祖父が逝ってしまった。
享年97
最後は病気にかかってしまったが、それでも長く苦しむこともなく、安らかに逝ったと言っていいだろう。
十分長生きもしたし、やっと祖母の元へ行けるのだと考えれば、送る方としては気持ちが楽だった。
さて、僕のじいちゃんについて何も知らない方は、まず下の記事を読んでほしい。
で、僕は人生で2回目の葬式に出席することになった。
今回、母方の祖父が亡くなったのであるが、9年前に亡くなった祖母の時は僕はマレーシアにいたため、葬儀に出ることはできなかった。
僕が葬儀に出たのはさらに遡って大学生の時
父方の祖母の葬儀だ。
あの時はとにかく正座で足がしびれた記憶しかない。
周りがどれぐらい悲しんだが、参列者がどのくらいいたか、香典がいくら集まったか、全く覚えていない。
とにかく足が痛かった・・・
しびれて立ち上がれず、兄にからかわれ、弟に足をシバかれ泣いたモノだった・・・。
あの日以来、「できれば葬儀には出たくないな~」とずっと思っていた。
が、最近は足がしびれないように、正座を助ける携帯用のイスなんてものも発売されている。
僕は近所のデパートで998円の携帯イスを購入し、意気揚々と地元へと帰った。
実家に帰ると、親戚一同がほぼ勢ぞろいしていた。
10年前、祖父にガンが見つかったときには号泣していた母も、さすがに今回は落ち着いていた。
まあ、ガンをいつの間にか(?)自然に直してしまい、その後10年も世話をさせられる羽目になり、
叔父たちとの姉弟関係もギクシャクしてきたところでの祖父の死は
不謹慎ではあるが「やっと肩の荷が降りた」出来事だったのだろう。
本当にびっくりするぐらい、母はショックの様子を見せなかった。
祖父は自分の家に横たわっていた。
祖父は晩年、平日はデイケアセンター、週末は我が家で暮らす生活を送っていた。
祖父が建てた家は、叔父夫婦が住んでいた。
祖父が亡くなったとき、叔父は祖父の遺体を病院に置くか、自宅に戻すか迷ったそうだ。
が、祖父の死を聞いてかけつけてきた叔父さんの娘さん(僕も小さい頃、よく遊んだ従姉妹)の一声で、自宅に戻ることになった。
「この家はお爺ちゃんが建てた家。最後はこの家に戻してあげたい」
祖父のことを誰よりも慕っていた孫娘の鶴の一声であった。
13時 葬儀屋が到着
祖父の体を拭き、白い旅装束を着せる。
僕も白い足袋を履かせ、草履をはかせる大役を仰せつかったのであるが、死後硬直したじいちゃんの足は驚くほど重く、足の指少しも開かず、なかなか足袋を通させなかった。
そういえば、僕は仏さんに触るのも始めてだ。
その後、棺桶に入れ、思い出の品を入れていく。
葬儀の仕方には様々な方法があるので、映画『おくりびと』のようにビシっとはいかないのだが、それでも細かい作法がいろいろあって難しい。
一つ一つを「なかなかできない経験だな、これは・・・」と思いながら祖父の入った棺を車に運んだ。
これから斎場で通夜があるのだ。
祖父は7人兄弟
なんと今年の1月まで姉が生きていたそうな。享年99
とんでもない長生き姉弟だったようで、祖父の弟が89歳で亡くなったときなどは、残りの兄弟みんなで「なんでこんなに早く・・・」と嘆いたそうな。
さらに父は長く老人会の会長をしていたりもしたので、以外に弔問客は多い。
僕はここでも受付の大役を任されてしまった。
本当なら通夜の一部始終をいろいろ見たかったのだが。
僕の隣にはもう一人の受付のおじさんがいた。
なんでも叔父の幼なじみで、今年市会議員に立候補するそうな。
そういえば、60近いというのに妙に腰が低く、僕に対しても低姿勢だった。
選挙運動なのか?
その後1時間半ほどお経やら、お焼香やらをしていたようである。
僕は受付と言うことで正座をする必要もなかったのだが、それを抜きにしても、最近では畳の部屋で正座というスタイルは少なくなっているそうな。
チッ!998円損したな。
Yahoo!オークションに未使用品として出品するかなとも思ったが、おそらく投票券抜きのAKBのCD並に値がつかないだろうからあきらめた。
最後に僕もお焼香をしたのだが、目の前にはじいちゃんの躯、見上げれば祭壇にじいちゃんの遺影
いったいどちらに手を合わせればいいんだろう?
目の前でポクポク木魚を叩いている坊さんに聞いてみたいものだが、怒られそうなので辞めた。
それにしても、こんなにたくさんの人に見送られてじいちゃんも幸せだ。
7時 通夜振る舞いとしてたらふく寿司を食べてうちに帰る。
で、今、実家に戻って布団に入ったのだが・・・
なんで僕の寝床がじいちゃんが使ってたベッドなわけ??
弟夫婦が居間に布団を敷いて寝るからって
死にたてほやほやのじいちゃんが使ってたベッドで寝るなんて・・・・
故人を偲ぶにはこれ以上ないVIP席なんだろうけど・・・・さすがにさ・・・・
両親よ
俺が夜中に急に不気味な歌を歌いだしても放っておいてくれ
きっとじいちゃんが降りてきただけだから