実写版「怪物くん」を見た。
公開前から「絶対はずれる」「誰が見るんだ?」「何でいまさら?」というネットでの評判が渦巻き
が、主役の怪物くんを嵐の大野君が務めると聞いたとき、
「あ~あ~、なるほどね」とある程度納得できてしまったところは香取両津と違うところかもしれない。
昨日、駅に「ドラマ 怪物君スタート!」というポスターが貼ってあったのを見たが、このポスターがなかなかいい。
映画「ヤッターマン」のポスターを見たときのような期待感を抱かせた。
というわけで、パソコンを打ちながら、わが家のテレビでは「怪物くん」が流れたのです。
話は変わるが、私、趣味で即興演劇なんぞを習っている。
で、そこの主催者の舞台女優さんがある日 語ってくれたことであるが
「あたしが昔、役者になりたてだったころ、即興でやれと言われても何もできなかった。で、ある舞台が終わった後、落ち込んでいたら監督の英国人女性が『あなたは何もしなかった。それがすごく良かった。何もしないのがとても良かったわ』って褒めてくれたの。」
という。
監督さんは別に嫌味で言ったわけではない。
舞台に上がりたいという人は、多かれ少なかれ「脚光を浴びたい」という欲がある。
それが強い人はとにかくがんばってしまう。
即興演劇ならなおさら、とにかく目立とうと我も我もと張り切って前に出すぎてしまう。
が、当然、芝居というものには主役がいて、脇役がいて、それぞれがそれぞれの仕事をして初めてまとまりのある舞台になる。
その女優さんは自分がイニシアチブを取れないと気づき、とにかく脇役に徹したそうだ。
それを監督に褒められたというわけだ。
ちなみに僕も割りと前へ前へと出てしまうタイプである。
なまじ頭の回転が早いほうなので、即興でストーリーを作るのはそれほど苦労せず、どんどん話を進めてしまう。
しかし話がどんどん進んでしまうと、それぞれのキャラクターが生きてこなかったり、説明が不足して観客を置いてけぼりにしたり、細かい所の面白さがなくなってしまったりという不具合も生じる。
「何もしないのがとてもいい!」
そんな風に褒められてみたいものである。
さて、ドラマ「実写版 怪物くん」であるが、この日は朝から日本テレビを嵐が電波ジャックし、
朝からいろいろな番組で番宣、番宣を繰り返したおかげで、そこそこ数字も取れたのではないか。
が、今後僕が毎週見るかと言われればそんなことはない。
もともとドラマを見ないタチであるが、それを抜かしてもそんなに楽しみに見るほどではないのかな。
大野君は顔は適役だけどやっぱりアニメの三頭身からするとギャップがあるし
いかんせん、おじさんである僕が見るドラマではない。
が、そんなドラマでもキラリと光る役者が一人いた。
それはフランケン役のチェ・ホンマンである。
まずこの配役に誰しも納得
単に背が高いだけではなく、顔の大きさ、四角さ、
体の大きさ、いかつさなどが実にハマっている。
そしてセリフは原作同様「フンガー」しかないのであるが、チェホンマンはフランケンの人の良さみたいなのをちょっとした表情や体の動きで表現しているのである。
ぱっと見、「何もしていないように見える」
そんなフランケン役のチェホンマンであるが、実にいい味を出している。
フランケンを見るためなら、もう一度くらいこのドラマを見てもいい
そんなことを思った第一話であった。