みなさんは年末年始をどのように過ごしていらっしゃったでしょうか。
僕は珍しく実家で年越しそばなどを食べながらこたつでNHK『ゆく年くる年』などを見るという、由緒正しい日本人の年越しの仕方をしていました。
ただ、思い起こせば僕がこうして実家で年越しを過ごすのもこの10年では2回目くらいで、昨年は韓国、一昨年とその前はタイ、それ以外にも海外で遊んでいたり、一人暮らしのアパートで年を越していたことが多かった。
30を超えると嫁も連れずに実家で年を越すのはなんとも辛いものなのである。
ただ、年越しを家で過ごさない人、というのも今は珍しくないらしい。
テレビを見ているとどこの神社も初詣客でいっぱいだし
当然、それに伴って仕事をしながら年を越している人もいるわけで
テレビだけ見ていると、「あれ?こうして家で年を越している人のほうが珍しいんじゃないか?」と思ってしまう。
みんな元気なんだな。
僕は海外に逃げることはあったが、基本、出不精で人ごみが嫌いで面倒くさがり屋。
わざわざこの寒い中、人ごみの中に入っていくなんて考えられない。
ましてや、カウントダウンライブなんてねぇ~・・・・。
終わってからどうやって帰るんだろう?
帰らないで初詣とかに行くのかな?
ご苦労様だな。
ま、大晦日の夜、視聴率で一桁しか取れなかったフジテレビの『ものまね紅白』を見ながら過ごした僕の方がマイナーなので、そんなこと言えた義理ではないが。
ちなみに僕は、コンサートというものにほとんど行ったことがない。
地元平塚に”セイントフォー”が来た時に兄に連れられて観に行ったくらいだ。
なんか、あのノリについていけないのだ。
が、最近ぼくはあるものにハマっている。
それはYoutubeの動画で、僕は毎晩、奥さんに隠れてこっそり見ている。
まあ、奥さんもこんなものを見ているのを知ったらいい顔はしないだろうし、
僕自身も「来年40になるおっさんが、こんなものを観ているというのはどうも・・・」という罪悪感がある。
彼女らを初めて見たのは日本テレビ『しゃべくり007』にゲスト出演した時で、その時は
「アイドルにしてはキャラがちゃんと立っているし、バカっぽいけど面白そうな奴らだな」
というくらいの感想しかもたなかった。
底抜けに明るい彼女らは、バラエティ番組でもノー天気に振る舞い、周りのゲストを面白いように引かせていたが、決してひるまなかった。
で、興味本位で先のライブ映像を見てしまったのだが、
いや、もう・・・・・ハマってしまいました。
おじさん、ハマってしまいました。
すごいね、あの盛り上がり。
AKB人気でオタクが盛り上がっているのはなんとなく知っていたけど
こんなあんまりテレビに出ないようなアイドルでもライブ会場はこんなにたくさんのファンに囲まれて
あんなに盛り上がってるとは知らなんだ。
で、歌のバカバカしさ
小さな体を精いっぱい使うダンス
生き生きとライブを楽しんでいるような表情
アイドルがファンに活力を与え、ファンの声援がアイドルを恍惚とさせる一体感
なんか、すごいんだ。
おそらくあのライブ映像を観たら、外国人でもびっくりすると思う。
「なんだあの小娘は?」「お遊戯会か?」「なんで日本ではあんな歌でスターになれるんだか?」とあきれる人もいるだろうし
そして世界中に確実に存在する何%のオタクたちはその斬新さに驚愕するだろう。
「ワオ!すごいよ!こんなの見たことないよ!」
「かわいい!アニメから出てきたようだ!」
「あんなキュートな子が、あんな大胆な踊りをするなんて!」
「おもしろい!あんなハッピーなダンス初めて見たよ!女の子があんなに足を開いちゃって!」
「かわいい!アニメから出てきたようだ!」
「あんなキュートな子が、あんな大胆な踊りをするなんて!」
「おもしろい!あんなハッピーなダンス初めて見たよ!女の子があんなに足を開いちゃって!」
欧米で”アイドル”といえば、若くてキュートなことはもちろんだが、
やはり本物のアーティストでなければならない。
バックストリートボーイズ、ブリトニー・スピアーズ、ディスティニーチャイルド、もしかしたらレディーガガもアイドルと呼べるかもしれない。
歌、ダンス、作詞作曲などをこなし、パフォーマンスに芸術性がなければならない。
そして完成された作品を披露するのがアイドルだ。
が、日本のアイドルは違う。
見かけも幼く、歌もダンスも未熟だ。
見ている方がハラハラする。
SMAPの中居君なんて、20年以上アイドルとして歌を歌っているのに、未だに見ている方が「中居君、大丈夫か~、音程外さないか~」とドキドキしながら見守っている。
で、もはやそれが魅力になっている。
日本人はそういう”弱いもの””がんばっているもの”に弱い。
つい応援したくなってしまう。
判官びいきといおうか、母性本能と言おうか・・・
だから、完成されたアーティストを観るのももちろん好きだが
未熟なアイドルが一生懸命頑張っている姿を見守るのも大好きだ。
俗にいう”萌える”というやつか?
そして必死に頑張っている姿、底抜けに明るくふるまう姿を見て、「俺も頑張らねば」と自分を奮い立たせるようなところが日本人にはある。
アイドルから勇気や元気をもらい、明日を生き抜くパワーをもらうのだ。
こういうことは、欧米のアイドルでもあるのだろうか?
ヘタレ・アイドルが支持されるなんてことがあるのだろうか?
で、問題は、そういう未熟なアイドルを、アラフォーのおっさんが応援していいものかということだ。
もちろん、いいに決まっている。
実際、40代、50代になって、初めてアイドルが好きになった人はたんさんいる。
結婚してもアイドルのライブ会場に足を運んでいる人はいるだろうし
世間体など気にせず、自分の好きなことをし、好きなアイドルを応援するのは爽快に違いない。
が、僕にはそれができない。
生まれて38年、それをしたことがない。
「イエェェェェイ!」と大声で叫んだこともないし、
コンサートで思いっきりはじけたこともない。
クラブで踊り狂ったこともなければ、祭りで盛り上がったこともない。
もっというなら、打ち上げや飲み会で盛り上がったこともない。
なんかそういうふうに大声で騒ぐことを「恥ずかしいこと」ととらえてきたフシがある。
僕はどうしても自分の殻を破れないのだ。
僕の殻はピスタチオより固く
しかも栗のように何重にも覆われている。
きっと今、生きている間に正々堂々とアイドルのコンサートではじけることはないだろう。
ああ、生まれ変わったら、0.02mm厚のコンドームくらい、薄い殻に包まれていたい。
オブラートでできたコンドームくらい、破れやすい殻だったらいいのに・・・・