俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

大人のポニョ

G「お願いします。世界は宗介さんにかかっているのです。」

 

L「は?うちの宗介、まだ5歳ですけど」

 

G「宗介さんがポニョの身元引受人になっていただければ、世界は安定するのです」

 

L「ちょい待ち、ちょい待ち!宗介が身元引受人って、ムリでしょう?幼稚園児ですよ。」

 

G「あ、だからね。その、将来的でいいんですよ。将来的に身元引受人になってもらえれば」

 

L「つまり、婚約しろってこと?グランドバザール。」

 

G「あ、私の名前、グラン・マンマーレです。でね、うん、まあ、そういうことなんです」

 

L「そういうことなんですって。それまでポニョは誰が世話するの?グランファンファーレ」

 

G「グラン・マンマーレです。ですから、それまではあなたに面倒を見てもらってですね」

 

L「え?何それ?おかしいじゃない!なんであたしが他人の子の世話をしなきゃいけないの?まだ主人とも相談していないのに!」

 

G「だからですね、世界の安定のためにですね」

 

L「っつーか、あんたの力でなんとかなるんじゃないの?グラン・マーマレード!」

 

G「だ・か・ら!本当はそうなんだけど、ポニョは人間になりたいって言ってるんだし、うちのポニョを誘惑したのはお宅の息子さんなんだから」

 

L「うちの宗介が誘惑したって?馬鹿なこと言わないでよ」

 

G「いや、誘惑っていうのは言いすぎですけど・・・。じゃ、その代わりに、養育費をお渡しするのではどうかしら?」

 

L「養育費・・・・・・・・・ちなみにどれくらい?」

 

G「マグロ一年分」

 

L「いらない。それにポニョが食べるのハムばっかりだし」

 

G「じゃ、伊勢エビもつけます。」

 

L「う~ん。伊勢エビか・・・。ちょっと揺れるなあ・・・」

 

G「ね、食費は毎月浮くんだから、悪い話じゃないでしょ?」

 

L「でも宗介がなんて言うかなあ・・・」

 

G「大丈夫。子どもなんてまだアホだから、無理やり”うん”って言わせちゃえばいいのよ」

 

L「だれがアホやねん。うちの息子つかまえて!」

 

G「あの、それは言葉の綾(あや)というか。えっと、宗介君ならきっとポニョを愛してくれます。素直なお子様ですから。」

 

L「う~ん・・・・でも意外に幼稚園でもモテるんですよね~。うちの宗介」

 

G「でもうちのポニョはかわいいですよ。将来絶対美人になるし」

 

L「う~ん、かわいいのは認めるけど」

 

G「本当に、社長さん!最高の娘ですよ!白魚の手!鯛のような華やかさ。しかもベッドでも本マグロ!」

 

L「だれが社長やねん!しかもベッドでマグロって!褒めてないよ!」

 

G「とにかく、宗介さんに任せましょうよ。これで世界は安泰!宗介さんも安泰!うちも厄介者を追い出せて安泰!」

 

L「何だって?」

 

G「あ、いや、こっちの話。ね、宗介君ならだいじょうび。きっと身元引受人になってくれるわ。」

 

L「う~ん。もし宗介が『半魚人なんてヤダ』って言ったらどうなるの?」

 

G「そりゃ~、うちの娘を傷つけたんですもの。それなりに・・・ね?」

 

L「それなりに?何ですか?」

 

G「ま、地球は滅亡してもらいますけど」

 

L「え?そんな大事なことを宗介に託すの?」

 

G「大丈夫大丈夫。意外になんとかなるものよ。アニメなんだもの。」

 

L「うわ~。軽いな~この大女。ま、とにかく宗介に聞いてみてください。」

 

G「オッケ~!ありがとうリサ!」

 

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G「宗介さん。あなたはポニョがお魚だったのを知っていますか?」

 

S「うん、知ってるよ」

 

G「ポニョの正体が半魚人でもいいですか?」

 

S「うん、僕、お魚のポニョも、半漁人のポニョも、人間もポニョも大好き!」

 

G「でも、お魚のポニョは食べられないのよ」

 

S「うん、知ってるよ」

 

G「半漁人のポニョはけっこう気持ち悪いわよ」

 

S「う、うん、知ってる」

 

      L「(遠くから)お~い、なんか脅迫っぽいぞ~!」

 

G「人間のポニョはマグロよ」

 

S「マグロ?人間のポニョは魚なの?」

 

G「いや、そういう意味じゃなくて。とにかく、あなたはポニョを生涯、妻として愛することを誓いますか?」

 

S「???」

 

      L「(遠くから)わかるわけねーだろー」

 

G「宗介さん、『誓います』って言ってみな。『誓います』って。」

 

S「ち、誓います?」

 

G「わかりました。これでポニョは晴れて人間になることになりました。地上に上がったらキスしてあげてね。舌はまだいれちゃダメよ」

 

S「???」

 

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G「リサ、いろいろありがとう。これからポニョ達をよろしくね」

 

S「ポニョ”たち”?」

 

G「ええ、実はポニョにはたくさんの妹がいてね、どうしてもポニョから離れたがらないの」

 

L「は?ねえ、ちょっと、聞いてないわよ!」

 

G「すごいわよ~。もうハーレムなんだから。あ~、うらやましい~。妹達のオーラルテクニックはすごいわよ~。」

 

L「ちょっと、あんた!ポニョの妹たち、全部うちに預ける気?」

 

G「あ、あの子たちはシラスを食べさせとけば大丈夫だから。うちにいると子作りの邪魔だし」

 

L「大丈夫じゃねーよ!育てられっかよ!」

 

G「だって、うちなんて藤本が会うたびにあたしを求めてきて・・・。あたしのアワビを見て『観音様!』とか言っちゃって・・・。で、あたしもその度にクジラのように潮を吹いちゃって(恥)・・・で、何十個も卵を産んじゃって、大変なんだから。」

 

L「最後は下ネタかよ!!いい加減にしろ!」

 

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