俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

書斎を捨てよ、街へ出よう。

僕は今、カフェで中国語を勉強している。まだ3日目だがカフェでの勉強はなかなか快適だ。ここで1時間粘ってから家に帰る。これを続けるつもりでいる。

実は今、中国語を勉強しなければならない状況にある。8月から中国に転勤することになったからだ。昨年11月にはそれがわかっており、独学で勉強を始めていたのだがあれから5か月、勉強は一向に進んでいない。毎晩、書斎に入り3時間くらいは机に座っているのだが、ほとんど勉強をしていないのだ。そして出した結論は「僕は書斎では勉強できない。外でしよう」ということだった。「俺よ、書斎を捨てよ、街へ出よう」

語学は結局「努力と根性」 - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

書を捨てよ、町へ出よう - Audiolibro | 寺山 修司 | Audible.es: título narrado por カルメン・マキ,  唐沢 龍之介, 榊原 忠美 en Japonés

 

実は僕は勉強の集中力には自信があった。第二次ベビーブーマーだったので、同世代の大学受験の人数は半端なく多かった。受験戦争は大変だったが、真っ向から立ち向かった。結局浪人することになったのだが、それでもあの時たくさん勉強したことはその後の人生の自信になった。「俺はやる気になったらやる男だ。そしてやる気になったそれができる男だ」と自分に言い聞かせながら今まで生きてきた。

が50歳になった現在、びっくりするほど勉強しようとしない自分がいる。というかこの10年くらいずっとこんな感じだ。

「俺はやる気になったらやる男だ。まだ本気出してないだけ。まだやる気スイッチが入っていないだけ」

この10年くらいずっとそんなことを自分に言い聞かせている気がする。僕は今、マレーシアに住んでいて、幸い自分の書斎をもたせてもらっている。コロナ禍は自分の書斎でZOOM会議に出席したり、書類やプレゼン資料を作成したりしていた。今は出勤が可能となったが夕食を済ませると書斎に入るのがルーティーンとなっている。

この5か月、毎日中国語の勉強をしようと勇んで書斎に入るのだが、机に座ってやることはまずパソコンの電源を入れ、メールチェックをしてMSN JAPANとYAHOO!JAPANの記事をチェックすることだ。すると30分くらいはあっという間に経ってしまうのが不思議だ。次に「歯磨きの間だけ」なんて言いながらYoutubeなんかを見始めちゃうとこれまた1時間くらいすぎていて、ブログを書き始めちゃうとさらに1時間半、エッチな動画を見始めちゃうといつの間にか2時間とか平気で過ぎていて、結局「明日も早いから寝ないと…」なんて言って勉強せずにベッドに入る生活を実に5か月も続けている。

いらすとやの面白い、闇が深い、シュールなイラストを紹介する|いわこわらいと

ちょっと前にネットで見たのだが、人はルーティーンを守ると自然に体が反応するようになっていくようで、例えば休日でも平日と同じ時間に目が覚めたり、スーツや制服を着ると仕事モードに切り替わるスイッチが入ったりするのはもちろん、 “毎朝便座に座ってふんばる”というルーティーンを守っていると自然に便通がよくなったりもするそうである。いわゆる“パブロフの犬”のような状態だ。

一方これには危険性もあり、例えば寝つきが悪く布団の中で悶々としているのが何日も続くと、体と脳が「このベッドでは眠れない」と記憶してしまい、何日も眠れない日が続く可能性があるそうである(ちなみにそういう場合は布団から出て読書などをして眠くなるのを待つといいらしい)。

これを僕に当てはめると、現在僕の体と脳は「書斎はパソコンをいじる場所」と記憶していることになる。もしかしたら「書斎はポコチンをいじる場所」と記憶している恐れもある。「ここでは勉強はできない」という負の記憶も蓄積されているかもしれない。だから書斎に座っても中国語を勉強するやる気スイッチが入らないのだ。参ったな。受験戦争を勝ち抜いた僕が今や「机で勉強できないおじさん」になっているなんて。

それで僕は書斎での勉強をあきらめて外に出ることにしたのだが、今のところすこぶる順調である。こんなことならもっと早く外に出ていればよかった。ちょっとやる気スイッチが入ったかな?やる気スイッチというか、“やる気充電”といった感じなのかな?社会人のやる気充電ステーションは意外に街中にあるのかもしれない。

勉強をする高齢者のイラスト(男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや