実家に二日ほど帰省していた。
約1年ぶりの帰省である(その間、一度電話をしたきり)
居間で母親と何気なくテレビを見ていたら突然飛び込んできた訃報
「飯島愛 死亡」
・・・そうか・・・。逝ったか・・・。
何でも自宅マンションで死後1週間ほど経過していたらしい。
新聞各紙こぞってこのニュースを取り上げ、「変死」「突然死」「孤独死」と書きたてた。
今日も朝からワイドショーはこのニュースで持ちきり。
隣りで見ていた母親は「鬱だね・・・」と断定。
「生きていることに希望が見出せないって、○○おじさんもよく言っていたよ・・・」
母ちゃん・・・あなたのすぐ隣りにも予備軍がおりますよ・・・
「死んでから数日発見されないなんてね~。友達いないのかしら?」
母ちゃん・・・隣りにいるあなたの息子だったらもっと発見が遅れると思います・・・
そして今回初めて知ったのは、飯島愛が僕と1歳しか違わなかったということ。
もっと上だと思っていた。
きっと僕が学生時代から飯島愛はテレビに出まくってたからな。
「ギルガメッシュ・ナイト」はリアルタイムで見ていたし
出演していたAVも見たことがある
松坂季美子ファンだった僕は飯島愛の作品に対してあまり評価をしていなかった。
「ギルガメッシュナイト」は他のコーナーが過激だっただけに、CM前にケツ出すだけの飯島愛は別に特別な存在ではなかった。
『プラトニックセ○クス』は読んでないけど
あんな本が売れまくったことには腹立たしさも覚えた。
「AV出演」「整形」「万引き」「援○交際」を赤裸々に告白されたら
「最悪!死ね!芸能界辞めろ!」と責められなければならないのに
多くの若い女性が「そうよね!わかるわ!」と共感してしまう現象に気味の悪さを覚えた
その後、浜崎あゆみが「あたしって本当は寂しくて、孤独で・・・」みたいな雰囲気全開の歌詞を書いて女性に受けたって
「レイプされ、中絶され、親にも勘当されたけど、それでも運命を信じるの!」みたいな内容のケータイ小説がとんでもなくヒットしたって
今ではなんとなく理解できてしまう。
『プラトニックセ○クス』のヒットがあったから・・・
女ってのはそんな類の”あたしって不幸”ものが大好きなんだと。
その後、飯島愛はテレビに出まくっていた。
僕はそれを苦々しく見ていた。
あの本は170万部も売れ、印税生活が可能になり
テレビ出演だけでなく、雑誌での連載を始めるようになった
30を越えてもくすぶっていた僕はそれもまた苦々しく読んでいた・・・。
”たかだかAVギャルのくせに~”と羨めば羨むほど
飯島愛の才能に気づかされた・・・
彼女がある雑誌に書いたエッセー
たしか社会と人間についての内容だったと思う
「くっそ~AVギャルのくせに難しいこと考えやがって~」
と思いながら読んでいると、締めくくりに
「仰向けで寝られる動物は人間とライオンだけだそうである」
などと書いてある。
人間はそれほど傲慢ってか?
生物の王様と勘違いして自分の弱点をさらけだしたままってか?
くっそ~AVギャルのくせにうまいこと書きやがって~
いっぱしの作家じゃねーか、くそ~!
と嫉妬したものである。
歯にもの着せぬものいいといい、文章力といい、行動力といい
なんとなくいつも先を越されたような感覚を覚えさせられた・・・
そして自宅での孤独死・・・発見は死後1週間・・・
なんとも言えぬ虚無感、敗北感である。
ちなみにこの記事をアップしようとしたら飯島愛に関するいろいろな文字列が引っかかって最初UPできなかった。(仕方なく伏字にしたが・・・)
死してもなお僕に敗北感を味わわせる飯島愛
完敗である・・・合掌