その朝、起きたとき僕は妙な幸福感があった。
なんでだろう?なんかいい夢を見たような気がする。
歯磨きをしながら思い出した。
そうだ。結婚する夢を見たんだ。
俺、夢の中で結婚したんだ。
幸せだったなあ・・・
確か、お見合いかなんかをしたんだと思う。
そんでその女の人の顔をあんまり見ないで、結婚を決めたんだ。
そんで1週間後には結婚式。
結婚式の当日、転職したばかりの会社に欠勤の知らせをしていないことに気づき、途中下車して電話をかけた。
「すんません。今日、結婚するんで会社休みます。」
そんで、結婚式場に向かう。
電車の中で、「あれ?俺の嫁さん、どんな顔だったっけな?」なんて考える。
わかるはずない。先週1回会って、結婚を決めてしまった人だから。
でも、とにかく”結婚できる”
そのことだけで幸せだった。
奥さんはそのうち、好きになる(はず)。
でもとにかく結婚できたんだ。
楽しみだな・・。
式場に向かう電車の中で、ちょっと居眠り。
夢の中で目が覚めたら、現実でも目が覚めていた。
そしてオイラは35歳の独身男に戻った。
あ~あ、こんな夢を見るようじゃ、お先まっくらだな。