俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

「アリエッティ」VS「怪盗グルー」

シルバーウィークに韓国へ行ってきた。

これは韓国にいる彼女に会いに行くためなのだが、HISの「航空機指定なし」で、一番安いチケットを予約したら、とんでもない時間の飛行機になってしまった。

出発は9月23日(木・祝日)

アシアナ航空 21時半出発ー23時50分ソウル着

まさか夜中の0時にソウルに到着するとは思わなかったよ。

そもそもこんな時間に出発するなら前日の仕事終わりでも良かったのに・・・


しかも帰りは朝の5時半出発なので、前日の夜から空港泊

丸ニ日無駄にした感じ。

飛行機代をケチるとこうなるんだな・・・

イメージ 1


ということで、滞在時間が極端に削られた中、僕は韓国で映画を2本も見てしまった。

僕は普段、日本で映画はほとんど見ないのだが、彼女は大の映画好き

さらに彼女が昼間会社に行っている間は僕は放っておかれるので、映画でも見ないと時間がつぶせないのだ。

というわけで見た映画が

『スーパーバッド(韓題)』

というアメリカ映画と、

『借り暮らしのアリエッティ

という日本映画。

韓国まで行って、なんでこんな映画観てるんだろう・・・。



『スーパーバッド(韓題)』は彼女が観たがっていた映画である。

日本では10月29日(金)公開で、邦題は『怪盗グルーの月泥棒』というそうな。

(ちなみに原題は”DESPICABLE ME”=卑劣な奴)


彼女は二人で映画を観るために張り切って”カップルシート”なるものを予約していた。

生まれて初めてカップルシートというものに座れると聞いて、ちょっとウキウキしていたのだが、なんてことはない、ただ二人の座席の間の肘掛けが上に上がるだけ。

「そんなの他のシートも一緒だろう?」と思って、前の座席の肘掛けを上げようとしたが、そこはしっかり固定されていた。

まあ、位置的にはスクリーンの正面、やや後ろ側で見やすいからいいやと思っていたら、同じ列の右隣には男の友だち同士、左隣には女の子の友だち同士、しかも前列は小学生の団体がギャーギャーと騒ぎながら座りだし、全くカップルのムードは醸し出せないのであった。

ま、子供映画だから仕方がないが・・・。

さて、肝心の映画であるが、当然日本語字幕はないので韓国語字幕。

僕はなんとか英語の台詞を聞き取るしかなかったのだが、それでもアメリカ映画のいいところはストーリーが単純でわかりやすいところ。

主人公のグルーの職業は泥棒。

卑劣で性格も悪い。

子供を泣かせたり、武器で人を凍らせたり、ピラミッドを盗んだり・・・・

そんな彼が、ひょんなことから孤児の三姉妹を預かることになった。

子供嫌いな彼は姉妹をかわいがるはずもなく、あれをするな、これをするなと言って聞かせるのだが、遊び盛りの姉妹は全く言うことを聞かない。

が、三姉妹が彼を父親のように慕い、甘えてくるようになると、彼の心にも変化が現れ、次第に父性のようなものが芽生えてくるのであった・・・・


イメージ 2


いいね。

悪い人がだんだん良い人になる。

実にシンプル。

頑固な父親が突然できた娘に翻弄され、次第に娘に愛情を抱くようになり、そのかわいさにほだされる、とかね。

僕なども主人公と同じくらいの年齢だしね、三姉妹くらいの娘がいてもおかしくないからね、やっぱりぐっとくるね。

「ああ、娘ほしいな~」

「娘に絵本を読んで聞かせる父親になりたいな~」

なんて純粋に思ったな。


最後に正義が勝つ

そしてハッピーエンド、なんてのも基本中の基本だよ。


だから「ドリームワークス」や「ピクサー」「ディズニー」の映画は子供に見せたいし、はずれがないんだよ。(この映画はユニバーサルスタジオ。)

映画を観るのに難しいテーマなんていらない。

少なくとも僕はリラックスするため、ハッピーになるために映画を観たいんだよ。

だからこそ『スーパーバッド/ 怪盗グルーの月泥棒』

おすすめです。

イメージ 3


一方の『借り暮らしのアリエッティ

これがもう・・・・・・ なんとも・・・・・・



彼女はすでにこの映画を観ていて、彼女の感想は

「何が言いたいのかわからない・・・」

ちなみに彼女の上司(女性)もこの映画を観ていて、お昼ご飯をごちそうになったときに言っていたのが

ジブリ映画史上、一番つまらない・・・」

とのこと。

観る前から期待させてくれるぜ!


確かに日本でも『崖の上のポニョ』の時みたいな大騒ぎはなかったし、「大ヒット!」みたいな声は聞こえてこない。

で、まあ実際に観た僕の感想は、

ジブリ映画にしてはスケールが小さく、シンプルで・・・・・・・・・悪くはない。」という感じ。

が、やはり色々いいたいことはある。

以下はネタバレなのでまだ映画を観ていない人は読まないでね。


この映画の最大の弱点は「キャラクターに魅力がないこと」だ。

そして変に”リアリティ”というか、”変化”をつけてしまったため、素直に楽しめないことだ。


例えば主人公のアリエッティ

こいつがあまりにもバカ

「人間に正体が見つかってはいけない」と何度も言われているのに、自分からどんどん人間に関わっていく。

で、「おっちょこちょいだけど活発で元気で、好奇心旺盛な女の子」を描きたいのかと思いきや、そうでもなく

人間に見つかってひどく落ち込んだり、「人間のせいで私たちは追いやられるんだ!」と憤ったり・・・・

なんか・・・・よくわかんないけど、「なんなのこいつ?」という感じで全く愛着がわかないのである。


次にもう一人の主人公の少年

こいつがまた身勝手で残酷で無機質

良かれと思ってアリエッティ家族の家を壊しちゃうし(それで豪華なドールハウスを押し込む)、

「君たち(小人)は滅びゆく運命なんだよ」なんてさらりと言っちゃうし、

そもそも小人を見てもリアクション・ゼロだし・・・


見た目は薄幸の美少年だが、これまたなんとも魅力もない少年なのである。


さらにムカつくのはアリエッティの母親

これがまた実に役に立たないのである。

いやまあ、びっくりするぐらい役に立たないのである。

なんか、小人なんだからすばしっこいとか、隠れるのがうまいとか、特殊な能力を期待するものだが、

この母親、なんにもできないのである。

せめて娘を励ますとか、陰ながら支えるみたいなことができないのかと思ったら、本当にできないのである。

で、足を引っ張りまくるのである。


唯一魅力的だったのが、寡黙で頼りになるお父さんと、アリエッティ達を捕まえようとする(悪役の)使用人のおばさん(実に憎々しげなキャラ)だが、さすがにこれだけで映画を支えることは難しい。


少年と小人の少女の交流を描きたいのなら、もっとシンプルで良かったのに・・・。

なんでジブリは変なテーマだったり、余計な個性を付加しようとするのか?

それがジブリだと言われればそれまでだが、

映画を見ていた韓国の子供達も「つまんな~い」という感じ

同じテーマでディズニーがこのアニメを作ったら

ふつうに楽しめる映画になったと思う。

残念。


ちなみに、悪役のおばさんがアリエッティのことを「泥棒小人」と呼んでいたが、

確かに「借り暮らし」じゃないよな

盗んでるし・・・・

イメージ 4


ちなみに僕は韓国語の勉強のために、韓国ドラマや韓国映画をもっと見なければならないのだが

正直、韓国へ行ってもホテルでバラエティ番組ばかり見ていた。

韓国のバラエティ番組、けっこうおもしろい。

特に日曜日にKBSという放送局でやってる『ハッピーサンデー』はいい!


その中に「男の資格~死ぬ前にやるべき101か条」というコーナーがあって、

年齢も性格もバラバラな7人の芸人たちがいろいろなことにチャレンジするのだが、

たまたま2010年8月~9月にやってたコーラスに挑戦する企画を見て、不覚にも泣いてしまった。


なんか昔やってた、ウリナリの「芸能人社交ダンス部」を思い出させたな。

丸三ヶ月、韓国の超有名なミュージカル監督のもと、お笑い芸人、素人、アナウンサー、AD、アイドル歌手らが集まり、合唱の大特訓

何度やっても振り付けが覚えられないおじさん芸人達

仕事の合間を縫って合唱の練習に励むADや芸人

最初は楽譜も読めず、声も出なかった素人たちがだんだんと声が合わさるようになり、

次第に友情が芽生えてくる。

そして本番での拍手喝采

みんな最後には大泣きで、僕もつられて泣いてしまった・・・。

彼女曰く

「この番組に出ている人は、誰一人、他人の悪口を言わない。だから好き!」とのこと。


「Sky Perfect TV」に契約してる人は見られるそうですよ。

10月3日と10月10日に再放送をするので、観られる方はぜひ・・・・・Youtubeに全編アップして・・・


イメージ 5

                          この7人がいろいろなことにチャレンジします


なんか、はまりそうっす。