俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

引き際

AKB48前田敦子がAKBからの卒業を発表したそうである。

おそらく今週はこの話題で持ちきりになるだろう。

今日も「AKB史上最大のサプライズ!」とか「前田敦子抜きで総選挙を戦うAKB」なんて言葉がワイドショーで踊っているが、その響きが「レディーガガが被災地をサプライズ訪問!」とか「澤穂稀抜きでオリンピックを戦わなければならない なでしこJAPAN」とかと同じ響きで語られているような気がして違和感を感じる。

別に日本国民全体にとっての重大なニュースというわけではないのに・・・。

ま、そんなこといってもきっとテレビやネットはこの話題一色になるはず。

「本人の意思とは言っているが、やはり秋元の指示なのでは?」「ソロで大丈夫なのか?歌も芝居もトークもまるでだめなのに・・・」などなど。

しばらくは嵐が収まるのを待つしかない。

いいタイミングで中島知子と同居してた元占い師もテレビに姿を現してきたところだし、

これで中島知子本人が出てきたらさらにAKBの話題をさらっていくはず。

ワイドショーってのは下衆な話題のほうが盛り上がるからね・・・

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で、前田敦子のAKB卒業が発表された今だからこそ振り返っておきたいのが

”大橋のぞみの芸能界引退”だ。


正直、前田敦子うんぬんよりも、もっと取り上げられてよかったし、その決断は称賛されていても良かった。

崖の上のポニョ」の主題歌を歌って一躍トップスター子役へと登りあがった大橋のぞみちゃん。

その後、ドラマ、CM、歌、バラエティと引っ張りだこで、

子ども店長・加藤清史郎や芦田愛菜が出てくる前までは、本当にテレビによく出ていた。

テレビのCMはのぞみちゃんばっかりだったし(当時、CM契約数11社で女性タレント2位)

なぜか歌もよく歌わされていた。そして紅白歌合戦にも出場。

名曲「コンソメパンチ」や「野菜炒め」の歌などは今も僕の耳にこびりついている。


そういえば僕は以前、こんなことを書いた(↓)

http://blogs.yahoo.co.jp/yamazy3000/27040362.html
(「シンガー・大橋のぞみ」)

>で、大橋のぞみである。

>妙に耳に残る

>歌っている歌のせいなのか、大橋のぞみの声のせいなのかわからないが

>大橋のぞみの歌は視聴者の記憶に、こっそりとインパクトを与える

>これが心憎い!

>あまりに見え透いた、狙いすぎた意図は、逆に受け入れにくいものだ

>が、大橋のぞみは「すっ」と視聴者の中に入ってくる。

>「すっ」と入れられてしまう。

>正直言って、大橋のぞみより見た目がかわいい小学生はいっぱいいる

>また、タレントとして子どもらしく愛嬌を振りまける小学生タレントは他にもいるだろう

>大橋のぞみは、それほど存在感を感じさせない

>これがいけない。

>これで視聴者は油断してしまう。

>これで視聴者は警戒を解いてしまう。

>そして知らないうちに大橋のぞみの歌を口ずさんでしまう


が、先日『1分間の深イイ話』で最後のテレビ出演を果たした大橋のぞみのエピソードを聞いて、僕の感覚が間違っていなかったことがわかった。

そのエピソードとは以下のとおりである。

崖の上のポニョ」という歌は”子供でも簡単に口ずさめること”をコンセプトに作られた。

で、本当に子供でも簡単に口ずさめるかどうかを確かめるために子役事務所に所属していた大橋のぞみに仮歌をしてもらったのだ。

音程も崩れ、舌足らずに「ぽおにょ、ぽにょぽにょ」と歌う大橋のぞみの歌を聞いて

宮崎駿は「この子でいいじゃないか!」と即断で決めたらしい。


つまり、”あまりにも歌が下手だった”からこそ、大橋のぞみは選ばれたのだ。

コンソメパンチのCMソングが流れた直後、ネット上でも「大橋のぞみ歌下手すぎwww」みたいなコメントをしていた輩がいたが

そいつも大人の作戦と大橋のぞみの魅力にまんまと引っかかった同志である。

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で、その大橋のぞみが芸能界を引退。

世間は「ま、最近は子役といえば芦田愛菜ちゃんや鈴木福君ばっかりで、のぞみちゃんは出番が減ってたからね」なんてしたり顔で言う。

しかし来年から中学生になるのぞみちゃんは子役としてではなく、普通に中学生役・女子高生役としてドラマや映画に出られるチャンスはいくらでもあった。

また、そんなにテレビに出られなくても、とりあえず芸能事務所に所属してVシネマとか、ドラマのちょい役として出続けることはできたはずである。

細々と続けて行けば、また女優としてタレントしてテレビに出られるチャンスもあったかもしれないし、

大学にも一芸で入れたかもしれない。

高校や大学へ行きながら芸能活動をしている人はたくさんいる。

そもそも芸能人なんて、なりたくてもなかなかなれないものなのに・・・・。


が、のぞみちゃんはその地位をいとも簡単に捨てたのである。

芸能活動は一切やめ、普通の中学生として学業に専念することを選んだのである。

なんとも潔いではないか!

将来「アナウンサーになりたい」とか「声優になりたい」とかトンチンカンな夢があるわけでもなく

普通に勉強し、普通にクラブ活動をすることを選んだのである。

それが親の指示であれ、のぞみちゃん本人の意思であれ、

芸能界引退でこれほど後味のいい幕引きも珍しい。

素直に「勉強、がんばってね」と応援したくなる、実にすがすがしい幕引きである。


もちろん、「これまで芸能活動ばかりして、勉強もしなかったし、社会常識もない。だから他の仕事をしようにもできない」という売れなくなった芸能人もたくさんいる。

が、まだ20やそこらならいくらでも”人生のやりなおし”はできるし、最後にヘアヌード写真を撮って消えていくよりはずっといいと思うけどな~


どうです?前田さん?

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                    今、思うと納得の写真集?