俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

訪韓日記(12月27日)「ソウルの冬は寒かった・・・」

僕は神奈川生まれなもので、あまり寒さには強くない。

沖縄県人ほどではないが、それでもやはり、それほど雪の降る県でもないので、寒さには滅法弱いのだ。


仕事で3年ほどマレーシアに住んでいたことがあったが、常夏のマレーシアは天国だった。

当時、赴任していた仲間は「季節感がない!」「日本の冬が恋しい!」などと言っていたが、僕は3年の間、一度もそんなことを思ったことはない。

1年365日夏、というのは一種のパラダイスだと思ったし、

「常夏は天国すぎて時間の感覚がおかしくなる。時間が過ぎるのがあっと言う間だ!!」とも思った。

浦島太郎が時間を忘れるというのは、常夏に連れて行かれたのではないか、と思ったほどだ。



かように夏好きの僕は、冬が大嫌い。

「夏と冬とどちらが好き?」と聞かれたら即答で「夏」と答える自信がある。

だから、あんなに会いたかった彼女に

「韓国はすごく寒いよ」と言われたとき、即座に「い、行きたくねぇ・・・・」と思ってしまった。

冬のソウルは-5~15度。

体感温度はさらに10度ほど低くなるという。

僕は生まれてこのかた気温が-というのを経験したことがない。

東京の冬は寒いといっても気温がマイナスになることはない。

だから、想像がつかないのだ。

「北海道も同じようなもんでしょう?」と言われたって、北海道、行ったことないし・・・。



僕はおなじみ「ユニクロ」で「防風ズボン」、「ヒートテックの長袖とタイツ」を2枚ずつ、同じく「ヒートテックの靴下」を2枚持ってソウルへと向かった。

正直、ヒートテックのシャツは着るかもしれないが、タイツや防風ズボンは使わないかもしれないな。

特に防風のズボンはスキーをするようなズボンだし、ちょっと大げさだ。

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が、防風ズボン、大活躍。

マジ暖ったけぇ~~

さらに、彼女のお母さんが、「あんたのそのコートじゃ風邪を引く。これを着ろ!」と、彼女の弟が昔買ったカーキ色の分厚いコートを買してくれた。

カーキ色の防風ズボンとコートを着ると、迷彩が入っていない軍隊服みたいだが、たしかに暖かい。

さらに彼女が編んでくれたマフラーは着物の帯のような堅さがあり、首から口元をまさに壁のようにすっぽり覆ってくれ、暖かいのである。

白とピンクという色が、カーキ色と全く合っていないのが難点だが、彼女曰く「遠くからでもわかりやすくていい」とのこと。

まあ、寒いよりいいや。旅の恥はかき捨て。


だって12月のソウルは本当に寒い。

空はきれいに晴れているのに、気温はマイナスで雪が降ったりしている。

雪見るのも2年ぶりくらいなんですけど・・・。


また、意外に青空が見えるようないい天気も多かったのだが、それでも気温がマイナスなのだ。

東京なんて、どんよりした天気でも5~10度はあるってのに。

さらに夜になるともっときつい。


まず指先が痛くなり、足の指の感覚がなくなる。

さらに太ももの前面が寒さで強烈に痛くなる。

気づくと耳も一瞬熱くなったかのような錯覚に襲われるくらい麻痺してしまい、

しまいにはまつ毛が凍りかけて痛くなる。

雪国育ちの人にとっては当たり前なのかもしれないが、慣れない僕にはソウルの冬は本当にキツイ。


一方で、建物の中が実に快適なのだ。

カフェなどは暖房を強烈にかけた”嫌な暖かさ”ではなく、実に自然な、まろやかな暖かさ。

ホテルは”温床(オンドル)と呼ばれる床暖房で、タイルなのに温かい。

むしろ、暑くて寝るとき布団がかけれないくらいだ。

韓国の人に限らず、北国の人は「東京は地元より寒い!」というのをよく聞くのだが、それがよくわかった。

東京はエアコンをつけていても部屋の上空が寒かったり、キッチンやトイレ、お風呂が寒かったり、窓側が寒かったりして、温度にムラがあるが、

寒い国は建物の中なら、どこへ行っても実に暖かく、快適なのだ。



ちなみにソウルは集中暖房(もちろん床暖房)が多く、エアコンも冷房のみ、というところが多いらしい。

だから、明け方「ちょっと寒くなったな~」と思っても暖房はつかず、ホテル側が集中システムでつけてくれるのを待つしかない。

慣れない人にとっては温度調節の難しい国なのでした。

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