世の中にはイケメンと呼ばれる人がいる。
僕は自分のルックスを、「まあ、中年の中では”中の上”ぐらいじゃないかな?」くらいに思っているが、生まれ変われるならやはりイケメンに生まれたい。
女の子からは次々と告られ、男友達も多く、仕事でもなぜか信頼され、何もしていないのにちやほやされ、人生がバラ色になるに違いない。
ちょっと前髪をかきあげただけで、同僚の女の子は目を奪われ
Yシャツの袖のボタンを外そうものなら美人上司がドギマギし
コーヒーカップに口をつければ社長秘書が愛液を垂らし
にこっと笑顔であいさつすれば、女性社員はみなパンツを下ろすに違いない。
イケメンはかくも得な生き物なのである。たぶん
ただし、僕は生まれ変わっても、この人の顔だけにはなりたくないなぁというイケメンもいる。
それが松田翔太だ
松田翔太はイケメンだと思う。
女性人気も高いだろう。
が、この人だけにはなりたくない。
なんか、疲れそうなのだ。
いわゆる”清純派”女優を主演させ、果汁飲料のさわやかさを表現したCMで人気を博していた。
で、今年からそのなっちゃんのCMに初の男性俳優が起用されるというニュースを見たとき
「男性か~・・・男性でさわやかさを体現できるとすれば、小池徹平とか、ジャニーズジュニアとか、そんなところかな~」
と思っていたら、松田翔太だったのだ。
表情を崩すことなく車窓から外を眺め
「知~らな~い~う~~ち~に~ おいし~く~なっていた~~♪」
と歌いながらなっちゃんをごくりと一口。
近くの女の子たちに「歌うほどじゃないよね~」などと突っ込まれている。
ま、あの渋い表情が逆に笑いを誘うという、構成になっている。
まあ、イケメンというのはイメージを守らなければならないというストレスもある。
が、松田翔太の場合はイメージを守るというより
”イケメンそのもの”を守っている感じだ。
もっというなら、あの鉄仮面を必死で守っている感じなのである。
表情を大きく崩せないというか
常に眉毛をきりっとさせて、眉間にしわを寄せてながら、世の中のことに心を動かさないように心掛けている感じなのだ。
それが逆に不自然で面白いのかもしれない。
だって、松田翔太はいつもあの顔なのである。
あの表情なのである。
2日ぐらい便通が出なくて、3日目、やっとこさ固~いうんこが尻の穴を過剰に拡張させながら出てくるとき
僕ら一般人なら産みの苦しみに顔をゆがませるところを、松田翔太は無表情なのである。
また、男性には「賢者タイム」というものがある。
「賢者タイム」とは、男性が オナニーを終えて、それまでのめくるめく興奮のるつぼ、怒濤の感情の爆発から一転、冷静で沈着で脱力もした状態、魂の抜け殻のようになったその時間のことで、「聖人タイム「スーパー賢者タイム」「ハイパー賢者タイム」「賢者モード」「賢者状態」などとも呼ぶそうだ。(「同人用語の基礎知識」より)
松田翔太は、エロ本やアダルトビデオを見ているときでさえあの表情だし、射精後もちょっと眉を動かすだけで、常にあのきりっとした顔なのである。(たぶん)
エレベーターで屁をこいてしまっても、歯に青のりがついていても、テレビで子役と共演しても、パソコンにアダルト広告が出て消えなくなってしまっても
松田翔太は常にあの能面を外さないのである。
男は女に比べ、バカな行動をとりたがる生き物である。
男が集まればとりあえずバカ騒ぎをし、
くだらないことで盛り上がる低俗な生物であるが
松田翔太はおならに火をつけて豪快に炎が燃え上がっても「ふん、当然」という顔だし
男友達が酒を飲みすぎて素っ裸になって大騒ぎしているときも、松田翔太だけは一人白いふんどし姿のままソファーで足を組み、ワインをくゆらせているのである。あ、サントリー「なっちゃん」をくゆらせているのである。
人間性が見てとれるような記述はまったくなく、出演作や受賞歴など客観的なデータに終始している。
今後、役者としての幅を広げるために、いろいろな役をこなしているだろうが、中にはバカな三枚目の役や、オカマ役、三下役などもあるかもしれない。
そのためにはあの仮面もいつかは外さなければならないだろうが・・・
デビュー6年で、今までに表情を崩したのが”ひげそり後の剃刀負け”だけというのは驚きである。