助手「博士、今、世間ではぽっちゃりブームらしいですよ」
博士「ぽっちゃりブーム?」
助手「つまり、少しふくよかなくらい女性がモテるんだそうです」
博士「へえ、女性だけ?伊集院光とかは?」
助手「女性だけみたいです。」
博士「あら、不公平ね」
博士「みんな芸人じゃない。」
助手「そうですね。でも女性としてかわいいらしいんだそうですよ」
博士「うそ~。ま、人気はあるだろうけど、あくまで芸人だからでしょう?」
助手「本当ですって!」
博士「そう?でも結局 ”丸くてかわいい”ってのは、”動物みたい”とか”ぬいぐるみみたい”ってことでしょう?」
助手「ええ、まあ」
博士「つまりは、やっぱり上から目線で見下してるだけなんじゃないの?」
助手「いえ!そんなことはありませんよ」
博士「そうかな?」
助手「だってアジアンの馬場園さんなんて、ファッション誌でモデルもやってるし、すごくおしゃれなんですよ」
博士「へ~。デブもファッションモデルになれる時代か・・・」
助手「博士!デブじゃありません!”ぽっちゃり”です!」
博士「どう違うの?」
助手「・・・100㎏以上がデブ。それ未満がぽっちゃり・・・」
博士「・・・とても都合のいい解釈ね」
助手「ありがとうございます。」
博士「褒めてないけどね。・・・・・・ということは、私は・・・」
助手「おめでとうございます」
博士「・・・ギリギリで”ぽっちゃり”なわけね。で、42キロのあなたは?」
博士「じゃあ、このブームが正しければあなたより私のほうがモテルと?」
助手「ま、そういうことは地球が裏返ってもないでしょうが、ま、先生にもチャンスがある、と」
博士「でもあたし、未だにモテたことないよ」
助手「これからですよ!あきらめないで、女を!」
博士「そこまであきらめてないけどね」
助手「とにかく、ぽっちゃりがブームなんですから、博士も恥ずかしがってないで、外に出たらどうですか?」
博士「別に恥ずかしくて内にこもっているわけじゃないけどね。研究が忙しいのよ」
助手「たまには外に出て運動しないと、太っちゃいますよ?」
博士「もう太ってるよ!というか、それがブームなんだろ?」
助手「いや、100キロ以上になるとデブの土俵入りですよ。あ、仲間入りですよ」
博士「99キロも100キロも変わらないと思うけど」
助手「そんなことありません!ポテトチップ16袋分ですよ!」
博士「・・・確かにでかいわね」
助手「だから博士もたまには外に出て、おしゃれをしましょうよ。私と一緒にお出かけでもどうですか?今度コンパがあるんですよ、お医者さんと!」
博士「・・・なんであんたと?」
助手「いや、一緒に歩いたほうが引き立つじゃないですか」
博士「どっちが?」
助手「・・・・いや、ほら、ブームですからね、やっぱり先生のほうが・・・」
博士「・・・だって、ぽっちゃりブームなんてマスコミが作ったまやかしでしょう?」
助手「そんなことありませんよ。もう世の女性はみんなぽっちゃりになりたがってますよ!」
博士「うそつけ!”ぽっちゃりが許容になった”って程度だろ?」
助手「いやいや、みんなぽっちゃりに憧れてます。渋谷のギャルもカバンにマスカラとマヨネーズは必需品って話だし」
博士「かばん重いわ!」
助手「だってこの前の春場所も盛り上がったじゃないですか!」
博士「力士はぽっちゃりじゃねーし!」
助手「いや、世の女性は把瑠都の白いぽっちゃりボディに萌え~ですよ」
博士「うそつけ!」
助手「それにぽっちゃりブームは海外にも波及してるんですよ」
博士「へ~・・・たとえば?」
博士「・・・もともと太ってる女性がモテる国だろ!」
助手「あ、それに今、ワイドショーを騒がせている中島知子だって」
博士「別にブームになってぽっちゃりしたわけじゃねぇっつーの!」
助手「あと、西洋美術でも、ビーナス像なんて大体ぽっちゃりですよ。」
博士「ローマ時代かい!平成の話をしてよ!」
助手「とにかく、世の中はぽっちゃりブームなんですよ。今に女性の2人に1人はぽっちゃりになりますよ!残りの3分の1はデブに、そのまた3分の2は糖尿ですよ」
博士「やばいじゃねーか!っつーか、そんなにぽっちゃりも増えねーし」
助手「いやいや、もう周りみんなぽっちゃりになりますよ。女性専用車両なんて7人掛けのイスに4人しか座れませんよ」
博士「迷惑な話だな」
助手「カフェやレストランのレディースデーなんて赤字だし、エレベーターも3人が限度」
博士「なんとも嫌なブームだな」
助手「98キロの女性首相が誕生して、各家庭に角砂糖とコンデンスミルクを配布!」
博士「いらんわ!」
助手「女性がみな丼で3杯おかわりをするから食糧不足、エアコンの設定は1年中16度にするから電力不足、大量のお菓子の袋でゴミ問題、過呼吸によるCO2の増加、大量の汗による悪臭、体重増による地盤沈下、デブ体温による地球温暖化・・・」
博士「最悪だわ・・・もはやブームと言うより、マヤの予言ね」
助手「ぽっちゃりにならないと食料にもありつけなくなりますよ。ね?だから先生も太って!」
博士「もう太ってんだよ!」
助手「なら自信を持って!お茶碗も持って!早く食べなきゃ痩せちゃう!」
博士「ところであんたは、ブームに乗ってぽっちゃりになろうとは思わないの?」
助手「はあ?」
博士「はあって、なんだよ!ブームなんだろうが!!」
助手「あ、あたしは世間が作ったブームに乗るのは嫌いなんで。ダイエット中だし!」
博士「いい加減にしろ!」