SかMかと聞かれれば、僕は基本Sである。
サディスティックである。
「ああ、いいわ!そこそこ!もっと!」と言われるよりは
「アン!だめ!激しすぎて壊れちゃう!」と言われた方が興奮する。
ただし、嫁をムチで叩いたり、ろうそくを垂らしたりして楽しむ趣味はなく、
普段はごくごくソフトに嫁をからかって楽しむ程度である。
嫁はくすぐったがり屋なものだから、くすぐられるのをことのほかいやがる。
だからこそ僕はよく嫁のくすぐったい場所を攻める。
嫁がテレビやパソコンに夢中になっていると、いつのまにか忍び寄り、嫁の体に僕の手が伸びるのだ。
が、いきなり直接、局部や胸に手をやってしまえば手をパシン!と叩かれて拒絶されてしまう。
だからここでは段階を踏む
嫁が横になってテレビを見ていると、僕はさりげなく近くに根転がったりしてみる。
で、まず背中や腕など、無難なところをさすってみる。
嫁はこれくらいは特に気にせずテレビを見続ける。
次に、わき腹をさすってみる。
すると嫁はくすぐったいものだから、ここで僕の手首をがしっと掴み、「警告」を与える。
手を放してもらったら、また背中や腕などをさすって、しばらく安心感を与え、警戒心をとかせる。
僕はおそるおそる横になっている妻の太ももの外側あたりを触ってみる。
意外にOKなことが少なくない。
で、こんどは内モモを触ってみる。
これもクリア。
そうしたらその手をだんだん上に滑らせていけば股間にヒットなのだが、当然妻は太ももを堅く閉じて侵入を防ぐ。
妻の視線はテレビに釘付けだ。
いちいち大げさに僕の相手はしてくれない。
「面倒な蝿だ」
ぐらいに思っているのかもしれない。
妻は堅く閉じた太ももで僕の手のひらを締め付ける。
妻の太ももの肉で圧迫された手のひらは前進も後退もすることを許されず、ネズミ捕りにひっっかったねずみのようにもがくしかない。
次第には血液が回らなくなって、手が白くなってくるので、僕は仕方なく奥の手として反対の手で「浣腸」を敢行することになるのだが、妻はここでムキになって怒る。
自分で締め付けておいたくせに・・・・
妻はプリプリ怒りながら、次はパソコンに向かう。
画面に釘付けになっているので、僕はまた性懲りもなく近づいて近くに寝そべる。
で、腰のあたりをさすってみるのだが、これは問題ない。
妻はまったく気にする様子もない。
今度は体育座りをしている妻の裏ももを、触れるか触れないかくらいのギリギリの距離を保ちつつ、上下にさすってみる。
それこそ、モモ裏の産毛をさするような感じ。
すると妻は画面を見ながら「あ~~~~~~もうっ!」と唸り始める。
成功だ。我々の作戦が効をそうしている。
次に僕は車の修理をするように、体育座りしている妻の膝裏に潜り込み、モモ裏にほおずりをする。
ここで嫁はキレ、容赦なくギロチンドロップが敢行される。
このまま息を止められてはたまったものではないので、僕は指先を嫁のわきの下に差し込むと、今度は妻が後退する。
「ちょっとやめてよ!」と初めてたじろいだ嫁に対し、ここぞとばかりにラッシュをかける。
ふふふ。これで今日の勝負は一勝一敗だ。
が、夕食後、風呂に入り、すっかり油断してテレビの前に横になったのが悪夢の始まりだった。
嫁は(おそらく)後方でにやりと笑い、そして間髪入れず僕の尻の穴にその中指と薬指を突き立てたのである。
「はぅあ!!」
僕は瞬発的に尻の筋肉を堅く閉め、エビ反りになり、足を指先までピンっと伸ばす。
僕「き、貴様、なにをする!」
嫁「ふふふ、ここで会ったが49日!」
僕「後ろからとは卑怯なり!ぐぁ!」
嫁「あんたにいつもやられているのを、やり返しただけよ」
僕「や、やめろ・・・本当にやめろって・・・」
嫁「なんだその言い方は?辞めてほしかったら『総理!おやめください!』って言ってみな」
僕「だ、誰が・・・」
嫁「ふふふ。あたしの指はドジョウなんだよ!より狭くて暗いところに潜り込みたくなるのさぁ!」
僕「ま、待て!話せばわかる!とりあえずそこで止まれ!」
嫁「あんた・・・今まで私が嫌だって言っているのにしつこくやってくれたわね・・・」
僕「ふぁっ!それはおまえが喜んでいたから・・・」
嫁「喜んでなんかないわよ!ホレ!あんたはどうよ!嫌なことをされた気分は?」
僕「お、俺は別に嫌がってなんかな・・・くぅっ!これぐらいなんとなもぉ~・・・・」
嫁「そうかい、そうかい!じゃあこれならどうだぁ!」
僕「あぁ!ダメ!指を動かすな!!」
嫁「どうだ?こんなことされてうれしいか!」
僕「あぁ!俺は・・・俺は・・・・」
嫁「どうした?気持ちいいのか?気持ちいいんだろ?」
僕「ぐぉぉ~・・・俺は、負けぬ!拳王が誰にも屈っせぬわ!!」
嫁「なにが拳王じゃ!おらおらおらおら!!!10年殺しぃ!!」
僕「あぁ!あべしっ!!ま、参った!!俺の負けだぁ!」
嫁「ふふふ・・・・わかればいいのよ。・・・・」
僕「・・・・・・」
嫁「ズボッ(指を抜く音)。ふん!人の手を汚しおって・・・・貴様の肛門はゲロ以下のにおいがするわ!」
(パソコンに向かう嫁)
(部屋に流れるテレビの音)
(人知れず絨毯を濡らす僕)
僕「俺は・・・・・・Sなのに・・・・」
おわり