俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

夫の管理術

先日の『踊る!さんま御殿』(日本テレビ系)は「有名人夫を転がす奥様SP」。その中で板野友美さんが夫の管理術として「女心を悟るのが苦手なのでやってほしいことを具体的にしてあげる事」というのを挙げていた。

板野友美さんのご主人はWBC日本代表にも選ばれた東京ヤクルトスワローズの高橋奎二選手。なんでも高橋選手は乙女心に鈍感で、板野さんが怒っていることを態度で示しても全く気づいてもらえないという。そこで板野さんは「こういうところが嫌だからこうしてほしい」「もうすぐ誕生日だからこういうお店でこういうサプライズでこう言ってほしい」というようなことを具体的にご主人に伝えるようにしたところ、喧嘩がなくなったという。

AKB時代はもっとツンとしてお高く止まっていて自分が一番注目を浴びてないと不機嫌になるようなイメージを勝手に持っていたが、板野さんもいつの間にか素敵な奥様になっていたんだなぁ。板野さんの言っていることはゼクシィとか保健体育の教科書に載せてもいいくらいの、結婚前の全女性が知っておくべき夫のトリセツの1つなのに、なぜかいつまでたっても徹底されず、いつもママ友同士の会話で繰り返される夫への愚痴となっている項目だ。


昔、『話を聞かない男、地図が読めない女』(アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ著)という本があった。僕がそれを読んだのは20年以上前のことだが、この本で書かれていた男性脳と女性脳の違いとそこから生まれる夫婦間の軋轢にひどく納得したものだった。当時独身だった僕は「結婚する時はこの本をぜひ奥さんに(なる人に)読んでもらいたい!」と思っていて、実際に奥さんにプレゼントをしたのだが、奥さんは全く興味を示さないまま本棚で埃をかぶった。そもそもそういう理屈っぽいところが女性にとっては「しゃらくさい」ということなのだろうが、少なくとも僕はこの本を読んで少し奥さんの行動や心理がわかるようになった気がする。仕事で疲れているのに帰宅するとなぜ奥さんがあんなに話しかけてくるのか、なぜ車でいつも通っている道を覚えず方向音痴なのか、なぜテレビを観ながらスマホをいじりつつ私に子供の学校の話をするのか。

 ものすごく簡単に言うと、多くの男性は理論的に考え、理路整然とした会話を好む。狩りをしていた頃の脳の記憶があり、現代でもスピードや格闘、獲物を狙うようなゲーム・脚本・映像に惹かれる。また家族を支えるために他のオスとの競争を勝ち抜かねばならず、女性の前では弱さを隠す傾向があるという。日が昇っている間は家族のために外で命をかけて狩りをし、日が暮れてからは焚火の火をじっと見つめながら英気を養っていたので、現代人男性もうちではほとんどしゃべらない。

一方多くの女性は感情・感覚的に物事を捉える傾向があり、狩猟時代は木の実を取ったりしながら群れの他の女性とのコミュニケーション・情報交換をすることで家族(子供)を守ってきたという。当然、人を見る目、他の人の感情などを読む力も発達している。

文庫版 話を聞かない男、地図が読めない女 | アラン・ピーズ, バーバラ・ピーズ, 藤井 留美 |本 | 通販 | Amazon

ここで高橋奎二・板野友美夫妻の話に戻る。

ご主人に「あの人は鈍感だ」「私の気持ちに気づいてくれない!」「記念日も覚えていない。サプライズもしてくれない!」と怒るのは本当に労力のムダで、そもそも男性はそういうものが得意でないと知るべきだと思う。そういう機能が発達していないものに何を期待しているのだろう?だからこそ板野さんの管理術は生きている。

「来月は結婚記念日だからレストランの予約をすること。何か残るようなものがほしい」と伝えておく。新入社員にミスなく仕事をしてもらうかの如く。紙に書いてドアに貼っておいたり、数日前にLINEでリマインドをしておくのもいいかもしれない。そうすれば男性は「レストランの予約とプレゼントの購入が来週までにしておかなければならないタスク!」と受け入れられる。

「あのレストランは誕生日と伝えておくと最後にデザートプレートを用意してくれるからそれも伝える事!」「プレゼントの購入はこのURLをクリック!」「夜は一発ヤるのでお酒を飲みすぎない!子供たちを早く寝かせる!翌日の仕事の準備は済ませておく!」・・・これくらい言っておけばさすがに問題は起きまい。

ただ「そこまでするのは面倒くさい」「誕生日も覚えていないなんて愛が足りない!」「いつも妻の様子を見ていれば気が付くはず」という女性の方が世の中には多いのだろうな。そういう人はことあるごとにイライラして夫婦げんかをして、旦那の悪口をママ友に言いふらせばいい。

それが嫌なら、女性脳が発達した男を選ぶか、板野さんの夫管理術を参考にしたほうがいい。

にしても・・・結婚してイイ女になったなぁ・・・