俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

僕は鯖!その2

スーパーのお惣菜コーナーで、鯖の塩焼きのパックを見ながら僕はこう思った。

「僕は・・・・・・鯖だ・・・・・」


頭がおかしくなったわけではない。


例えば仮に「今後、一人一種類の魚しか食べてはいけない」という法律ができるとする。

しかも「クイズヘキサゴンⅡ」のように、クイズに正答したものから魚を選ぶ権利を与える、と国王に言われたとする。


おそらく、多くの者が「まぐろ」を狙ってくるだろう。

まぐろは日本人に人気の魚だ。

特に刺身は中トロ、大トロ、醤油につけて「づけ」にしてもいい。

焼いてももちろん上手い。

きっと一番人気で、イの一番に獲られるだろう。


次に来るのは高級魚か?

鯛、ふぐ、うなぎあたりをほしがる奴もいるかもしれない。

が、鯛・ふぐ・うなぎを選んだやつは計画性がない。

「今後、一生、その魚しか食べられない」という条件下で、鯛やふぐといった贅沢なものを選ぶなんて

一生を棒に振るようなものだ。

きっとすぐ飽きるし、すぐ通風になる。


頭のいいやつは、食べても飽きのこない、大衆魚を選ぶ

ぶり、鮭、あじ、さんまあたりは毎日食べてもそれなりに食べられる。


魚好きの通なおじさんはハマチ、カンパチ、カツオ、ヒラメ、カレイ、スズキあたりをチョイスするだろうし、

こだわりのある人はハモ、アンコウ、アナゴなんかを選ぶかもしれない。

居酒屋好きならししゃもにめざし、ほっけにタラ

健康命ならシラスやいわし

頭の悪いやつは、「えっと、タコとイカは魚に入るのかな?さざえとはまぐりはいいのかな?え?もう時間?ちょっと待って!カニは?だめ?えっと、えっと、じゃあ、えっと、めだか!」などと答えてしまうだろう。



僕はクイズは得意なほうではない。

おそらく順番的には真ん中ぐらいだろう。

僕は残った魚の中から、迷わず第一希望の魚を獲得する。


「僕は鯖!」

イメージ 1


鯖(さば)はいいよ~。

本当に上手い!

あの身の旨さ!皮の旨さ!脂の乗り方!

最高だね。


まず味噌煮がうまい!もうとろけるね。飯何杯でもいける!

あの煮込んだ味噌!それが染み込んだ白飯!

日本人に生まれて良かったよ!

イメージ 2

イメージ 3


それから塩焼きね!

一番シンプルなやつ!

あれにね、たっぷりの大根おろしとレモン!

そんで醤油を垂らしてね、鯖の切り身のね、肉の繊維に沿って箸を入れるんだよね。

そしたら醤油の染みた大根おろしとともに鯖の中に箸がずずずいっと沈んでいってね。

もう、それを頬張った日には、たまらんね。

鯛の刺身とかで喜んでるやつが哀れに思うね。

やっぱり脂ですよ、脂!

イメージ 4


あとはシメ鯖ね!

お酢と昆布で〆たやつ!

刺身でもいいし、寿司でもいい。

あれ考えた人、天才!


口に入れた瞬間、いい感じの酸っぱさと、鯖のちょっぴり生臭い感じ

それから鯖の肉質を感じてね、それを酒で流し込んじゃったりしたらもう・・・

くぅ~~~、うめ~~~!!!

イメージ 5


イメージ 6


もちろん、普通に醤油で煮付けても抜群に旨いし、

片栗粉をつけて、竜田揚げにしても旨い!

その竜田揚げにあんかけとか、ちょっと変わったところではマーボーソースなんかかけても旨い!

本当に新鮮な鯖なら、刺身でもいけるらしい(食ったことないけど)


生でよし、酢で〆てよし、焼いてよし、煮てよし、揚げてよし


これなら一生、2人でやっていける気がする。


「僕は鯖だ」


もう、Yahoo!の画像を見ているだけで、僕はうっとりしてしまう。

イメージ 7

イメージ 8











ふと我に返ると、僕はスーパーのお惣菜コーナーで、鯖の塩焼きのパックを手に持ったまま立ち尽くしていた。


妄想をしている間に、15分ほど時間が経ってしまったようだ。

しかしそれでもなお

「僕は鯖だ」

そう、鯖なんだ。





が、残念ながら今日はさんまが安い。

よし、さんまにしよう。