鈴木奈々が昨年に引き続き、今年も絶好調である。
小森純が消えた今、ローラとともに”バラエティの女王”と呼ぶに足る活躍を見せている。
もちろん、ネット上では
「うるさい!」
「めざわり!」
「内容がないしゃべりがイラつく!」
「あいつがテレビに出るとチャンネルを変えるかテレビを消す」
という非難が並ぶが、それでも彼女はバラエティに出まくっている。
別に事務所のごり押しがあるわけではないだろうから、彼女の露出はやはり現代のバラエティにマッチしているからだと考えられる。
バラエティ番組にはやはり”明るい”タレントさんがよく似合うが、21世紀のバラエティは”バカ”がもてはやされる。
数年前まで”バカ”の代表と言えば『クイズ・ヘキサゴンⅡ』から出現した紳助ファミリーだった。
”バカは愛される”ということを発見した画期的な番組であった。
その後、紳助さんの失脚により番組は終了。
”おバカ”だったはずのメンバーはこの番組を通して賢くなり、野久保以外は今も賢く生きている。

『クイズ・ヘキサゴンⅡ』の終了から2年。
今はバラエティは”第二次おバカブーム”と言われるくらいバカが蔓延している。
正確には「勉強ができない本当のバカ」「天然・世間知らず」「礼儀知らず・下品」「ハーフで日本の常識を知らない」など、細かく分類できるのだろうが
いずれのバラエティに引っ張りダコだ。
もはやバラエティには欠かせない存在だ。
そういえば90年代までは本物のバカはテレビでは扱えなかったので、「天然さん」がもてはやされた。
そういった人たちは「バラエティアイドル」と呼ばれ、人気を博していた。
視聴者からも「本当はバカではない」という安心感から、肯定的に受け入れられていた。
でも今は違う。
ホンモノがいっぱいだ。
水沢アリーなんて、日本生まれ・日本育ちなのに敬語が使えないのだ。
初対面の芸能界の大物も、迷わず”くん付け”で呼んじゃうのだ。
いったいどういう環境で育ったんだろう?
自分の父親も”くん付け”で呼んじゃうタイプだろうか?
これまで誰からも注意されてこなかったのだろうか?
こんな子がバラエティに出て、しまいには社会で受け入れられてしまうと、もうおじさんの知っている日本の常識や美徳は崩壊だ。
日本語と日本社会が壊されるのである。この小娘によって。

で、このおバカ全盛時代のトップを走っているのが、正真正銘・天然もののバカ、鈴木奈々である。
だって、「勉強が苦手だった彼女は、その地域で最も偏差値の低い高校に進学したにも関わらず、10教科中9教科で1を取るという成績不振から退学となった」(wikiより)なんて、狙ってできるものではない。
そんな彼女が今や、スターなのである。
「ああ、世も末だ」と嘆くのは簡単だ。
だから彼女が売れる理由を一度考えてみたい。
確かに、彼女のしゃべりは中身がない。
中身がないから、同じ言葉を繰り返しちゃうし、身振り手振りだけが大きくなる。
が、なまじ中身があると面白くないのも事実だ。
若手芸人がウケを狙ってスベることがあるが、鈴木奈々は元々何も考えていないのでウケを狙うこともスベることもない。
だから恐れることなくガンガン トークに絡んでくる。
恥じらいがない、というのも強い。
普通の女性が持っているものがない、ということは、普通の女性と違うものを持っているとも言えるからである。
そして何よりもあのパワーだ。
24時間、いつでもあのテンションなのである。
これがなかなかできない。真似しようと思っても決してできない鈴木奈々の強みだ。
だって、鈴木奈々にだって生理は来るのである。普通と同じ月一回。
それでもあのテンションなのである。
気分が悪いときでも、体が疲れているときでも、
彼氏と喧嘩したときでも、人にバカにされたときでも、常に”鈴木奈々”なのである。
常に全力で笑えるのである。
少なくともバラエティ番組を観る人は、気持ちを明るくしたくて観るのだろう。
そんなとき、美人なモデルがツンとした表情で座っているのなんて見たくない。
陰気な顔のアイドルや、愛想笑いの一つもできない女性タレントなんてのも見たくない。
やっぱり明るく笑っている人のほうがいい。
そいつが自分よりバカで劣っているならなお良い。
背が低く、顔もイマイチ、みんなからバカにされているなら一番いい。
そういう視聴者の需要に一番マッチしているのが鈴木奈々なのかもしれない。

プライベートで自分へのご褒美に食べるものを紹介していたのだが、鈴木奈々が選んだのが「韓の台所 道玄坂店」の「ガーリック石焼きビビンバ」に「スペシャルカルビ4種盛り」を焼いてビビンバに乗せるというもの。
ま、あれだけテレビに出ていれば年収1000万越えだろうし、当然と言えば当然なんだろうけど・・・
なんか、鈴木奈々は低収入でいてほしかった・・・
コンビニ弁当とかを旨そうに頬張ってほしかったな・・・
そうか、鈴木奈々が嫌われる理由はここか。
