試験のためだけで、社会に出たらほとんど必要のない技術ということは親である僕も実感している。

 

でもこれから小学校6年、中学3年、高校3年と、息子の漢字を書けない人生を静観するのは心臓に悪そうだな・・・。「社会に出たらどうせ漢字を手書きする機会なんてないんだから」とお互いに言い聞かせながらも、学校の先生に怒られ、同級生にバカにされるのは息子も僕も辛かろうな。

「書き順どおりに書くと漢字の形を覚えやすい」

「漢字の形を正しく認識できたほうが、意味や読み方も思い出しやすい」

「漢字の読みを声に出しながら(書き順通り)書く練習すると記憶に残りやすい」

といったことのエビデンスがあれば、「やっぱり書き順どおりに書いて練習したほうがいいね」ってことになるのにね。