昨日、仕事からの帰り道、哀愁漂う風景を見た。
少し禿げ上がったおとうさんが、かわいらしい犬をつれて散歩している。
お父さん、会社でも相手にされず、家でも相手にされていなさそうな、哀愁の漂う人だった。
するとこのワンちゃん、道の真ん中でおもむろに止まり、四足をふんばり脱糞体勢に入る。
「おいおい、道の真ん中でかよ」
心の中でそう思った。
しかしお父さんはポケットからすかさずコンビニ袋をとりだし、右手に装着。
そして踏ん張る愛犬の尻元に差し出した。
犬のうんこをダイレクトキャッチである。
僕はそれを見ていた。
夕焼け空の下、仕事帰りの僕は、住宅街の真ん中で
踏ん張る犬と
そのうんこをキャッチするおっさんを見た。
とてもドラマチックだった。
哀愁あふれる光景であった。
哀愁お父さんにとてもお似合いな、胸キュン・シーンだった。
うんこが終わると、お父さんは慣れた手つきでビニールを裏返し、何事もなかったようにうんこをぶら下げながら家路についた。