俺よ、男前たれ

おもしろきこともなき世をおもしろく

やりすぎmas

朝、仕事場に行くと変なやつがいた。


真っ赤なサンタの帽子にサンタクロース柄のネクタイ

 

そいつは俺を見るなりハイテンションで「Merry Christmas!」と声をかけてきた。

 

職場のイギリス人だった。


こいつは来週からクリスマス休暇を取るとかで、今週が仕事納め。

 

それで今週ずっとこんな格好で仕事に来ているらしい。


「(ここ日本やぞ・・・)」と思いつつも、

 

「ははは・・・サンタですか・・・お似合いで・・・」

 

と苦笑い。


”やりすぎ”である。


しかし、そいつだけではなかった。

 

学生時代、オーストラリアだかニュージーランドだかに1年留学してたという女が

 

普段地味なくせに今日に限って真っ赤なスカートをはいてきていた。

 

それだけならまだしも、真っ白なファーって・・・

 

それも”やりすぎ”・・・



嫌な気持ちになって昼飯を食いに外に出る

 

モス・バーガーの看板に

 

「Meryy X’MOS」って

 

やりすぎやろ!



バカバカしくなって家路に着く。

 

駅に向かうまでの道

 

目の前に赤い毛糸の帽子をかぶった女が歩いている。

 

しかも白いモコモコがついたポンチョまで!

 

完全なやりすぎである。


デートか何かか?

 

まあ、確かに彼氏は「お、かわいいじゃん!」とか言ってくれるかもしれない。


しかしすれ違う人みんなが「やりすぎじゃない?」という苦笑

 

その姿で電車に乗ったらきっと車内の人がみんな「やりすぎだべ」という目で見るだろう


あ~あ、バカみたい。

 

こんな女、追い抜いてやる、と

 

早足で追い抜くと

 

なんとそいつは40がらみのおばちゃんだった・・・

 

アラフォーと呼ぶにはあまりにもむごい顔したおばちゃんだった・・・

 

やりすぎっすよ~。



なぜかブルーな気持ちになって電車に乗る。

 

手すりにつかまっているとなんとなく目の前の高校生が気になった。

 

ドアにもたれかかるように立っている男の子は

 

身の丈160センチメートル

 

ちょっと小太り長髪

 

頭を左肩に乗せ、いかにも「たそがれてます」という脱力加減

 

僕は彼を「ヨモギダ君」と命名した



その日は朝から雨が降っていて、ドアのガラス部分は曇っていた。

 

ヨモギダ君はおもむろに右手を差し出し

 

ガラス窓にハートを書いた。


「(気持ち悪っ!気持ち悪いぞヨモギダ君!!)」


と心の中で叫ぶと、ヨモギダ君はそのハートの真ん中にジグザグ線を記入


「ま、まさかヨモギダ君!」


そしてヨモギダ君はハートの右側を指で塗りつぶす


「そ、そうか・・・お前も・・・」


さらにヨモギダ君はハートの左側も塗りつぶし、「ふっ」と笑った

 

 
やっっっぱり気持ち悪っ!!


ヨモギダ君・・・・やりすぎ・・・・



電車を降りて、馴染みのSHOP99

 

「キムチスープ」「豚コマ」「もやしニラ炒め(生もやし)」を購入

 

これに買い置きのキムチを混ぜればキムチ鍋(312円)のできあがり!


おや?

 

ニラの緑、キムチの赤で見事なクリスマスカラー

 

いいじゃん、いいじゃん!


テレビには日清のミルクシーフード、ミルクカレーのCM

 

「メリー、ミルクリスマス!」


ははは、OK!許す!


じゃ、俺もついでに

 

「メリークリ○リス!!」







これは完全にやりすぎです・・・・・

 

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