うちのじいちゃん94歳
最近、歩行が難しくなってきているとはいえ、めちゃ元気。
週に4回はデイケアセンターに泊まり、週に3日、うちに帰ってくる。
うちにいる間は父が一日中世話をしなければならない。よって週に4日、デイケアセンターが預かってくれるのは家族としてはありがたい。
しかしじいちゃんは気に入らない。うちに帰りたいと駄々をこねる。
おいらはデイケアセンターにいるじいちゃんに会いに行った。
センターはできたばかりで建物も新しいし、おじいちゃん、おばあちゃんが集まる部屋は、3面大きな窓があってとても明るい。
なかなか快適なところに思えたのだが、一人ふてくされているじいさんがいる。
うちのじいちゃんだ。
他のじいさんばあさんが「富士山」や「鯉のぼり」の歌をうたっているのに参加しないじいちゃん。
他のじいさんばあさんが折り紙をしているのに参加しないじいちゃん。(じいちゃん曰く、折り紙は女のすること、だそうだ。)
センターの職員にも聞こえる声で「ここはつまんねえよ~、一日中あんな遊びばっかだ」と言い放つじいちゃん。
人は年を取ると幼時退行がおこるのが普通らしいのだが、子供っぽい遊びが嫌いなじいちゃん。子ども扱いをされるのが嫌いなじいちゃん。
さすが俺のじいちゃん、94歳でちょい悪。
俺もそんな老人になりたいと思う反面
このまま結婚できなかったら世話してくれる家族もいないんだから、ちゃんと老人ホームに入るお金をためて、ホームの人の言うことをちゃんと聞こうと心に誓うのであった。