A「兄貴!大変です!」
B「どうした?何があったんだ!」
A「また、総選挙です!」
B「なに?とうとう菅政権も倒壊か。意外にもったな・・・。さて、民主党は与党を維持できるかどうか・・・」
A「兄貴!なにトンチンカンなこと言ってるんですか!AKBっすよ、AKB!」
B「AKB?」
A「AKB48の年に1回の大イベントっす。次のシングルの選抜メンバーを決める総選挙っすよ!」
B「お、おお・・・、あれね?」
A「ま、まさか、兄貴、知らないんじゃ・・・」
B「バカヤロー!俺をそこらの世間知らずと一緒にするな!AKBだろ?アキバだろ?」
A「そ、そうっすけど・・・。じゃあ、兄貴の推しメンは誰っすか?」
B「お、オシメ?そんな小さい子もいるのか?」
A「違いますよ。好きなメンバーっすよ。やっぱり兄貴知らないんじゃないっすか?」
B「ば、バカいうねえ!あれだよ、あの・・・・16番の子」
A「16番?前回の・・・っすか?」
B「ん?あの・・・・会員番号?」
A「AKBに会員番号ないっすけど・・・・」
B「あ、そう?あ、そうじゃないよ。あの・・・右から16番目の?」
A「・・・やっぱり兄貴、知らないんでしょ。遅れてるな~」
B「ば、バカヤロー!!AKBがなんだっつーの!どうせ一発屋だろ!」
A「いや、けっこう何発もヒット出してますけど・・・」
B「だ、だから!その、あれだ!もうあと数年もすれば消えるだろうが!」
A「ん~・・・それはわかりませんけど」
B「お前ね、周りがいいって騒ぐものにすぐ飛びつくのは悪い癖だよ」
A「ああ、確かに」
B「本当にいいものは10年たっても20年たっても残るもんなんだよ」
A「ああ、そうですね。」
B「AKBなんてそのうちモーニング娘みたいになっちゃうよ」
A「ああ、容易に予想がつきますね」
B「だからな、いちいち騒ぐんじゃないよ。振り回されるほうがバカなんだから。」
A「ふ~ん」
B「そんなものに時間と金を費やしてな、10年後なんにも残らないんだよ?お前がメンバーと結婚できるわけでもないし、きゃつらの歌で勇気がもらえるわけじゃない。」
A「それはちょっと・・・」
B「いや、ないね。AKBの歌が10年後も残るか?歌い継がれるか?」
A「う~ん・・・」
B「悪いこと言わないから、CDを何十枚も買うのはやめときな。時間と金の無駄だ。やつらはおまえのことなんて鼻くそにも思っていないよ」
A「そ、そんな~」
A「あ、兄貴!大変です!チャン・グンソクです!」
B「んあ?何それ?」
A「韓国のナンバーワンアイドルっす!」
B「韓流か・・・。」
A「彼は押さえておいた方がいいっす。間違いなくナンバー1っす。女性より美しいって評判っす」
B「・・・・・」
A「彼は覚えておいたほうがいいんじゃないですか?ドラマとCD、今からTSUTAYAで借りに行きましょう!」
B「まあまあ」
B「待て待て待て待て!」
A「なんすか?待てませんよ」
B「俺の話を聞いてなかったのか?流されるなってんだよ!」
A「だって、彼は間違いないでしょう?10年後もスターですよ!」
B「お前ねえ、考えてもみねえ!韓国には兵役ってもんがあるだろうに」
A「いや、それぐらい僕も知ってますよ。でもそれぐらい・・・」
B「チャン・グンソクが2年間兵役に行っている間に、また新しいスターが出るだろうが」
A「あっ・・・まあ、確かに・・・」
B「女なんか移り気なもんなんだよ。新しいスターが出たらすぐそっちに飛びつくんだから」
A「う~む・・・確かに・・・」
B「そんなのにいちいち反応してたらお前の尊い時間が無駄になるじゃねーか!」
A「あ、兄貴・・・」
B「韓流スターを全部さらってたらな、お前の貴重な財産が減り、食卓のおかずが減り、週に2本借りるAVが1本に減るんだぞ。やめとけ、やめとけ」
A「それは重いっすね」
B「悪いこと言わねえ。韓流アイドルはブームが過ぎるまで我慢しな」
A「へ、へい・・・」
A「ま、マルモ!」
B「誰だよそれ?」
A「あ、違った。兄貴!芦田愛菜っす。今度は間違いないっす」
B「だから誰なんだよ」
B「まあまあ、落ち着け」
A「落ち着いていられないっす。『マルモのおきて』毎週見てるっす。『JIN』を予約してでも見るっす。」
B「それはお前の勝手だけどな、それより子役に惚れ込むってのはどうよ?」
A「あ、愛菜ちゃんをバカにしちゃいけませんよ。本当にかわいいんだから。あれは反則ですよ!」
B「別にバカにしちゃあいないけどね・・・。ところでお前が去年騒いでた大橋のぞみちゃんとやらはどうした?」
A「ん?え~と・・・・最近、あんまり見ませんね・・・・。だって、今、時代は完全に芦田愛菜ちゃんっすから!」
B「子役って切ないよな~。1年であっと言う間に身長が伸びちゃって」
A「え?で、でも愛菜ちゃんなら・・・」
B「悲しいよな~・・・うちの親戚にもいるのよ。今まで自分が一番下の子供だからかわいがられてたけど、妹が生まれたら親戚中の視線がすぐそっちのほうに移っちゃって、あっさり主役を奪われちゃうんだから・・・」
A「・・・・」
B「芦田愛菜ちゃんも何年か経って、新しい子役が出てきたらどうなるかな~・・・」
A「・・・・」
B「悪いことは言わねえ。子役はやめときな。お前の時間とお金と涎(よだれ)が無駄になる」
A「・・・・・へい(泣)」
A「兄貴!次こそは本物!もう若い女の子のカリスマ!」
B「なんだ?浜崎あゆみか?中島美かか?」
A「古い!古い!古い!古い!」
B「なんだよ・・・」
A「西野カナっすよ!」
B「西野カナ?」
A「そうっす!もう会いたくて会いたくて震えるっす!」
B「やめとけ・・・・」
A「なんでなんですかぁ!すごい人気なんですよ!」
B「お前ね、浜崎あゆみだってかつてはカリスマと呼ばれてたんだよ」
A「ええ、まあ、そうっすね」
B「今の浜崎あゆみを見てみ?」
A「・・・・・・そりゃあ・・・・・・・・・・痛いっす」
B「だろ?浜崎あゆみを聞いて育った30代の独身女を見てみ?」
A「・・・・・・目と心が猛烈に痛いっす」
B「やめとけ、やめとけ。お前の貴重な時間とお金とiPodが無駄になる」
A「でも浜崎あゆみは10年はもったじゃないですか。それにヒット曲も多いし、前人未踏の記録も・・・」
A「う~ん・・・・それは無理かも」
A「それは・・・そうっすね・・・」
A「兄貴!これはもう、世界一っす。間違いないっす。」
B「ほお~・・・大きく出たねえ~」
A「そりゃそうっすよ。なんたって、世界一影響力のあるセレブですよ。アルバムの総出荷数も日本の歌手とは比べものになりませんし、twitterのフォロワーも世界一っすよ。」
B「なんかよくわからないカタカナを並べやがって。だれなんだよ!それ?」
A「レディ・・・」
B「やめとけ!」
A「なんでなんですか!」
B「そいつは俺も知ってる。やめとけ!」
A「知ってるならなんで!?アルバム買いましょうよ!動画も見ましょうよ!コンサートも行きましょうよ」
B「だって、音楽がすんなり耳に入ってこないんだもの」
A「う~ん、まあ、確かに衣装やら演出やらも過剰気味ですけど・・・」
B「乳ばっかり目が行っちゃって・・・」
A「そんなの兄貴だけですよ」
B「なんかイロモノっぽくて・・・。」
A「あ~、兄貴!ガガは単なるキワモノじゃないっすよ。確かな音楽性に裏付けされた・・・」
B「レディ・ガガが10年後まで残るか?」
A「う~ん・・・ガガなら・・・マドンナみたいになれるかも?」
B「おまえ、マドンナの曲、知ってるの?」
A「・・・・・『ライク・ア・ヴァージン』とか?」
B「な?たいていの人はその曲しか知らないんだから。俺からみたらマドンナなんて一発屋よ!」
A「・・・本当のファンに怒られますよ。すごいじゃないですか。アメリカで何十年も現役で活躍できるなんて・・・」
A「べ、別に俺はそういう目で見てないっすよ!」
B「じゃあ、お前はレディガガがふつうの格好で出てきたらファンになるのかよ?」
A「そ、それは・・・」
B「な?やめとけやめとけ。時間と金とティッシュの無駄だ。」
A「・・・・・・・」
B「な?今、流行ってるもんなんて、いつかは消えるんだから。いちいち飛びついてたらきりがね~よ」
A「・・・・・・・・・・・・」
B「おごれるものも久しからず。そんなものに振り回されるなんて人間が小さい小さい」
A「・・・・じゃあ、兄貴は好きな歌手と俳優はいないんすか?」
B「ん?俺か?俺はAMEMIYAの『冷やし中華始めました』かな?」
A「・・・・兄貴・・・・小せえっす・・・・・それじゃあ友達できねぇっす・・・・・・・」