俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

松田翔太の憂鬱

世の中にはイケメンと呼ばれる人がいる。

ちょっと前なら木村拓哉福山雅治

今なら向井理佐藤健あたりがそれにあたるだろう。


僕は自分のルックスを、「まあ、中年の中では”中の上”ぐらいじゃないかな?」くらいに思っているが、生まれ変われるならやはりイケメンに生まれたい。

僕が向井理速水もこみちのルックスを持っていたら、人生どんなに楽しいだろう。

女の子からは次々と告られ、男友達も多く、仕事でもなぜか信頼され、何もしていないのにちやほやされ、人生がバラ色になるに違いない。

ちょっと前髪をかきあげただけで、同僚の女の子は目を奪われ

Yシャツの袖のボタンを外そうものなら美人上司がドギマギし

コーヒーカップに口をつければ社長秘書が愛液を垂らし

にこっと笑顔であいさつすれば、女性社員はみなパンツを下ろすに違いない。

イケメンはかくも得な生き物なのである。たぶん

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ただし、僕は生まれ変わっても、この人の顔だけにはなりたくないなぁというイケメンもいる。

それが松田翔太


松田翔太はイケメンだと思う。

女性人気も高いだろう。

が、この人だけにはなりたくない。

なんか、疲れそうなのだ。


それは、僕がテレビで「サントリー なっちゃん」のCMを観たときに確信したことだ。

サントリーなっちゃん」のCMと言えば、かつて田中麗奈星井七瀬堀北真希桜庭ななみ、など、

いわゆる”清純派”女優を主演させ、果汁飲料のさわやかさを表現したCMで人気を博していた。



で、今年からそのなっちゃんのCMに初の男性俳優が起用されるというニュースを見たとき

「男性か~・・・男性でさわやかさを体現できるとすれば、小池徹平とか、ジャニーズジュニアとか、そんなところかな~」

と思っていたら、松田翔太だったのだ。

松田翔太は、なっちゃんのCMの中でも相変わらずだった。

表情を崩すことなく車窓から外を眺め

「知~らな~い~う~~ち~に~  おいし~く~なっていた~~♪」

と歌いながらなっちゃんをごくりと一口。

近くの女の子たちに「歌うほどじゃないよね~」などと突っ込まれている。

ま、あの渋い表情が逆に笑いを誘うという、構成になっている。


まあ、イケメンというのはイメージを守らなければならないというストレスもある。

が、松田翔太の場合はイメージを守るというより

”イケメンそのもの”を守っている感じだ。

もっというなら、あの鉄仮面を必死で守っている感じなのである。

表情を大きく崩せないというか

常に眉毛をきりっとさせて、眉間にしわを寄せてながら、世の中のことに心を動かさないように心掛けている感じなのだ。

それが逆に不自然で面白いのかもしれない。

だって、松田翔太はいつもあの顔なのである。

あの表情なのである。


2日ぐらい便通が出なくて、3日目、やっとこさ固~いうんこが尻の穴を過剰に拡張させながら出てくるとき

僕ら一般人なら産みの苦しみに顔をゆがませるところを、松田翔太は無表情なのである。

また、男性には「賢者タイム」というものがある。

賢者タイム」とは、男性が オナニーを終えて、それまでのめくるめく興奮のるつぼ、怒濤の感情の爆発から一転、冷静で沈着で脱力もした状態、魂の抜け殻のようになったその時間のことで、「聖人タイム「スーパー賢者タイム」「ハイパー賢者タイム」「賢者モード」「賢者状態」などとも呼ぶそうだ。(「同人用語の基礎知識」より)

松田翔太は、エロ本やアダルトビデオを見ているときでさえあの表情だし、射精後もちょっと眉を動かすだけで、常にあのきりっとした顔なのである。(たぶん)

エレベーターで屁をこいてしまっても、歯に青のりがついていても、テレビで子役と共演しても、パソコンにアダルト広告が出て消えなくなってしまっても

松田翔太は常にあの能面を外さないのである。

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男は女に比べ、バカな行動をとりたがる生き物である。

男が集まればとりあえずバカ騒ぎをし、

くだらないことで盛り上がる低俗な生物であるが

松田翔太はおならに火をつけて豪快に炎が燃え上がっても「ふん、当然」という顔だし

男友達が酒を飲みすぎて素っ裸になって大騒ぎしているときも、松田翔太だけは一人白いふんどし姿のままソファーで足を組み、ワインをくゆらせているのである。あ、サントリーなっちゃん」をくゆらせているのである。

その、過剰にイメージを守る戦略のためか、僕の頼みの綱wikipediaでも松田翔太の説明はそっけない。

人間性が見てとれるような記述はまったくなく、出演作や受賞歴など客観的なデータに終始している。



今後、役者としての幅を広げるために、いろいろな役をこなしているだろうが、中にはバカな三枚目の役や、オカマ役、三下役などもあるかもしれない。

そのためにはあの仮面もいつかは外さなければならないだろうが・・・

デビュー6年で、今までに表情を崩したのが”ひげそり後の剃刀負け”だけというのは驚きである。

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