俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

『オーケンのめくるめく脱力旅の世界』

大槻ケンヂ著「オーケンのめくるめく脱力旅の世界」(新潮文庫)を読んだ。

いや~、笑った笑った。


そもそも僕は旅行に行くときに色々な人の旅行記を持って行って読むことが多いのだが、残念ながら旅行記でおもしろいものはほとんどない。

おもしろいものがほとんどないとわかりつつ、一縷の望みをかけて旅行記を読んでみるのだ。

旅行記がつまらない理由は

①個人的にバックパッカーという存在が嫌いだということ

②妙にごう慢な文体、態度の人が多いということ

③たかが旅行者の分際で「この国は~」などとわかったようなことを書いて鼻につくこと

④貧乏自慢、冒険自慢、豪遊自慢など、鼻につくものが多いこと。

⑤単なる報告文で、作者やその国の魅力が伝わらないこと

などなど。

ま、蔵○仁一とか、下○裕治とか、その他の一発屋とかね・・・


で、好きな旅行記というと椎名誠東海林さだおゲッツ板谷、あと立川志の輔のものなど

この人たちは旅行記専門というわけではないが、元々文章力があるので旅行記もやはりおもしろい。

エッセイの名人達は見所、感じどころが違うし、表現も豊富。何よりその人そのものが魅力なのだ。


そして大槻ケンヂさん。

元・筋肉少女隊、昔は額から頬にかけて大きな傷のメイクを施していて、強面(こわもて)のパンクロッカー、ハードロッカーという感じだったが、実は全く違う。

この人の本を読むと、この人が実に神経質な小心者のオタクであることがわかる。

だから人との争いを好まず、人に気を遣いすぎて鬱になり、大好きなオカルトやUFOを医者に止められるというまぬけなことに。

昔テレビの格闘技系の番組によくゲスト出演していたので個人的に好感を持っていたのだが、しばらくテレビに出ていない間にバンドの解散問題や、神経病などを患っていたそうだ。

友達が少なく、ブースカの人形に話しかけたり、お店の人に文句を言いたくても言えなくて心の中で毒づいたりと、実に親近感が沸く人なのだ。


で、この人の旅エッセイ第5弾?がこの本。

この本は笑える!腹を抱えて笑える!声を出して笑える!

電車の中ではかなりやばいかもしれない。

僕は旅行先のホテルで一人、声を出して笑った。だははははは!!


特にストリップに伝説のロックミュージシャン似のおばちゃんが多いことを検証しに行った話や

障害者プロレスを見に行ったエピソード

男友達とフルチンで向かい合わせに寝てアカスリをしてもらったソウル旅行など

爆笑エピソード満載!・・・って、なんか本の帯みたいだけど・・・


とにかくオーケンエッセイの最高傑作!(これまたどっかのコピーみたい)

寂しい独り者のおっさんは絶対に笑える本でお薦めです。

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女性方には・・・・どうかね。