俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

男同士 その①

一般的に、みなさんは忘年会、新年会ってどれくらいあるものなのだろうか。

僕は正社員でない上に、年末に一人で旅行に行ったりしてしまったので、昨年末は忘年会は1回

そして新年会も1回という、なんともお寂しい年末年始を迎えていた。


新年会に集まったメンバーは3人。

僕と、高校時代からの親友二人だが、いずれも独身。

進学も就職もまともにいかなかった、なんとも痛い3人だが、お互いの傷を舐めあうように年に何回か顔を合わせている。

3人が集まれば、たいてい仕事の話、結婚の話、金の話、女の話になる。


実は僕は普段、職場で妙齢の女性に囲まれているので、無口な好青年を演じている。

ま、好青年というのは自己評価なので、もしかしたら「いつも黙ってムッとしている不気味な男」ととらえられているかもしれない。

ま、おばさまに囲まれて仕事をしてみればわかるが、独身男性とおばさまというのはなんとも話が合わないものなのだ。

子供がどーとか、だんながどーとか、犬がどーとかいう話をしていても一向に興味が沸かない。

僕はもっと、蒼井優のほくろがどーとか、AKB48の戦略がどーとか、排便の仕方がどーとか、もっと知的な話をしたいのだ。

また、下ネタやゴシップ、人の悪口などは、男女に関係なく実は好きな話であるが、おばさまの会話の中に僕が入っていっても、決してそのような話にはならない。

僕のほうからもセクハラを訴えられないように、そんな話をふることはない。

だから僕は職場ではますます無口になる。

そして思考の80%を占めるエロネタ、下品ネタ、悪口などが言えないストレスに押しつぶされながらもじっとこらえ、それをブログで発散している状態なのだ。


話は戻るが、だからこそ、気の置けない男だけで話し合えるこの定例会は僕にとってオアシスなのだ。

普段言えないようなことを遠慮なく口に出すことができる。

男友達って本当にありがたい。


C「女って、本当にアホだよな」

B「そうそう!感情的で頭悪いんだよ」

C「話は長ぇ~し、オチはね~し」

B「そうそう!大したオチがない!」

C「しかもブッサイクな女が厚化粧したのを見て『かわいい~~』とか言ってな」

B「かわいくねっつーのっ!元の顔がわかんねーんだよっ!」

C「しかも自分というものがない!周りに流されてばっかり!だから同じメイク、同じファッション、同じ話題!」

B「一人になれないんだよな。誰かしらとつながってないとダメなんだよ。」

C「笑いのハードルが低すぎる!」

B「しかも下ネタもなし、うんこ・ちんこもダメ!。スポーツの話題すら受け付けない」

C「ドラマ、ファッション、アイドル、噂話・・・そんなんばっか!」

B「しかも感情の沸点が低すぎる!下らない日本映画で『涙が止まらなかった!』なんて言ってるし。」

C「『アメトーーーク』とか見てて、趣味の同じ芸人さんたちが自分の好きなもの語りあったり、思う存分アピールしたりしてるの見ると、羨ましいもんな」

B「そうそう。男っていつまでもああいう趣味の話とかこだわりの話ってしてたいのよ」

C「この前の”俺たちのゴールデンプロレス”芸人、最高だったな」

B「ああ!見た!そうそう!金曜の夜8時にプロレス中継をしてた時代の話な。今、社内でプロレスの話できる人だれもいないもんな」

C「うちなんて、子どもの時、晩飯食いながら家族全員でプロレス中継見てたもんな」

B「弟なんて本気で”猪木は強いな~”なんてだまされてたし、俺もタイガーマスク命だったし。」

C「そうそう。あ~、懐かし~。こういう話、毎日してえな。」

B「うちの社員、みんな70年代生まれの男だったらいいのに」

C「そうしたら仕事しながら『SEXしてぇ~』とか叫べるし、バカな話しながら仕事もできて、ストレスもなくなるのに」

B「ほんとほんと。男だけだと本当に楽だわ。最高よ!」

C「女なんてムカつくだけ!男友達最高!」

A「じゃ、世の中から女がいなくなるボタンがあったら、押すか?」

C「あ~押す押す」

B「押すわけねーだろぉが!!」

C「え??お前、さっき・・・」

B「世の中に女がいねーだと?そんなの意味ねーじゃねーか!」

C「お前、男友達最高って言ってたじゃ・・・」

A「女との初めてのデートと、昔からの男友達との飲み会、どっちに行く?」

C「そりゃあ・・・」

B「デートに決まってんだろーが!」

C「え~・・・」

B「当たり前だろうが!女のいない世の中なんて、なにが楽しいんだ!女がいるから男は楽しいんだろうが!」

A「うんうん。」

B「女がいるから男ががんばるんだろうが。」

C「いや、ほら、がんばって出世して、お金持ちに・・・」

B「なったら女に金使うだろーが!」

C「いや、家を買ったり、車を買ったりして」

B「女を呼ぶだろーが!」

C「うまいものを食べたり・・・」

A「食べたり?」

C「キャバクラ行ったり・・・」

A「女はいないぞ?」

C「あ・・・・・」

A「結論!」

B「男は女がいなけりゃ生きる意味がない!女は男がいなくてもそれなりに生きていける!だから女、最高!女最強!」

A「異議なし!」

店員「異議なし!」

C「・・・・異議なし」