俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

投票率を上げよ

A「え~、前回の衆議院選挙、自民党の圧勝に終わってしまった。我が”自由ブラブラ党”は悲しくも一人も当選ならなかったが、次回の参議院選挙こそはと、思う次第でございます。」

B「しかし代表。我々、勝手に政党を名乗ってますけど、そもそもお金がなくて立候補すらしていないんじゃ・・・」

A「ま、それはおいおい考えるとして、次回の選挙までには必ず・・・」

B「・・・勝算は・・・」

A「今回の選挙、敗因はひとえに投票率の低さにある。戦後最低の59%だ。これで民意を反映しているといえるかね?」

B「確かに。選挙権を持っている人の4割以上が棄権したということですからね」

A「つまり、政治に失望している若者が多いということだよ!。テレビの取材に答えている若者を見よ!」

B「選挙に行かなかった理由・・・”面倒、関心がない、政治についてよくわからない、誰が政治家になっても一緒、私一人が投票に行かなくたって変わらない、遊びに行く約束がある・・・”」

A「若者が投票しない。反面、田舎の年寄りだけが投票に行く。その結果が自民党の圧勝だ。」

B「ああ、なるほど。」

A「我々、自由ブラブラ党こそが若者の意見を代表できるのだよ。」

B「まあ、代表がフリーターで、幹事長の私がニートですからね」

A「だからね、まず選挙法を変えなければならないのだよ!」

B「ああ、なるほど。例えば?」

A「例えば投票しなかった選挙権を持つ国民には罰金を処すとか」

B「ああ、オーストラリアなんかはそうみたいですね。国民の義務、ということでね」

A「これならみんな投票に行くだろう?」

B「でも罰金は・・・・」

A「罰金がダメならどうするんだ?」

B「放課後、教室の掃除をするのがいいと思います!」

A「小学生の学級会か!」

C「人間なんだから罰は良くないと思います!本人の自覚に任せるのがいいと思います!」

A「掃除をサボった男子か!」

B「逆に選挙に行ったら何かもらえる、みたいなのはどうですか?」

A「あ~・・・なるほど。ティッシュとか?」

B「いらね~し・・・。そんなんじゃ投票しませんよ」

A「じゃあ、どうするんだ?金でも配るか?」

B「ま、年末ジャンボ3枚、とかね」

A「いや~・・・それはうれしいけど・・・選挙費用がかかってしょうがないな」

B「そうですか。あ、若者は投票所に行くこと自体が面倒なんじゃないですか?」

A「確かにな。小学校の体育館とか、さすがに気恥ずかしさもあるし」

B「だからたとえばファストフードとかコンビニとかで投票できるようにするとか?」

A「ああ、なるほどね。確かに便利だわ。でもお前がそのコンビニでバイトしてたらいたずらしない自信があるか?」

B「無理っすね。レシートの裏にAKBのメンバーの名前書いて入れちゃいそうな気がする。あと箱の中身覗いたり、Twitterで拡散したりするかも・・・『あの客、杉村太蔵に一票入れてたよ』なんて」

A「・・・最悪だな」

B「そうっすね。思い切ってAKBのCDに入れちゃいましょうか?投票用紙。そうしたら100万人は投票してくれますよ。なんなら当選した人と握手できるようにしてもいいし。」

A「したいか?」

B「いや、別に」

A「それに選挙は一人一票が原則だから・・・」

B「あ、そうですね・・・じゃあAKB方式はダメだ。ま、とにかく有権者に投票用紙を郵送して、郵便で送れるようにするとかは?」

A「う~ん。それも難しいんじゃないかな?郵便受けにに投票用紙を入れておくのもね。怖いよね」

B「ああ、だから書留にして、必ず印鑑かサインをもらうようにすれば」

A「でもね、面倒だからって、お父さんが一家を代表して祖父母、妻の分と4票まとめて出されても困るのよ」

B「じゃあ、もう郵便屋さんの目の前で一人ずつ書いてもらう。そんで回収まで同時にしちゃえばかなり投票率は上がるんじゃ・・・」

A「郵便局員も暇じゃないだろう?」

B「ま、そうですね。」

A「だから俺はな、ケータイやネットで投票できるようにすればいいと思うんだよ」

B「ええ~、それはまた危険じゃないっすか?」

A「だって、この時代、ネットを利用しない手はないじゃない?自民党だってネットでの選挙活動に前向きなんだよ」

B「でも選挙活動とネット投票は違いますよ。」

A「だから、選挙権を持っている人に国民番号みたいなのを送って、暗証番号も作ってもらって、そんで投票できるようにすれば一人一票はなんとか守られない?」

B「難しいんじゃないですか?子供がいたずらで投票しちゃうかもしれないし」

A「だから、投票ボタンを押すまでに、”あなたは20歳以上の日本人ですか”ってボタンをクリックするようにするんだよ」

B「なんか、エロいサイトを見るみたいですね」

A「そんでそのボタンをクリックすると”ありがとうございました。あなたは民主党のサポーターに登録されました。24時間以内に年会費5000円を払ってください。”なんて表示がされちゃったりして。」

B「ますますエロサイトじゃないですか!」

A「民主党って汚いよな」

B「あんたが勝手に言ってるだけでしょう?それにケータイもネットも使わないお年寄りは?」

A「ま、しばらくは投票所と併用してもらって、将来的にはネット投票を一般的にすれば・・・」

B「ネット投票って・・・そもそも普通に考えてハッカーとか、サイバーテロとか危険がいっぱいじゃないですか」

A「え~・・・そんなことするひといるぅ??」

B「当たり前じゃないですか。日本を混乱に陥れたい国なんかいくらでもあるし」

A「じゃあじゃあ、選挙活動だけでもネットOKにしてよ」

B「僕に言わないで下さいよ。ちなみにネット選挙活動なら勝機ありなんですか?」

A「そりゃぁ俺だって若者のはしくれだもの。政治家のおっさんらには負けないよ」

B「でも楽天の三木谷さんとか、サイバーエージェントの藤田さんが立候補してきたら?」

A「ビタ一文勝てる気しねぇ・・・」

B「IT社長ばかりが有利になって、しまいには総理大臣が2ちゃんねるの ひろゆき氏ですよ?」

A「・・・・ま、言論の自由は守られると思うけど・・・」

B「それにエッチなサイトの広告の横に”立ち上がれ!ニッポン”なんて書かれてもねぇ」

A「別のものが立ち上がってるのにねぇ」

B「紛らわしいバナー広告も出てきますよ?」

A「た、例えば?」

B「”生活の党”だと思ったら”性活の党”のサイトに行っちゃって、またエロサイトに」

A「怖いな」

B「”新党改革”だと思ったら”新党快感”」

A「素敵なマッサージをしてくれる店を紹介してくれそう・・・」

B「”新党大地”かと思ったら”新党大チン”」

A「売れない企画モノAVみたい」

B「だからネット選挙活動なんて、逆に混乱するだけですよ」

A「じゃあ、地道に自分のブログを立ち上げてだね、支持者を集めるというのは・・・」

B「・・・代表のブログ、ほとんど読む人いないじゃないですか・・・」

A「・・・・・日本の未来は暗いね・・・」