>SMAPの稲垣吾郎(35)が、25日スタートの新CM「酒は大関 のものも篇」に登場する。38年前、故田宮二郎さんが、雨の中、小走りに駆けてくる女性に番傘を手渡し去っていく「酒は大関 春雨篇」のリバイバル。衣装や美術セット、カット割りやアングルを忠実に再現した。
>当時35歳だった田宮さんと同じ年の稲垣は「当時のCMを初めて見ましたが、すごく素晴らしい。日本人が持つ優しさや心意気が伝わってきた」と感動。「雨にぬれた女性がいればぼくも傘を差し出すと思います」と共通点をあげていた。
で、できあがったCMがこれ
田宮二郎バージョン
稲垣吾郎バージョン
正直言うと、僕は田宮二郎さんのことはよく知らない。
有名な俳優さんだったらしいが、やはりリアルタイムで見ていないし、昔の俳優さんは今ほどトーク番組に出ることもなかったので、なかなか素性がわかりづらかった。
一方、可哀想なのは稲垣吾郎である。
SMAPメンバーの中でも仕事が少ないこと、地味な存在であること
昔はクールでかっこいい役柄が多かったのに、最近はCMでも三枚目が多いこと(『ガルボチップス』や『麺職人』など)
そして、最近、スマップの他のメンバーがドラマや映画ではずしまくっていること
僕は悲しくなるのである。
なぜなら、基本、田宮二郎と同じことをやっているのに
吾郎ちゃんのは”コント”に見えてしまうのだ。
最後に、着物の襟を引っ張って走り去るシーンはもちろん、
その直前の真面目な顔ですら、僕にはコントに見えてしまう。
「吾郎ちゃん、そこで笑かしてどうすんの(笑)!」と突っ込んでしまう。
おそらく、五郎ちゃんはまじめなCMを作ったつもりだ。
昔の名作を、忠実に再現し、同じ世界観を描いたつもりだ。
が、僕にはスマスマのコントの一部に見えてしまう。
それはまるで、中井君や慎吾ちゃんの演技がすべてふざけているようにしか見えないのと同じように
今の吾郎ちゃんは何をやっても真面目に見えないのである。
この要因は「SMAP×SMAP」にあると思う。
あの番組は「アイドルでも、自分達だけでお笑いができるんだ!バラエティが作れるんだ!」ということを世に知らしめた歴史的な番組である。
それまで『8時だよ!全員集合』や『カックラキン大放送』などのゲストとしてアイドルがお笑いやコントに挑戦することはあったが、レギュラーとしてアイドルが自分のバラエティ番組を持つことはなかった。
その後、ジャニーズのグループはそれぞれ自分達の番組を持つようになったのを見ても、SMAPの成功がもたらした功績は大きい。
一方で、その代償も同じくらい大きかった。
ドラマに出ても、映画に出ても、歌番組に出ても、何か違和感をもたれてしまうようになった。
「お笑いのくせに」という侮蔑が常につきまとうようになった。
10年くらい前まではSMAPは「バラエティ班」(中居、香取、草なぎ)と「ドラマ班(木村、稲垣)」に分かれていたらしい。
現在は、むしろバラエティ班だった3人のほうが、映画やドラマに多数出演している。
が、その多くが酷評されてしまい、新作が発表されるたびに「またジャニタレかよ・・・」という批判を浴びるようになった。
つまり、ドラマや映画の中でも彼らは「バラエティ色」が抜けなかったのである。
木村拓哉が一人、強烈なカリスマ性と自己演出力で、自身のイメージを保っているが、
『大関』の吾郎ちゃんを見たとき、不安は確信に変わった。
吾郎ちゃん、あんたも立派なバラエティ班だよ。