パトリック・スウェイジが死んでしまった。
なんか、一つの青春が終わってしまった気がした。
といっても、僕は彼のことを『ゴースト~ニューヨークの幻~』でしか知らないんだけど
でも、やっぱりあの映画のインパクトはすごかったな・・・
1990年に日本公開だから、当時、僕は高校2年生
そう、今は無き、地元の映画館で一人で見たんだあの映画を・・・
17歳の多感な少年が、たった一人で極上のラブストーリーを見てしまったんだ。
ちなみに、その2列ぐらい後ろに別のクラスのカップルが座っていやがったんだ。
男の方とは知り合いだったから「よっ」ってあいさつだけされたんだけど、連れてる彼女がまた可愛かったんだ。
映画観て泣いたんだろうな。ちょっと目が赤かったりしたんだ。
僕はそれを見て、家に帰ってまた一人泣いたんだ。
「なんで俺は一人なんだ・・・・」って・・・

たぶん、雑誌かなんかで見たんだと思う。
「制作費はめっちゃ安いのに、アメリカでめっちゃヒットした映画がある」
当時、僕は部活を辞めちゃって放課後かなり暇を持て余していたし、
学校が終わってすぐにいけば、みんな部活中で知り合いもいないだろうと思って観にいったんだ。
パトリック・スウェイジがまた格好いいんだ。
顔はちょっとおじさんだったけど、動きが軽やかなんだ。
元々ダンサーだったってことは後でパンフレットを見て知ったんだけど。
そんでデミ・ムーアが最高に可愛かったんだ!
ハリウッド女優に初めて恋に落ちたな。
その後のデミ・ムーアには目も当てられなかったけど
『ゴースト』のデミ・ムーアは最っ高に色っぽくて、最っ高に可愛くて、最っ高にいじらしいんだ。

で、当時、純情な童貞高校生だった僕は、
パトリック・スウェイジとデミ・ムーアが素っ裸でベッドに入っているシーンとか
2人がなかなか合わないキスをしているシーンとか、
パトリック・スウェジが焦らし気味にデミムーアの首筋あたりをソフトタッチするシーンとか
とにかく乳繰り合ってるシーンがすごくいやらしくて
僕は映画館でけっこうな勃起をしてしまったんだな。
あのライチャス・ブラザースの「アンチェンド・メロディー」がまたロマンティックで、いやらしさ倍増でしたな。
あの時はじめて「ガイジンっていいな~・・・」と思ったな。
当時、AVも見たことがなかった僕は、日本のビニ本の世界に感じる重い雰囲気と比べ
「ガイジンさんの乳繰り合いって、オシャレだな~」
「オラも外人さんと結婚して~な~」と感心したものだ。
その後、パトリック・スウェイジがゴーストになってデミ・ムーアを見守るシーンや
ウーピーゴールドバーグのコミカルな演技
そしてクライマックスと、映画は興奮しっぱなし
ラストのデミ・ムーアが大粒の涙を流すシーンで、僕は不覚にも泣いてしまったんだな・・・・。
若かった・・・・
でも最高におもしろかった映画の一つであることに間違いはない。
僕の青春の映画である。

あれから19年
いまだに「死んでも守り続けたい女性」はおろか、一緒に映画を観てくれる彼女もできず、
職場でも存在感がなく、毎日誰かを恨む生活を続けている。
ま、ある意味、生きながらにして”ゴースト”と化している。
あの日、僕に感動をくれたパトリック・スウェイジは
きっとこれからも残された奥さんのことを見守り続けるだろう。
ついでといっちゃなんだが、
僕のことも見守ってくれまいか?
仮に僕が、運命の人と街ですれ違っていたら、ちょっとだけ僕の肩を叩いて教えてくれまいか?

ついでに、BIGの神様も、僕の背中を売り場まで強引に押してくれるとありがとうのだが?
