先日、テレビ朝日系列『お試しか!』の人気コーナー「帰れまテン」で
「ステーキ&ハンバーグ けん」の人気メニューベストテンをあてる、という企画をやっていた。
僕はこのテの企画が大好きなのでよく見てしまうのだが、「ステーキけん」は行ったことがない。
よって番組の出演者同様に、テレビの前で「これはないな~」とか「あ~これ食べて~」なんて思いながら見ていた。
とても模範的なテレビ視聴者なのだ。
『ステーキ&ハンバーグ けん』(以下、『ステーキけん』)は2006年創業ながら、すでに全国に220店舗を展開しているという。
つぶれたファミレスの建物をリフォームして使うので、その分、本格的なステーキをリーズナブルに提供できるのだそうだ。
ただ番組を見て思ったのは、やや値段設定が高いな、ということだ。
僕は貧乏性が身についているので、単品で1000円以上のものは無条件に「高いな」と思ってしまう。
ましてやファミレスで”1500円のハンバーグ”とか、”2000円のステーキ”なんて言われるとかなり引いてしまう。
実は『ステーキけん』はステーキかハンバーグを注文すれば、サラダ、デザート、スープ、カレーなどの食べ放題がついてくるそうだ。
そういう点を考えれば値段は妥当かもしれないが、それでも家族で行くと結構高くつくかもしれない。
ちなみに番組では映画『るろうに剣心』の番宣で着ていた佐藤健と青木崇高らが「このメニューはテッパン」「これは外せない」といろいろ偉そうに語っていたが、結局、人気メニューベスト10を当てるのに倍以上の21品を食べる結果となった。
うん、まあ、そうだろうな。やつらは庶民の感覚がわかってないもの・・・
(ちなみに順位は以下の通り)
2位「肩ロースステーキ(200g)」1,365円
3位「チーズinハンバーグ(180g)」1,260円
ファミレスの定番のハンバーグ。粗めのひき肉使用で、ジューシー感がある。20~30代女性と子供に人気。
ファミレスの定番のハンバーグ。粗めのひき肉使用で、ジューシー感がある。20~30代女性と子供に人気。
4位「ハンバーグステーキ(150g)」1,029円
シンプルなハンバーグで定番の人気。
シンプルなハンバーグで定番の人気。
6位「チキン南蛮ステーキ(180g)」1,134円
タルタル&スイートチリソースが美味。他のステーキ店では味わえないために女性に人気。
タルタル&スイートチリソースが美味。他のステーキ店では味わえないために女性に人気。
7位「BEEF100%ハンバーグ(150g)」1,260円
8位「チキンステーキ(180g)」1,029円
チキンは弾力があって美味い。4種のソースが選べる。
チキンは弾力があって美味い。4種のソースが選べる。
正直、今回の「帰れまテン」を見て思ったことは、「芸能人ってのはやっぱり庶民の感覚がわかってないんだな」ということだ。
というのは、このテのファミレスにどういう人が来るかということがイメージできていないからだ。
『ステーキけん』なんて、所詮ファミレスなのだ。
デートで来るようなところでもないし、女子高生が帰り道に寄るところでもない。
食通が通う店でもなければ、肉好きが集まる店でもない。
利用する客の大半は子供連れのファミリー層と、「質より量」の体育会系男子グループである。
事実、僕も後日、実家近くの『ステーキけん』に行くことになるのだが、客層のほとんどが家族と男性グループだった)
子供連れの親子が何を頼むか?
お父さんはまあ、看板商品の「けんステーキ」か、サーロインステーキあたりだろう。
メタボが気になるおとうさんならヒレステーキもありかもしれない。
お母さんはチキンステーキ、子供たちはハンバーグに決まっているのである。
(ま、お母さんは他のものでもいいのだが)
(ま、お母さんは他のものでもいいのだが)
仮に小学校2年生の子供が”特撰USヒレカットステーキ120グラム1860円なんて頼もうものなら、お父さんは光の速さでゲンコツを食らわせるはずである。
「貴様が1860円のステーキを頼むなんざ、10年早いわ!」
「1860円を稼ぐのにどれだけ苦労すると思ってんだ!」
「家族4人で5000円で収めようという俺の計画を邪魔すんじゃねー!」
「お前ごとき小僧はお子様ランチでも食ってろ!」
だからお母さんは、子供にはメニューを見せず「ハンバーグでいいわね?」で済ますのである。
んで、子供はお母さんの期待に応え、ハンバーグを一口だけ食べては、すぐにカレーをすくいに行ったり、わたあめを作りにウロチョロし始めたりするのである。
だから、ハンバーグが人気メニュートップ10の半分を占めるのである。
では男同士で『ステーキけん』に来る連中の頭はどうなっているのか。
もちろん「たまにはステーキでも食いてーな!」という輩も来るだろうが、本当にいい肉が食いたい奴は「けん」なんかには来ない。
たいがいは「とりあえず肉は安いメニューを頼んで、あとはカレーとサラダをいっぱい食べよう」という奴が多い。
だから2000円代のメニューはほとんど出ない。
人気メニュートップ10のうち、9つが1000~1500円のメニューなのである。
ましてや、大学生の仲間同士だったら、肉の違いなんてわかるわけがない。
ヒレだろうが、ロースだろうが知ったこっちゃない。
見ているのは値段とボリュームである。
大学生にとって肉なんて固くて肉汁が出ればそれでいいのである。
しかし『お試しか!』ではその辺の金銭感覚もわかっていない。
芸能人と言うのはつくづく嫌味なのである。
で、この番組を見た後、たまたま実家の近くに『ステーキけん』があったので、両親とともに行ってみたのである。
73歳の父親に肉を食わせるというのは酷な気もしたが、来年40になるかわいい息子が食べたいというのであれば、親は断れないのである。
で、4人でシェアをしようということで、テレビ見て旨そうだった「プレミアけんステーキ」と「サーロインステーキ」「チーズinハンバーグ」と「チキン南蛮ステーキ」を注文してみた。
が、案の定、父親はステーキが食べられず、ハンバーグとチキンを一口ずつ食べて「うん、まあまあ旨い」と納得。
僕と嫁もステーキを頬ばりながら「テレビではものすごく大げさなリアクションをしていたが・・・うん、”まあまあ”かな?」という感じで堪能したのである。
で、僕ら家族で一番評判がよかったのが、意外にも食べ放題メニューの「カレー」だったのである。
テレビ番組でもカンニング竹山が「カレーが旨い!意外に本格的だ!」と驚き
『ステーキけん』の社長も「カレーは大人も子供も楽しめる味でなければいけない!」と胸を張っていたカレー。
で、僕ら家族はカレーを一口食べた瞬間
父「うん、おいしい。食べなれた味だ!」
母「そうそう!なんか、安心できるね」
僕「ふふふふふ。うん、懐かしい!」
嫁「うん、いつもよく食べてる味!」
と絶賛。
なんてことはない。
市販のルーを使ったカレー。
ハウスとかS&Bとか・・・あそこらへんのルーを使って普通にお母さんが夕食に作ってくれた味なのだ。
だから、不思議に文句が言えない。
普通に旨いのだ。
みなさんも『ステーキけん』に行ったら、カレーを食うべし!