俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

再開

久しぶりに自分のブログを開いてみた。

なんか、懐かしいな。

ずいぶん閑散としてしまったけど、久しぶりに故郷に帰ってきた感じだ。


僕はこの1年、仕事とは別に作家修行をしていた。

学生時代から「自分の書いたエッセイでお金が稼げないものかな?」なんてことを考えていたのだが、

たまたまネット上でのフリーライター募集の広告を見つけた。

ただ、その多くは「専門的な知識を生かして文章を書く」というものだったり、「特定の言葉をたくさん使って文章を書く(→すると検索されやすくなる。文章の質は問わない)」というものだったり…


で、僕の好きなテレビコラムで募集をしていないか探していてたまため見つけたのが今のサイトだった。

僕が提示された条件は以下の通り。


・記事1つにつき100円。これを毎日。月に30本。
・読み手は女性を意識。(特に整形ネタ大歓迎)
・あまり批判的な内容ではなく、肯定的に。
・大手芸能ニュースサイトより元ネタを見つけ、同じネタについて自分の見解などを加えて書く(おそらく大手サイトから関連ニュースで引っかかりやすくするため)
・大手芸能ニュースサイトでアップされた当日か前日くらいの新鮮なネタで書く
・書いた文章は相手側が買い取るという形のため、僕の名前は出ない。
・僕が書いた文章は買い取ったあとは相手側がチェックして加筆・修正を加える。

といったもの。

こうした条件は多少窮屈に感じたものの、あくまでこれは作家修行。

将来的にいろいろな条件で文章を書いてくれ、なんて言われる場面もあるかもしれない!

そう考えて自分なりに書いてみた。

幸い、文章自体は非常に好評で、担当の方より「全く問題なし!」「おもしろい!」「わかりやすい!」とお褒めの言葉を毎回いただいた。

買い取り料金は1か月後に1.2倍となり、3か月後に1.5倍、半年後には2倍になった。

「俺の文章はちゃんと認められるんだ!」とかなり自信にはなった。


しかし、この作業は楽なものではなかった。

非常にストレスフルなものだった。


まず、大手芸能ニュースサイトから、元ネタを探すのに45分はかかった。

自分が全く知らないもの、感情が動かないものは書けないし、

悪口しか思い浮かばないものもネタにはできなかった。

だからAKB48やらジャニーズやらが何やらやっても、まったくネタにできなかった。


ネタが決まったら、下調べをするのだが、これまた30分はかかった。

元ネタをコピペするわけにもいかないので、その人に関するいろいろな噂やら経歴やらを調べるのだが、これがまた面倒な作業だった。

そうしてようやく書きはじめるのだが、下調べで情報を集めすぎると却ってまとまりにくくなったりした。

書き終えても2~3度推敲するので、文章完成までにやはりこれまた45分はかかった。

結局2時間くらいかけてやっと記事を書きあげるのだ。

時給50円・・・



毎日書き続ける、というのもかなり大変だった。

ホンモノの物書きさんなら、乗り越えなければならないことなんだろうけど、見習いの僕にはかなり苦痛だった。

毎日、仕事を終えてうちに帰って夜11時くらいに書きはじめても、寝るのは1時半過ぎ・・・
そして6時に起きて本業へ・・・


また、例えばテレビを見ていて「これ、おもしろいな~。これネタに書きたいなぁ」と思っても、大手芸能ニュースサイトで扱っていなければネタにできなかった。

最初の半年は書きたいことの方が多かったが、後半はネタ探しに悩まされた。

それでも月に20~25本は書いていたな。
(自分のブログが書けなかったのもこちらにかかりっきりだったため)

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一番、苦痛だったのは、文章を直されることだった。

僕は自分の書いた文章が大好きなナルシスト野郎なのである。

だから、いつも「これは面白い!」と思って、自信を持って担当者にメール添付で送るのだが、ちょくちょく校正をされてしまうのだ。

たとえば「乳首」なんて言葉が文章にあると、女性読者を想定してか削除されてしまうのだが、これはまあ納得の範囲。

許せないのは、勝手に「彼女には実は整形の噂があって・・・」なんて内容を文章の途中に加えられてしまうことだ。

しかも「ただ、あくまで噂なので実際はわかりませんね」なんて言葉で締めたりするのだからたまったもんじゃない。

そんな不確定な情報なら最初から入れるなよ!と僕は思うのだが、どうもそのサイトは整形ネタが大好きらしく、勝手に整形ネタを加えられたことがよくあった。



それでも文句が言えなかったのは、僕はたかだが1記事100円で文章を売りさばいている立場だということ、それと僕が書いた文章には著作権がなく、相手側に渡したあとは相手側に所有権があるからだった。


ま、あくまで今は作家修行という立場だし

無責任な話だが、自分の書いた文章の責任を持ってくれるということなので、気楽でもあった。

加筆修正された後の文章は、僕の文章とは言いたくないので、そのサイトの名を挙げることはしないが、実にいい経験であった。



ちなみに、僕は来月から海外で仕事に行くことになってしまったので、そのサイトでの仕事は3月で辞めることを申し出た。

海外ではNHKくらいしか見られないので、CMのネタも民放のテレビ番組ネタも書けないので仕方がない・・・・と思っていたのだが


「月に2~3本でもいいから書いてほしい」

「芸能ネタならなんでもいい」

「無理にお願いをしているので料金を上げますから」


とまで言ってもらえたので、しばらくはそっちの仕事も続けることにした。



で、自分のブログも少しは書ける暇があるかな、と思って復活したわけである。

ま、もう昔のようには書けないけどね。

結婚して他人をひがむこともなくなったし、牙も毒も抜けちゃったしね。



でも書くよ。

ライフワークだから。書くのは。

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