俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

お父さんのおならに関する一考察

今、嫁と子供が帰省中なので久しぶりにブログなんてものを書いてみようと思う。

僕は今年後厄を迎えたおじさんだ。

この年になると、なぜか幼い日のことをふと振り返ったりするものである。


僕は酒屋を営む父の次男坊として生まれた。

父は昔、陸上競技でならしたとのことで、背が高くすらっとした体型だった。

それでも毎日重いビールケースやら日本酒の木箱やらをひょいひょいと持ち運び配達していた父は実に力強かった。無駄な脂肪がなく、細身の力強い筋肉を持っていた。

そんな父親だが、僕が子供の頃に思っていたことは、「この人はなんでこんなにおならをするのだろう?」ということだった。

父は本当によくおならをした。

強く、短く、勢いのあるおならを日に何度も放っていた。

それも夜、家族が集まっている中で、これみよがしに屁を放っていた。屁を放つ父に恥じらいなど微塵もなく、むしろ「どうだ!これが大人の屁だ!すごいだろ!」と誇らしげでさえあった。

僕を含めた3人の子供たちは、父がおならをするたびにギャーギャー騒ぎ、

「臭い臭い!」

「屁こき星人!」

「屁こき虫!!」

「おならの大将!」

と父を馬鹿にしたものだが、父は笑って気にすることもなく、また大きな屁をこいては「お~!気持ちいい~!」と悦んでいた。

のちに「お父さんはよくおならをする」というのは決して我が家だけのことではなく、どこの家庭でも共通する「あるあるネタ」だということが判明するのだが、とくかくそのおならのせいで、僕は若いころ父を「だらしない」「かっこ悪い」と思っていた。

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時は変わって、私が大学生の頃。

当時ひとり暮らしをしていた僕は、『ダウンタウンのガキのつかいやあらへんで』をよく見ていた。

今の「ガキつか」のレギュラー放送のつまらなさは目も当てられないひどさだが、当時の「ガキ」は本当におもしろかった。

当時はまだオープニング企画10分、ダウンタウンの立ちトーク20分といった番組構成だったのだが、とにかく松本人志(以下、松ちゃん)の才能にひたすら感服し、腹を抱えて笑っていた。

僕はVHSのテープに毎週録画をし、トークの部分を暗記するほど何度も何度も繰り返し見ていた。


そんな「ガキつか」のオープニング企画に「屁をこいてごちそうを食べる」というものがあった。

架空のお店でおならをするたびに食べ物を注文できるという企画なのだが、ダウンタウンの圧倒的な強さに驚かされた。

第一弾「ヘマチ・ド・パリ」編では、屁をこくたびフランス料理のコース料理を注文できるというルールだったのだが、なかなか屁がだせないココリコの二人をしり目に、松ちゃんと山崎邦正(現・月亭邦正)が順調に屁をひねり出し、サラダ、スープを注文していく。

しかし30分をすぎたころから大本命・浜田雅功(以下・浜ちゃん)が屁を連発。あっさりと松ちゃんを抜いて肉料理・デザートまで堪能したのであった。

第二弾「寿司兵衛」編では、高級寿司をかけて勝負をしたのだが、制限時間2時間ので山崎邦正が屁を5発以上放ち、下剋上を果たしたのであった。


この屁をこいて料理を注文するという企画は、おそらくものすごい批判があったのだろう。
あれ以降、行われなくなってしまったのだが、僕個人としては割と好きな企画だった。

「下品でくだらない」

これこそ昔から男の子が好きなバラエティの王道である。

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さらに時は流れ、僕は42歳。

子供もできて、いわゆる「お父さん」になった。

で、当然というか、自然に「屁をこくお父さん」になったのである。


それでも結婚当初は嫁の前ではおならを我慢していた時もあった。

おならが出そうになると、わざわざ居間から廊下に出て屁をしていたりもした。

夏はよかったが、冬はきつかった。

暖かい居間から、わざわざ半纏を着て極寒の廊下へ屁をするために出ていたのである。

そんな僕を見た嫁は「私は気にしないから大丈夫だよ」と言ってくれた。

今思えば、あの一言が分岐点だったのかもしれない。

それから僕は、嫁がいようが構わず屁を出すようになっていた。

おならは音が大きく、勢いがいいほうが臭いが少ないこともわかっていたので、おならが出そうになると意図的に力を入れて、勢いよく出すように心がけた。

これは別に嫁に嫌がらせをするためではない。

あくまで嫁に嫌なにおいをかがせないために、意図的に大きなおならを出していたのだ。

嫁も嫌がるかなと思いきや、「これで自分も出しやすくなった」とばかりに僕の前でおならをするようになった。

ただ嫁の場合は屁のコントロールが出来ないため、不意に出てしまう。

ありえないほど細くて長い屁をこいたかと思えば、テレビのバラエティ番組を見て「ははははは」と笑いながら小刻みに「プププププ」と出すこともある。

僕は負けじと音と回数で勝負。

男は「ブッ!」と潔く。そして遠慮なく放っていた。


そういえば、35歳を超えたあたりから屁が出やすい体になった気がする。

本当に朝起きてから、通勤の電車の中、会社での勤務中、外での移動中、そして帰宅後の家の中

朝から晩まで屁が生成されていた。

もちろん通勤電車で屁をするようなことはしなかったが、歩いていて周りに誰もいなさそうなら気にせず音を出して屁をこいていた。

少なくとも20代のころはこんなには屁は出なかった。

なのに今では笑ってしまうほど屁が出る。

調べてみると、年を取ると腸の中の悪玉菌が増えて屁を作りやすくなるらしい。

そこに男女差はないため、「お父さんだから屁がたくさん出る」というわけではないらしい。

きっと女性も人知れずどこかで、男性と同じくらい屁を出しているのだろうが

人前でも構わずこいてしまうお父さんだからこそ、たくさんおならをしているイメージをもたれてしまうのだろう。

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さて、話は最初に戻るのだが、

今、嫁と子供が帰省中なので僕は暇を持て余しているのである。

そこで、Youtubeで、昔の「ガキつか」の映像を見てみた。


https://www.youtube.com/watch?v=eU7abw8fO3Y
(↑「ヘマチ・ド・パリ」編)


https://www.youtube.com/watch?v=2EnYwtPRyP8
(↑「寿司兵衛」編)


いや~、おもしろいね。

実にくだらない、が抜群におもしろい。


ごちそうにありつこうと、必死にふんばって屁を生み出そうと苦しんでいる姿が滑稽でならない。



で、なにがすごいかってその30分程度の動画の間に

僕自身が立派な屁を3発こいている


ということである。当時ダウンタウンの二人でさえ2時間くらいかかっているのに。

今ならフルコース食えるな・・・