TBSの『この歌詞が刺さった!グッとフレーズ』という加藤浩次(極楽とんぼ)さん司会の特番を観た。
僕は歌を聴くときは歌詞を結構重視するタイプ。リズムやメロディが耳障りがいいだけの曲はあまり好きじゃないし、何を言ってんだかよくわからない歌詞は大嫌い。
だからフォークソングっぽいJ-POPが好き。ミスチル、ウルフルズ、髭男とかね。
で今回の特番も何かおもしろい曲に出会えるのではないかと期待して観たのであるが、正直内容は3月まで加藤さんが司会をしていた「この差って何ですか?」で紹介したメジャーなものや最近の(若い子向けの)曲ばかりだった。その点ではちょっとがっかりだったな。
ちなみに僕が最近歌詞が刺さった曲は『劇場版ポケットモンスター ココ』の主題歌で、岡崎体育さんが作ってトータス松本さんが歌った「ふしぎなふしぎな生きもの」。息子と一緒にその映画を観たのであるが、親のほうが泣いてしまうという質(たち)の悪い映画だ(笑)。んで「ふしぎなふしぎな生きもの」は父親が子供に向けて歌ったものなのだが聴くと強烈な父性を呼び起こさせる。
「わかるわ~」
「俺もこの曲、息子の結婚式で歌ってやりたい!」
「俺も頑張らなきゃ!」
って思えて力が湧いてくる。
本当は歌詞を全部載せたいのだが、著作権とかがよくわからないので省略しておく。ぜひ検索して見て、聴いてもらいたい。
【公式】「劇場版ポケットモンスター ココ」メインテーマ「ふしぎなふしぎな生きもの」 ミュージックビデオ - YouTube
【公式】「劇場版ポケットモンスター ココ」予告2 - YouTube
で、もう一つ。昔聴いた曲で何か歌詞が刺さったものなかったかな、と思って思い出したのが、JUN SKY WALKER(S)の「さらば愛しき危険たちよ」にあるフレーズ
夜が寂しくてつらい日は すぐに僕を呼び出せばいい
僕が倒れて橋になろう その上を 渡ればいい
という部分だった。
1995年の曲だからぼくは22歳か。ジュンスカが人気が出たのが僕が高校生くらいの時だったからもっと昔の曲だと思っていたな。
22歳の僕は暗い大学生活を送っていたな。浪人して大学に入って、彼女もいなくて、友達も少なくて、お金もなくて、夢もない。自分なんて社会のために何の役にも立てないんじゃないかって思ってた。
でも子供の頃から「だれかのために傷つきながらも、体を張る」「ボロボロになりながらも仲間のために戦い、自分を犠牲にする」というシーンが好きだった。僕もだれかの役に立ちたいと呆然と思っていた。
ザ・摩雲天をブレーンバスターしながら谷底に落ちたテリーマンとか、男塾の名誉のために油風呂を耐えきった富樫源次とか。陸奥四天王と仲間を繋げるために命を落としたテリーのように・・・。
だから『さらば愛しき危険たちよ』で
「僕が倒れて橋になろう その上を渡ればいい」
というフレーズを聴いた時はシビれたな。
”あれ”を思い出したな。
今回の特番はちょっと内容がおおざっぱだった気がする。
”刺さったフレーズ”というより、単純に好きな曲やアーティストになっていたところがあった。ベタなものばかりじゃなくて、もっとマニアックなものでもよかった。僕なんて別にジュンスカのファンでもないし、「さらば愛しき危険たちよ」という曲が好きなわけでもない。本当に歌の最後のフレーズだけが刺さっただけだ。
でもきっと誰にでも心に残っている「ある歌のあるフレーズ」ってあるんじゃないか。
他の人なら刺さらなかったかもしれないけど、その時のその人の心理的な状況によってその歌詞は強烈に突き刺さる場合もあればスルーされる場合もある。
そんなフレーズやエピソードを番組で紹介してほしかったな。次回に期待。
僕も今なら本心で「僕が倒れて橋になろう。その上を渡ればいい」って息子に言える。
ああ、そう言える人がいて良かった。
追記:
昔、爆笑問題の太田さんがTHE YELLOW MONKEYの『JAM』の歌詞に驚いたという話をテレビでしていた。それで僕も聴いてみたら本当にものすごいインパクトで考えさせられる歌詞だった。令和の人にもこういうものを伝えてあげたい、というのは大人の押し付けか余計なお世話か?