俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

旅行って、何が楽しいんだっけ?

時間と金に少し余裕ができたので、旅行にでも行こうかと思っている。独身時代はよく一人で東南アジアを旅行したものだが、現在50歳になった僕は戸惑っている。

行きたいところも、やりたいこともない・・・

おかしい・・・。僕は旅行が好きだったはずなのに・・・。せっかく妻子抜きで一人で旅行に行けるチャンスなのに・・・何も浮かばない!あれ?そもそも旅行の楽しみって、何だったっけ?


僕は今、仕事でマレーシアに住んでいる。息子が日本の学校に転入するために妻子は一足先に本帰国。僕は束の間の単身赴任をしている。そして僕の任期ももうすぐ終わりということで、貯まっていた有休を消化しなければならないことになった。しかも妻子がいた時に比べて生活費の出費がかなり減ったので自由に使えるお金もそれなりにあるのだ。ならば最後に旅行でも行こうかと思ったのであるが、なかなか行き先が決められないでいる。なんか・・・どこも・・・ドキドキしないのだ。トキメかないのだ。

ちなみに結婚前はよく東南アジアを一人で旅行していた。ブログにも残っているが、実に楽しそうな自分の記録が残っている。

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ところがその後、僕は幸か不幸か結婚をし、子供を設け、しかもこの10年東南アジアで仕事をするようになっていた。仕事はもちろん、新しい家族との生活は楽しいし、家族で行く旅行は一人旅とはまた違う楽しみがあった。

が、逆に今、一人で旅行をすることにまったく楽しみを見いだせないでいる。昔書いていたブログによると、僕は旅行に大量の旅行本やエッセイ本を持って行って、飛行機の中やホテル、プールサイドなどで読書を楽しんでいた。が、僕は今ほとんど本を読んでいない。というが紙の本をほとんど手にしていない。何か読みたいならKindleスマホということになるんだろうけど、旅先でスマホって・・・暇つぶしでしかないよな。

旅行の楽しみっていうと①きれいな景色を観たり写真を撮ったりする、②おいしいものを食べる、③ショッピング、④珍しい体験、⑤地元の人との触れ合い⑥ホテルで贅沢、なんかがメインになるんだろうな。で独身時代の僕は一人旅でもちゃんと①~⑤を満喫していたし、家族と一緒なら⑥もしていた。なのに今、僕はそれを楽しめる自信がない。

心配している人のイラスト(中年男性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

①きれいな景色を観たり、写真を撮ったりする

 今回の旅行も日程的・金銭的にマレーシア国内か、東南アジアということになる。が、東南アジアは結婚前もそれなりに行ってきたし、この10年実際に住んでいたので、ときめくほど行きたい場所がない。またネット(SNS)の普及もあったし、50年生きているとテレビや雑誌、ネット記事やYoutubeなどでも嫌というほど情報に触れてきたので、改めて行きたい場所と言われても・・・ねぇ。この中年男性が思わず見惚れてしまうような風景・景色って、まだあるだろうか?

 さらに僕は家族写真以外をほとんど撮らないのである。海外に住んでいてきれいな景色、変わった習慣、おいしそうな食べ物、珍しい動植物なんかもあったけど、「ネットにプロが撮ったもっときれいな写真があるしな」「家族写真以外は見返さないよな。この景色をまた見たかったらネットで検索すればすぐ見られるし」などと思ってしまい、建物・動植物・風景写真を撮る気になれない。

②おいしいものを食べる。

 おいしいものを食べるのは旅の醍醐味である。僕は高いシーフードなどはあまり興味はないが、屋台飯、経済飯、ローカルフード、麺などは大好き。若い頃は一人で何品も頼んで「うわぁ、頼みすぎた!」なんて言いながらも犬のようにバクバクと平らげたものだし、寝る前にも夜食として焼き鳥とか炙ったスルメとかを買ってビールとともに流し込んだものだ。

 が、50歳にもなると食は悲しいくらい細くなる。「あれも食べたい、これも食べたい」と思っても、食べすぎるとすぐ気持ち悪くなるし、腹は醜く膨れてくるしで、食べ物に対する恐怖心・警戒心すら抱いている。なので旅行に行ってもおいしいものをたくさん食べる喜びが見いだせない。

③ショッピング

 昔はバカバカしいことが書かれたTシャツだとか、少数民族の人が織った小銭入れとか、木彫りの象の置物とかを旅行のたびに買っていたような気がするが、そういえばこの10年くらい、自分のためのお土産を買ったことがない。旅先のショッピングは職場へのお土産くらいか。結婚後、お小遣い制になったこともあるが、「旅先で買ったものは使わない」ということを学習した、というのもある。

 ましてや僕は数か月後に引っ越しをするので、荷物は増やしたくない。つまり今の僕にとって「旅先でのショッピング」は全く魅力にならない。

④珍しい体験

 これはちょっと興味がある。ジャングルトレッキングとか、登山とかは興味がないわけではない。死ぬ前にパラセーリングとか、バンジーとかやってみてもいいかもしれない。ただ僕は一人なのだ。僕がパラセーリングをしている間、僕の財布やらかばんやら着替えはどうしたらいいのだろう?家族がいれば僕が楽しんでいる間、荷物を見ていてもらうこともできるが、一人旅だと結構不自由なことも多い。ジャングルトレッキングも他の家族連れや学生サークルの中で、中年の独り者のおじさんはどう振舞えばいいだろう?彼らから「おじさんが一人で寂しそうに歩いてるな」と憐みの目で見られたり、「これからボートに乗ります。あ、おじさんは一人ですか?じゃ、こちらの学生さんたちの船に乗っちゃってください」なんか言われて気まずい思いをしたりするのではないか。食事もぼっちでテーブルを使うことになって申し訳ない気持ちになったりしないだろうか?そう考えると・・・行きたくなくなる・・・。

⑤地元の人との触れ合い。

 僕はもともと人見知りなうえに、今は50歳のおじさんなのである。これがナオト・インティライミみたいな陽気なキャラだったら地元の人とサッカーをしたり、歌を歌ったり、夜にバーとかクラブに行って盛り上がったり、家に泊めてもらったりするのだろうが、僕は陰気なのである。しかもおじさんなのである。道端で倒れでもしない限り、だれも構ってくれないだろう。

 ちなみにそれでも独身時代は地元のお姉さんと素敵な夜を過ごすこともあった。ボデーランゲージで語り合う夜もあった。が、僕はもう既婚者なのである。さすがにもうこれはしてはならない。

 が、酒もビール1本くらいしか飲まない、女遊びもしない、人見知りでコミュ障、もちろんドラッグもギャンブルもしないおじさんは旅先の夜に何をしたらいいだろう?ホテルの部屋でYoutubeを見るだけならわざわざ旅に出る必要もない。

⑤ホテルで贅沢

 家族と旅行に行くときは子どもが小さいこともあって子供プールが充実しているところを選んだり、奥さんが気に入ってくれそうなそれなりのホテルを選んでいた。が、僕は自分のためにホテルにお金をかけるのは気が引ける。僕一人なら安宿でいい。もったいない。

 が、よくよく考えると現在、奥さんと息子が寝ていた大きなベッドを僕一人で贅沢に使っているので、わざわざ旅行に行って小さなベッドに寝る必要があるだろうか?

 

そう考えると、本当に旅行の楽しみが見いだせない。

若い頃からマイナス思考で、最終的に”行動しない”ということも多く、さらに後悔することもあったので、それ以降迷った時はいつもこう考えるようにしている。

旅行に行くことは自分への課題。迷わず行けよ、行けば分かるさ!

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