俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

博士ちゃんに教わる中森明菜

前回に引き続き『博士ちゃん』の話。

『サンドイッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』に思う - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

8月21日の放送は「博士ちゃんが衝撃を受けた昭和歌謡の歌姫ベスト20!」

これがものすごく良かったのである。

なんでも令和に入ってから「昭和歌謡ブーム」とか「80年代アイドルブーム」なんかがまた起こり、我々の青春時代の曲が若い人に再評価されているらしい。

それはそれで嬉しいような気もするし、なんなら「俺のほうが知ってるぜ?なんせ、その時代を生きていたしね」なんてちょっとマウントを取りたい気分になる。

でも”博士ちゃん”たちの説明を聞くと、自分がいかに何も知らなかったかを思い知らされるのである。

そして子供に昭和の知識で負けるのが悔しい反面、教えてもらうのがちょっと楽しかったりするのである。

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”昭和”が大好きな博士ちゃん達

 

僕は1973年生まれ。

3つ上の兄がいたので小学校3~4年くらいの時には歌謡曲を浴びるほど聞いていた。

ザ・ベストテン」「歌のトップテン」「夜のヒットスタジオ」はもちろん見てたし、ラジオもよく聴いていた。ラジオは音楽を聴く手段として一番良かった気がする(小川哲也さんのラジオだったかな?)。他にもドラマ、CMでも歌謡曲がバンバン使われ、街を歩けばコンビニでもスーパーでもレンタルビデオ屋でも自然に有線放送が耳に入った。

『月刊 明星』というアイドル雑誌の付録に「Young Song(ヤンソン)」という歌詞が載った本が入っていて、それを暗記するほど読んでいたな。

兄も「ザ・ベストテン」の順位を毎週ノートに付けていたし、僕もマネして11位から20位を記録していた時期があった。

だから「昭和の歌謡曲」とか「80年代アイドル」のことなら普通の人より詳しいつもりでいたし、ましてや令和の子どもに知識で負けるわけないと思っていた。

ちわきなおみ の 『喝采』 - 俺よ、男前たれ (hatenablog.com)

が、令和のマニアはすごいのである。

正直、僕の知らないことをたくさん知っているのである。

 

思えば、当時の小学生、中学生は「雑誌」「テレビ」「ラジオ」くらいしか情報源がなかった。テレビ・ラジオだって全部録画・録音していたわけではないし、見逃してしまえば見返す方法はなかった。兄はおニャン子クラブのファンクラブに入って会報などももらっていたようだが、今思えば誰が書いたかもわからないものだったな。雑誌の情報もまあ事務所や出版社に都合よく脚色されたものだったんだろうし、大げさな話、ゴシップしか載ってなかったのかもしれない。普通に人面犬の噂とか紅茶キノコの広告とか載ってた雑誌だもんな。

でも今は違う。アイドル自らSNSで発信するし、情報はネットでいくらでも手に入る。当時は明かさなかった事実、エピソードみたいなのも明かす人も出てきたし、調べれば情報はバンバン出てくる。

令和のマニアは最初からネットでそうした情報を収集し、Youtubeなどで昔の映像を視聴し、ネットオークションで当時のグッズなど手に入れるのである。

昭和のゴシップしか知らないおじさんが知識で勝てないのは当然なのである。

ちょっと悔しい。そして令和の子どもがうらやましい。おじさんが勝てるものがまた一つなくなった感じ・・・。

 

でも、やはり当時夢中になっていた人たちのエピソードを新しく知ることは嬉しいことだ。

特にピンクレディーの『サウスポー』には歌詞もリズムも全く違う原曲があったが、オリコン連続1位記録を継続するために書きなおしが命じられ24時間で完成させた曲だった、という話とか

中森明菜さんが『TATOO』という曲を聴いて衣装や振り付けをイメージした結果、当時絶対に履かなかったミニスカートが曲のイメージに必要と判断し、減量してまでボディコンのミニを身に着けたというエピソードとかは感心したな。

博士ちゃん、教えてくれてありがとう。

やはり明菜さんはすごかったんだな。本当のプロ。

昔、松田優作が瘦せこけた役を演じるために10キロ減量した上で奥歯4本を抜いたという逸話があるけど、中森明菜さんの当時のウエストを観たときに同じようなプロ根性を観たな。

【HD画質】中森明菜 TATTOO(1988年5月18日) - YouTube

 

さらに太田裕美さんの『木綿のハンカチーフ』について一人の博士ちゃんが「男性パートでは”ヨナ抜き音階”が使われ、女性パートでは”ヨナ有り音階”が使われている」と分析し、得意のエレクトーンで解説・実演をしたのだが、プロのバイオリニスト・葉加瀬太郎さんもこの説明には感心しまくり、実際に原曲を聞いてその”ヨナ抜き音階”の効果に気づいて「大したもんだわ」と感嘆していた。

あの葉加瀬太郎さんが博士ちゃんの解説に感心するのである。

素人の僕が知らない、気づかなくても恥ずかしいことなんて何もない。

今の子どもはすごいのである。

だから僕はもう子供に偉ぶるのはほどほどにしようと思う。

そんで素直に教えを乞えるような素直なおじさんになろうと思う。

サンドウィッチマンみたいなおじさんになろうと思う。

 

その前に、今夜はYoutube中森明菜を見まくろう。

1984年1月 夜ヒット 中森明菜特集 - YouTube

今頃、明菜様はどこでどんな夜を過ごしているのだろうか・・・

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