松っつんへ
松っつんがいなくなって4度目の収録。『水曜日のダウンタウン』(TBS系列)と『ダウンタウンDX』(日本テレビ系列)は新しい形を模索し続けています。
正直、松っつんがいなくなって番組はどうなるのだろうと本当に心配でした。最初の収録では東野、矢作、品川らががんばって松っつんの抜けた穴を埋めようとしてくれましたが、スタジオの雰囲気は重く、なんだか空回りをしていたように思います。
いつもなら「ここで松っつんがボケて、終わりだな」「松っつんがイジって、俺がツッコんで次のコーナーだな」と思うところが多々ありました。皆、松っつんがボケて区切りをつける流れに慣れてしまっていたのかもしれません。俺も強引に突っ込んで流れを変えようとはしたけれど、それでも視聴者には「誰が大オチ?」とゲストがパスを回し続けているように映ったかもしれません。
『水曜~』で小峠が出た時も松っつんとの絡みがないまま始まり、寂しさを覚えましたし、(小峠 ち○こ (youtube.com)VTR後のコメントも「この辺で松っつんの毒がほしいなぁ」と思うことが多々ありました。検証がつまらなくてダイジェストになっても、伊集院がまじめにバラエティを語りだしても”笑い”に戻す人がいません。
『DX』でも松っつんの「イジリ」「ボケ」がないので、ゲストを次々と指名してエピソードトークをしてもらうしかありません。自分でも信じられないくらいにトークが拾えず、ゴングが鳴らせないままダラダラと流れ作業でゲストを指名しています。改めて松っつんの存在って大きかったんだなぁと思います。
でも、気づいたこともあります。
若い子らが、実にのびのびとトークをし始めていることです。今までは俺らが睨みを利かせていたので、後輩はみんな「噛まないように」「スベらないように」と気を張っていたように思います。俺らは知らないうちに後輩らにプレッシャーを与えていたのかもしれません。でも松っつんがいなくなって、若い子らがどんどん前に出てくるようになったと思います。津田は追い込めば追い込むほどおもろい奴だと思っていたのに、今は笑顔で自分から品川に絡んでいきます。亜星や兼近も山本も自分から発言して笑いを取ろうとするようになりましたし、かまいたちは自分の番組のように落ち着いて二人でやりとりをしています。まだまだ若手ライブのトークコーナーのようでダラダラした感じがしなくもないのですが、もしかしたら今の視聴者はこんな感じのほのぼのしたトークを望んでいるのかもしれません。
俺らがやってきた緊張感のある笑い、松っつんの求めてきたシビアな世界はもう必要ないのかもしれません。寂しいけれど、松っつんがいなくなってからも、今の視聴者に合う新しい形ができつつあります。
俺はもう少しがんばってみますが、いつかどっか別のところでおっさんらを相手に俺らの笑いをやるのもいいかもしれませんね。
松っつんが一日でも早く帰ってくることを、首を長くして待っています。
〇〇より