長瀬智也が出演している「Asahi スタイルフリー」のCMを見ていて僕はこう思った。
「なぜ、このCMの出来でAsahiの会議を通ったのだろう?」
「Asahiって会社はCM作りの素人なのか?」
「作り直すのが面倒くさかったのか?」
「CMなんて大した影響はないと思っているのか?」
「広報部の社員はだれも”このCMじゃ商品アピールが弱いんじゃないですか?”って意見を出さなかったのか?」
「それともCM作成会社や長瀬に気をつかって撮り直しができなかったのか?」
そしてついにはこう思った。
「俺がAsahiの社長だったらこのCMにOKは出さないな。」
「ただでさえキリンやサッポロ、サントリーに差をつけられてるんだもんな」
「こういうCMでOKを出しちゃうところが甘いよな」
「俺がCM制作に携わっていればもっといいのが作れたのに・・・」
なんて、「アサヒ すらっと」を飲みながら思ってしまった。
ちょっと酒が回って気が大きくなっていたのかもしれない。
ビールのCMってのは、やはりコップに注いだ黄金色のビールをゴクゴク、グビグビ飲んでこそ魅力が伝わるもんだ。
夏なら、汗をだらだらかきながら
もしくはその汗をシャワーで洗い流してから
喉がピリピリするくらいゴクゴクゴクゴクと流し込んで飲んでこそ、ビールは旨い!
秋なら、サンマや松茸など、秋の味覚を堪能しながらくいぃ~っとグラスを傾けて飲むビールが美味い。
冬なら、熱々の鍋物やおでんなんかを「はふはふ!あぢあぢ!!」なんて言いながら頬ばり、それをビールで流し込んだら最高に美味い!
春は花見。桜散る中、弁当の唐揚げなんかを摘みつつ、冷たいビールなんて最高!!
ただし、やはりビールはグラスかジョッキで飲みたい。
黄金色のビール!立ち上る炭酸!シュワシュワの泡!
あのクリーム色の泡を口の周りにつけながら飲んでこそ、ビールは美味い!!
が、今一度、AsahiスタイルフリーのCMを見てみよう。
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世界最大の観覧車「シンガポールフライヤー」
大きな透明の缶を横に倒したようなゴンドラの中で、パーティーが行われている。
ゴンドラの中を緑で覆うたくさんの観葉植物と、
パンや具を何段も重ねた豪華なサンドイッチタワー
そしてそれを無邪気に頬張る長瀬智也
確かにこのサンドイッチは旨そうだ。
長瀬はサンドイッチを頬張り「うま~~い!」
アサヒ・スタイルフリーをごくりと一口飲んで「くぅ~~!」
そしてなぜかそのあとにみんなで「乾杯~~~!!」
そして興奮した猿のように「うまいうまいうまいうまい!!!」と連呼する
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で、このCMなんだが、本当にビールのうまさを伝えているか?
ビールの魅力を伝えているか?
糖質ゼロをアピールしているか?
まずなにより気になるのが、ビールを缶のまま飲んでいるが、これってありか?
商品パッケージを見せたいのかもしれないが、
見ている方はいまいち「ビール飲みたいな~」「あ~うまそうだな~」という感じがしない。
それよりも「あの缶の中身、入ってないよな」とか、「ああ、俳優さんって大変だな~」
なんて余計なことすら浮かんでくる。
で、サンドイッチにビールって・・・どうなんだろう?
「絶対にあわない!」とまでは言わないが、
そこまで魅力的な取り合わせとも言えない。
汁っ気の少ないサンドイッチをもぐもぐと食べる。
なかなか口の中で細分化されず、パンが口の中の唾液をすべて吸い取ってしまい、飲み込めない。
で、しかたなしにビールで流し込む、って感じだよな。
ビールのうまみなんてわからないだろうに。
さらに、CMの中では長瀬君は「うまいうまいうまいうまい!」なんて無邪気にはしゃいでいるけど、
本当に旨いビールを飲んだら、絶対にそんなリアクションは出ないのだ。
本当に旨いビールを飲んだとき、人はみな川平慈英になる。
目をつぶり、喉のひりひりに耐えつつ、「~~くぅ~~っ!!」
そして生き返ったように息を「ぶはぁ~~!」と吐き出し、
そして最後に心から「う゛めぇ~~~」と叫ぶものなのだ。
あんな軽々しく「うあいうまいうまいうまい!」なんていうものではないのだ。
が、ここで僕はかつて『食わず嫌い王』に出ていたときの長瀬君を思いだしていた。
彼がこのコーナーで選んだ料理は「カレー、チャーハン、ステーキ、きのこのソテー」
この中に彼の嫌いな料理が一品入っているというのだが、
石橋貴明は「これ、実食する必要ないよ」「長瀬君の好きなものって、子供が好きなものだもん」
味方である木梨ノリタケも最初から勝負を捨てていた。
つまり、長瀬君はけっこうな子供舌なのだ。
そんな子供舌の長瀬君に「うまいうまいうまいうまい!!」と連呼させるとはね・・・
Asahiの諸君!
やりなおしだよ!!