それは12月のはじめのこと
嫁があるテレビ番組を見ていて、憤怒していた。
それは最近よくある、日本に住んでいる外国人をスタジオにたくさん集めてそれぞれのお国事情を話したり、日本や日本人のおかしな点を話してもらう、という番組だ。
そこに出た韓国人の男性が「韓国では整形は当たり前。大学進学のプレゼントに親が子供に整形手術代をプレゼントすることもある」というようなことを言っていた。
それで他の外国人出演者からも「おかしいよ!」「韓国人は見かけだけで判断するのか!」と批判を浴びていたが、その横にいた韓国人女性も平然としている。
それを見た我が韓国人妻は「あの男ムカつく!」と腹を立てて、次の朝まで機嫌を悪くしていたのだ。
おそらく「身内の恥をばらすな!」という感じなんだと思う。
韓国の中で、韓国人同士でなら「整形のプレゼント」なんて話をしても構わないだろう。
が、そんなことを日本や他の国の人の前で自慢げに話してくれるな!ということだ。
話は変わるが、昔「アタックナンバー・ハーフ」というタイの映画があった。
実話を元にしたオカマのバレーボールチームの話だ。
タイではオカマがある程度社会の中で認められ、学校にオカマ用のトイレがあったり、オカマが普通にお店で働いていたりしている。
で、オカマのバレーボールチームなんていうのもあって、かつてタイ国内の大会で圧倒的な力で優勝したのである。
が、国際大会への参加は認められなかった。
やはり国の代表がオカマというのは世間的にも恥ずかしいと、タイ政府かタイ・バレーボール連盟が判断したそうだ。
先ほどの妻の話と同様、国内では構わないが、国際的に晒すにはそれはまだ「恥ずかしいもの」という認識があったのだろう。
数日後、嫁は化粧品を買いに、デパートの化粧品コーナーを歩いていた
僕はその後ろを「早く終わらないかな~」と思いながらついていたのだが、ある立て看板というか、等身大の写真パネルを見たとたん、それにクギづけになってしまった。
それはAKB48のIとKであった。
この二人は普段から仲がいいとのことだが、そのあまりの差に「神様はなんと意地悪なことを・・・」と思わざるを得ない写真の出来だった。
IはAKBの中ではこうしたモデル仕事には慣れているのだろう。
自信に満ちた生き生きとした表情を浮かべている。
ばっちりフルメイク、ばっちりフル加工した顔には「AKBのオシャレ番長はあたしよ!」という強烈な自負がうかがえる。
本物のモデルの横では背の低さが露わになって恥をかいてしまうこともあったIだが、AKBの中ではさすがに顔が整っている。
が、問題はその隣に映っているKだ。
なんかもう・・・・Iと比べると顔が崩れているというか、溶けかけているというか・・・
とにかく顔が“だらしない”
目のぱっちり開いたIと比べると、そのだらしなさがはっきりする。
AKBにこれといって興味がない世の女性でも、さすがに今ではIのことは認識できるだろうが、その隣に映っているふやけた顔の女性には気づかない。
「これだれ?」という感じだ。
もうIを引き立てるためだけに連れ出された、みたいな。
その中でのAKBはキツイ。
その中で、AKBのIは顔だけならなんとか頑張っているほうだと思う。
自己投資の結果が出ていると思う。
が、Kはつらい。
なんか、Iの友だちだから無理やり引っ張られたみたいな。
芸能人の友だちだから無理やりテレビに出させられた、みたいな。
普段は忙しくてお化粧をする暇もない女社長が、今日はプロのスタイリストの手で華麗に変身です!みたいな。
そんな無理やり感が満載なのだ。
そしてそんなKのだらしない顔を見て僕は思った。
もしかしたら整形は、芸能人が高画質テレビやカメラで世間に顔を晒す際の、
最低限のマナーなのかもしれないな。この時代は。