俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

僕の鞄と、夜の女性の一人歩き

それは昨日の晩のこと

僕は翌日の仕事の準備をしていた。

明日、もっていく書類を整理し、一つ一つ鞄に詰めていく。

そしてさらにあるマニュアル本を詰め込もうとしたところでかばんがパンパンになってしまった。

以前、このブログでも書いたことがあるが、心配性の僕は普段からカバンにいろいろなものを詰め込んでいる。


たとえば
・電子辞書
 最近、物忘れがひどく、急に言葉が思い出せなくなることもある。もしかしたら「憂鬱」という漢字を急に書かなければならない状況があるかもしれないので用心のために携帯。

・Pomera
 時間があったらブログのネタを書けるように

・システム手帳
 特に仕事の予定がびっちり書き込まれているわけではない。書き込まれているのは「その日財布の中から出ていったお金の記録」。ちゃんとレシートから書き移すので、結構細かい。以前、女性に見られたとき「うわ~、みみっちぃ~」と言われたことがある。

バファリン2錠
 人ごみの中や、長時間の移動の際に偏頭痛を催すことがある。基本的に人がたくさんいるところが苦手なのだ。だから初詣とか、巨人の優勝パレードとか、サッカーの応援とか絶対無理だな。そんな時にはバファリンが有効!ちなみに「熱冷シート1枚」も常備。

・ストッパ2錠
 とにかくおなかの弱い子だった僕は、36歳になった今でも「今日、突然おなかが痛くなってうんこを漏らし、翌日から職場で”うんこマン”というあだ名をつけられるのではないかという不安と戦っている。おそらく神経性のものだと思われる。
 ちなみに、僕が最後にうんこを漏らしたのは19歳の冬。

パブロンゴールド2袋
 風邪を引いたらパブロンゴールド。もう子供の時からの教えだ。風邪を引いたときは、それこそヤク中のようにパブロンゴールドの粉末を口に流し込む。おそらくもう体にパブロンゴールドに対する免疫ができてしまい、風邪が治らないようにできてるような気がする。でも飲む。

・携帯用リステリン
 職場の女の子などはちゃんと歯を磨いているのだが、さすがに男として昼に歯を磨くのは恥ずかしい(見栄っ張り!)よってリステリンで口臭だけは出ないようにし、トイレの鏡で食べ物が歯に挟まっていないかチェック。これだけでも男からみたら「けっ!女々しい!」と思うかもしれないが、もしかしたら今日のアフターファイブに急に逆ナンされて舌を絡め合わなければならない状況が訪れるかもしれない!よって「ブレスケア・フィルム」も常備!備えあれば憂いなしなのだ。

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・ポケットティッシュ3袋
 季節を問わず、鼻水出放題の僕はポケットティッシュが欠かせない。駅前で配っていたら必ずゲット。
 そして意外にお上品な僕はお昼ご飯のお弁当を食べる時も必ずポケットティッシュを1枚使用。お口の周りやこぼれた汁などを拭くのだ。だからポケットティッシュは外出時には財布と携帯とともに欠かせないものなのだ。

浅田飴
 これは冬季限定であるが、冬はもう浅田飴の丸い缶ごとカバンに入れている。電車の中で取り出そうとするとジャラジャラ音がするので周りに振り向かれるが、そんなことかまっちゃいられない。この美声をキープしなければ・・・。

・ビニール袋
 もし電車の中で急にゲロを吐きたくなったら・・・。
もし急におばちゃんからバラのお菓子をたくさんもらうような状況になったら・・・。もしうんこを漏らし、汚れたパンツを持って帰らなければならない状況になったら・・・。
 そう考えると、スーパーのビニールってかなり重宝すると思う。ま、使ったことないけど。

・お金
 財布の中のお金とは別に、僕のかばんには必ず5000円~10000円が隠れている。「もし、財布を忘れてしまったら・・・しかもそれを飯を食って会計するときに気づいたら・・・」そんな恐怖から常にかばんに隠してあるのだ。おそらく全部のカバンの中のお金を合計すると、3万円ぐらいにはなるだろう。

それ以外にも

・ハンドクリーム(冬のみ)
・マスク(冬のみ、ただし、気づかずに夏まで持っていることも)

・扇子(これも一年中入っている)

・SOY JOY、もらったチョコ、煎餅、お菓子

デジタルカメラ(ほとんど使ったことがない)

・ネットからコピーした「もし痴漢に間違えられたら」マニュアル

・痴漢に間違えられた時に使うボイスレコーダー(一度も使ったことがない)

・折りたたみ傘

・文庫本

ミンティア・ドライハード

などなど。

心配性の僕はいつも最低これくらいは持ち歩いている。

それに加えて携帯やら名刺やら社員証やら大量の書類、資料を持ち歩いているのだ。

だから、できるなら資料や書類は減らしたい。

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夜の12時、明日会社に持っていく書類や資料を鞄に詰めていてふと気づいた。

この分厚い書類、明日見るのはほんの数ページだ。それなのにわざわざまるまる1冊持っていく必要があるのろうか?必要な分だけコピーして持っていったほうが、鞄がずっと軽くなるんじゃなかろうか。

そう思って僕は急いでパジャマの上にロングコートをひっかけてコンビニへと向かった。


深夜のコンビニなので、客は誰もいないかと思いきや、夜食を買いにきていたカップル、明日の朝食を買っているらしい女の子1名、そして立ち読み青年が1名いた。

僕は「この寒いのによくコンビニなんかに・・・」と思いつつ、さっさとコピーを済ませた。

そしてさっさと家に帰って寝よ!と思い、コピー機から釣り銭をとって振り向いた瞬間、先ほどの朝食を買いにきたらしい女の子が僕より一瞬先にコンビニのドアを開けて出ていった。

そして僕は、それこそ女性の買い物が終わるのを待っていたかのようなドンピシャのタイミングでコンビニを出ることになったのである。

これは辛い。

もちろん僕はそんな気はないのである。

が、女の子にしたら「あら、なんかあの人、あたしがコンビニ出た途端うしろからついてきたわ。やばい奴かしら?」なんて思っても不思議ではない。

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が、僕は無実なのである。
無実というか、そんな気持ちはサラサラないのである。

むしろ「こんな夜中に女が一人でコンビニ来てるんじゃねーよ」ぐらいの嫌悪感さえ抱いていたのである。

しかもこの女、トレーナーにサンダル姿で、かなり油断して来ていたようだった。

おんなの後ろを一定の距離を保ちながら歩く僕。

「いや、これ、本当にたまたま帰る方向が一緒なんだよ・・・」

そう心の中でいいわけをしているのだが、女が僕の存在をずっと気にしているのがわかる。

まあいい。あの公園の先の角のところまでいけば、僕は左に曲がる。僕が左に曲がれば女の子も「あ、何だ。たまたま同じ方向だっただけか・・・。あんな素敵な人を疑うなんてあたしったら!今度見かけたらお詫びにBくらいなら許してあげよう!」なんて思ってくれるだろう。

が!

なんと女も公園の先の角を左に曲がってしまったのである。

なんだ?ご近所さんか?

もしかして同じアパート?

しかたなしに僕も女に続いて左に曲がる。

左に曲がると道が細くなり、道も暗くなり、一人で歩くには心細い雰囲気に包まれる。

僕は「あ~あ、これ、絶対疑われてるよ。女、早足になってるもんな。めっちゃあせってるよ・・・」

が、何度も言うが、本当にたまたま帰り道が同じだけなのである。

僕は前に女が歩いていてもいなくてもこの道を帰るのである。

「僕は怪しいもんじゃありません!」

「僕のうちはこの先の○○町二丁目の△△アパートなんです!」

「すみません、僕、先歩いてもいいですか?そのほうがお互い安心でしょう?」

みたいに言えたらどんなに楽だろう。

が、僕が「すみません」と声をかけた瞬間、女が悲鳴を上げるか走り出すのは目に見えている。


「ま、あの電柱を僕は右に曲がるから、そしたら・・・・」


その瞬間!女はものすごい勢いでUターンし、鬼の形相で、今きた道を戻って来たのである!

僕は一瞬、「え?何?何?」と戸惑ったが女は僕と目を合わせることもなく、「すっ」とすれ違い、コンビニがあった大きい通りに戻っていった。

あっけに取られる僕と、僕を包む静寂。

きっとあの子は、コンビニを出た直後、僕が後ろからついて来ているのに気づき、僕をまくためにわざと自分の家とは違う細い道に入ったのだ。

が、僕がその後もついてくるもんだから「このまま知らない道を行ったら追いつめられるかもしれない!ここは一か八か!」と意を決し、戻っていったのだろう。

その勇気は認める。

が、勘違いも甚だしい。

僕はこの後、うちへ帰ってAVを見て寝たいだけなのだ。

僕が痴漢でもストーカーでも変態でも何でもないぃ!!!

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ま、もし冤罪で警察に捕まって

「じゃ、お前が借りてるAVの中身は何だ!お前、やっぱり興味があるんじゃないのか!」

と言われたらぐうの音も出ないのだが。