先日、プレゼンテーション動画のTEDを見ていたら、おもしろい実験結果を紹介していた。
まずはその動画を見ていただきたい。
動画を見るのが面倒だという人のために、要約を書くと
・4歳の子供に対し「ここにある1つのマシュマロを15分食べずに我慢出来たら、あとでマシュマロをもう1つあげる」と言って、大人は部屋を出ていく。(子供を一人にする)
・すると3人のうち、2人はがまんできずにマシュマロを食べてしまう。
・また3人のうち1人は手で顔を覆ったり、マシュマロを手でいじったり、服を触ったりしながらマシュマロを我慢している様子を見せる。
・その子たちは「楽しみを後にとっておく」という成功のために最も重要なことを知っている。
・この実験に参加した子供たちの14~15年後を追跡調査した結果、マシュマロを食べなかった子供たちはみんな「学校の成績が良い」「幸せだと感じている」「将来の見通しがある」「周りの人とよい人間関係を築いている」など人生がうまくいっていることがわかった。
・反対に、マシュマロを食べてしまった子供たちは「大学に行けなかった」「成績が悪い」「中退してしまった」など、何かしらの問題を抱えていたことがわかった。
ふ~ん、そんなもんかな、と思いつつ、親というのは「うちの子はどうするんだろう?」と思わずにはいられない生き物である。
しかも幸か不幸か、うちの息子も4歳なのである。
僕はある日、息子の大好物、不二家のミルキーを見せながら
「ここにミルキーをおいておくから、ちょっと待っててね。食べちゃダメだよ。パパとママが来るまで待ってたら、ミルキー2つあげるからね」
と息子に告げ、書斎に籠った。
妻には事情を説明し、キッチンで洗い物をしてもらった。
その結果、どうなったかというと・・・
息子は食べなかったのである。
んで、15分の間、何をしていたかと言うと
ミルキーには目もくれず、おもちゃで遊んですごしていたらしい(妻談)。
僕の実験は、動画の実験と正確には同じではない。
なぜなら僕と妻は同じ家の中にいたので、息子はそれなりに親の存在を意識していただろうし、
「食べたら怒られるかもしれない」「ママはすぐそこにいるんだから」と思ったかもしれない。
また、ミルキーは息子の大好物だが、その時はそれほど食べたいタイミングではなかったかもしれない。
また、親が指示を出すのと、知らないおじさんが指示を出すのでも結果は変わるかもしれない。
それでも親は信じたい。
「息子はおもちゃで遊ぶことで、ミルキーを食べたい衝動をごまかしていたのだ」と。
いつもならミルキーを渡されたら喜んで袋を開け、口に放り込む息子がそうしなかったのだ。
息子なりに自分の欲求をがまんしたはずである(と信じたい)
先の動画でも、子供は遊具のようなものがある部屋で実験を行っていたので、そういうもので気を紛らわすこともできたはずだ。
ちなみにアメリカとコロンビアでは3人に2人がマシュマロを食べ、
韓国では(アメリカ人が見習わなければならないほど)素晴らしい結果が出たそうである。
地域によっても、子供の性格によっても、親の躾によっても差は出るだろうし
「がまんすれば2つ食べられる」と思って我慢した子もいれば
「言うことを聞かないと怒られるから」と思って食べなかった子もいるだろう。
でも親は信じたいのである
うちの子も人生がうまくいくはずである。
この実験で素晴らしい結果を残した韓国人がみな人生うまくいっているかどうかはさておき、
我が息子は人生で成功して、お金持ちになって親に家と車を買ってくれるはずである。
ちなみに親である僕も子供のころから「楽しみを後に取っておく」性分で
ショートケーキのイチゴもいつも最後に食べていたな。
でも人生がうまくいっていたか、人間関係を築くのが上手だったか、将来の明るい見通しが立っていたかは非常にビミョーなところだった・・・
そういえば、子供の頃に最後に食べようとしたショートケーキのイチゴは時々兄貴に食われたりしたしな。
「今を楽しむ」って考えのほうが21世紀を楽しむうえでは大切かもしれないな。
ま、あんたの人生。好きに生きろや、息子よ。